BOAT RACE ビッグレース現場レポート

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シリーズ戦 準優ダイジェスト

ナルミン2弾まくり

8R
①清水愛海(山口) 24
②宇野弥生(愛知)   15
③西岡成美(徳島)   13
④廣中智紗衣(東京)13
⑤藤原菜希(東京)    07
⑥土屋実沙希(静岡)15

 まくり怪獣の卵・ナルミンが準優という大舞台で、とんでもない大技をやらかした。その名も2弾ロケット渦潮まくり!!(笑)

 第1弾ロケットは2コース宇野の伸びなりジカまくり。昨日に続いてインコース愛海は大先輩のジカまくりを喰らったが、経験の浅さとしか言いようがない。
 弥生らしい気風のいいジカまくりでそのまま突き抜け1着か、誰かの差しが突き刺さるのか。

 そんな感じで見ていたらば、3コース成美があっと驚く全速ぶん回し! 綺麗にまくったはずの弥生に、まるでジカまくりを浴びせるような見え方でバック突き抜けて行った。私は昨日まで「まくり怪獣の卵」と断定してきたが、あるいは今日のこの一撃で幼獣へと孵化しちゃったかも。

 今節の台風の目として大活躍した愛海は、バック最後方からの追い上げ及ばず3着に敗れた。準優では最悪の着順ではあるが、今日も道中の位置取り~旋回はほぼほぼノーミス。イン戦でのスタート力を磨ききれば、あるいは来年か再来年の今頃はもうひとつ上のステージに立つ可能性もあるだろう。とりあえず今節は、大瀧明日香とともに「シリーズ戦6日間オール3連対」という記録を残して山口に帰ってもらいたい。

パワー劣勢の誤り

9R
①渡邉優美(福岡)14
②清埜翔子(埼玉)09
③日高逸子(福岡)10
④高憧四季(大阪)06
⑤三浦永理(静岡)11
⑥倉持莉々(東京)09

 こちらのまくり大怪獣・シキ(すでに成獣)は気合のコンマ06トップで突き進み、内の先輩3艇を……まくらなかった。まくれなかった、と言うべきか。今節の四季はスリット後の伸び足が悲しいほどに乏しい。今日もスリット近辺で「まくらんかな」の気合を感じたが、カド受け逸子さまの伸び返しを受けて差しハンドルに構えた。

 誰も仕掛け切れなかった1マーク、優美が悠々と先取りして1着確定。離れた2番手に付けたのは、4カドから差した四季だった。非力すぎる伸び足に対して、出足回り足はソコソコある四季が必死に後続を振り払う。

 それでも直線でじわり差を詰められた四季は、2周2マークでやってはならないミスを犯した。後続の2艇を行かせてからの差し。誰の目にも逆転されるのは明らかな拙攻で、この瞬間に抜群足の清埜と体が入れ替わっていた。四季を擁護するなら、ここも足への不安の表出。全速握りマイで抱いて交わせる自信がなかったための差し戦法だったのだろう。
 だが、こんな弱気なターンを繰り返していては強くなれるはずもない。機力に自信がないのなら、己のターンスピードで勝負。そんな気合でここは握り倒して欲しかったし、明らかに握り倒せば2着がキープできる局面でもあった。辛口の言葉が続くが、今節の後輩・愛海なら迷いなく抱きマイを選択しただろう。機力とは無関係に。

ベテランの誤り

10R
①大瀧明日香(愛知)29
②金田幸子(岡山) 11
③落合直子(大阪) 06
④平田さやか(東京)14
⑤犬童千秋(福岡) 08
⑥中田夕貴(埼玉) 11

 最近、思っていること、それは「ボートレースはミスと間違いで成立する公営競技」。競馬や競輪と違って水の上、コーナーはふたつだからほぼ180度の急旋回、風や波の影響をモロに受けるボート……そんな不確定要素の高い環境で、6人の選手がすべて完璧な位置取り~旋回をすることは絶対にありえない。間違えるのが当たり前。

 そう、さらにもうひとつ、間違いが起こりやすい要素が、スタートだ。今日は一本被りの大本命・明日香が相対的なミスを犯した。コンマ29、ドカ遅れ。スリット全速を意識したにしても、致命的な数字。この過ちを元女王の金田がやり過ごすはずもなく、じんわりと絞め込みつつ1マークの天辺で明日香の息の根を止めた。

 2着は金田マークでしかり連動した落合。賞金13位=ドリーム1号艇、シリーズのエース&地元のエースとして最低限のノルマを果たしたといえるだろう。大瀧は猛追及ばず3着まで。圧倒的なV候補が消えたことによって、明日の11R・シリーズ優勝戦は一気に戦国時代に突入した肝するのだが、どうだろう。(photos/シギー中尾、text/畠山)

 8R~10Rの準優が終わり。明日の11Rシリーズ戦ファイナルに参戦する6PITが確定しました。

11Rシリーズ戦・優勝戦
①渡邉優美(福岡)
②金田幸子(岡山)
③西岡成美(徳島)
④清埜翔子(埼玉)
⑤宇野弥生(愛知)
⑥落合直子(大阪)