BOAT RACE ビッグレース現場レポート

BOAT RACE ビッグレースの現場から、精鋭ライター達が最新のレポートをお届けします。

THEピット――整備!

 トライアル開戦の朝、整備室の前にいくつかのボートが置かれている。そこにボートがあるということは、間違いなく本体整備。事実、それらのボートにはモーターが装着されていないのだ。
 もともと評価が高く、住之江の上位6基に与えられる称号=オレンジモーターでもある10号機。しかし三島敬一郎は転覆による足落ちを指摘している。引いたのは田口節子。整備室出入口の最も近いところに置かれていたのが田口のボートだ。本体整備ということはやはり……。2R発売中には整備を終え、モーターを装着。そこからしばらくは動きは見られなかったが、まずは水面に出て整備の効果を確認したいところだ。

 高田ひかるのボートは、そこから数m離れたところに置かれていて、モーターはなし。本体整備だ。前検タイムには驚かされた。12名のなかでまさかのワースト。堀之内紀代子がブービーで、タイムランキングの上下がひっくり返っているのではないかとの錯覚に襲われたほどだ。チルトを大きく跳ねるのではなく、ペラはもちろん本体も扱って伸びを引き出すのがスタイルであり、本体整備もある程度想定されたことではある。この整備がどこまで高田の持ち味を引き出すことができるか。スタート展示や展示タイムにも注目しよう。

 遠藤エミのボートも整備室付近に置かれていた。ただしモーター本体はそのままに、ギアケースが外れていた。本体については昨日扱っているのを見かけたわけだが、今朝はギアケースに手をつけたというわけだ。そして、1R発走間際に調整を終えると、2R発売中には着水。調整用の係留所にボートをつけて、ニードルなどの調整をしたのち、試運転に出て行っている。12R1号艇がかなり早い段階で水面を走った格好だ。

 そのほかのトライアル組のほとんどは、プロペラ調整に励んでいた。昨日は相当に泣きまくっていた堀之内紀代子は懸命のペラ調整。ボートは係留所にあって、すぐにでも試運転に飛び出して、調整の反応を確かめられる態勢だ。

 係留所にボートがあったのは平山智加も同様であったが、ペラ室には姿がなし。整備室を覗くと、ゲージ擦りなどを行なうテーブルで何かの作業をしていた。中身がちょっと確認し切れなかったが、早くもゲージ擦りなのか? いずれにしても、平山もいつでも試運転に出ていけるような状態ではある。

 2R発売中、守屋美穂がいったんペラ調整を切り上げて、モーターに装着。2Rはそのまま自艇の付近で観戦し、エンジン吊りにも参加したのち、ボートを着水している。3R発売中には試運転する姿も。序盤の時間帯で水面を走っていたトライアル組は結局、遠藤と守屋だけだったということになる。

 実はシリーズ組のボートも整備室付近に2艇置かれていて、これが倉持莉々と平田さやか。彼女たちも本体整備を行なっている。倉持は上々の成績ではあるが、9R1回乗りと時間に余裕があるということもあるのだろう。行き足あたりに不満を抱えているようで、その解消という意味は当然あるはず。平田は伸びのなさを嘆いており、その部分の上積みをはかったというところか。8R1回乗りで、やはり比較的時間に余裕あり。成績はまとまってはいるが、もう一丁上を狙いたいところではあろう。

 入念なペラ調整は片岡恵理。選手紹介では同期の堀之内紀代子の応援に来た、なんて言っていたわけだが、それももちろん全力でするとして、自身のレースや調整に関しても全力投球である。3Rは6号艇で6コースから6着となってしまったが、今日はこの1回乗りで、まだまだ調整を続けていくことだろう。(PHOTO/中尾茂幸 TEXT/黒須田)