BOAT RACE ビッグレース現場レポート

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THEピット――いざ、大晦日決戦へ!

●11R

 朝の転覆で足落ちなども心配された田口節子だが、きっちり逃げ切り! 連覇に向けて、堂々の優出を決めた。
 2着は3コースから握った遠藤エミ。2戦目の6着で、大敗なら優出漏れもあったわけだが、堂々たるレースぶりで優出当確。賞金ランクトップの責任を果たしたと言える。
 レースを終えると、二人は顔を合わせてニッコリ! 田口はホッとしたように首を振ってもいた。両者に共通するのは、その笑顔に安堵の色が濃かったこと。それぞれに枠は良かったとはいえ、不安もあるなかでの好結果には胸を撫で下ろす感覚が強いのも自然なことではある。

 守屋美穂は6コースから3着で、優出当確。チルト0・5度に跳ねたのは正解だったか。これで5年連続の優出となっており、今度こその思いも強い。会見では、今年GⅠ(男女混合)に数多く斡旋され、結果は出せなかったが、それによって成長しているはずだということを、言葉を選びながら、やや思いのこもった口調で語ったのが印象に残った。意識を高く持つことが、自身を逞しくしているという感覚。それは守屋を、女子戦というカテゴリーでは格上に導いているのだと思う。なお、チルト0・5度はあくまで6コース仕様であり、明日は下げてのレースとなりそうだ。

●12R

 平高奈菜が初戦につづいての逃げ切り勝ち。これで優勝戦1号艇をゲットだ。なんと、3年連続でファイナルの白カポック! そして、2号艇は田口節子だから、昨年の並びとまったく同じ。昨年は田口のまくりに屈しているだけに、何が何でもリベンジを果たしたい、いや、果たさなければならない住之江の大晦日である。
 この勝利に気分が上がったのか、平高はすぐさま公開勝利者インタビューに向かおうとしている。いったん控室に戻り、引率の職員さんとともに向かうのが常なのだが、実は控室へ戻らずに向かったほうがはるかに時間と距離短縮なのだ。お客さんを待たせたくないという心遣いもあったのだろう。「(誰も来なければ)一人で行くでぇ!」とか言いながら、本当に向かう素振りを見せていた。ところが、その前に地上波中継のインタビューに出なければならず、中継スタッフや職員さんたちは大慌て(笑)。平高はそれを知らされ全力疾走でカメラの前へ。なんかドタバタしちゃったレース後なのであった。

 2着は2マーク逆転で長嶋万記。内から2番手先マイでそのまま前に押して、平山智加を抜き去った。そして、これが勝負駆け成功の逆転劇だった! 長嶋は2着条件なのだ(長嶋自身はそれを知らなかったそうだ)。会見では、コースを問われて「今は6コース(のつもり)」と答え、「今は」を繰り返した。むむ、含みを感じる物言いだ。一晩寝て、明日試運転などで乗ってみて、その心づもりに変化はあるのか。スタート展示から注目したい。

 平山は3着だが、優出当確。勝てば文句なしの優勝戦1号艇だったし、2着でも2号艇の可能性はあったから、4号艇に出されてしまう結果となってしまった3着に満足はない。で、平山は平高の会見中に会場にやって来て、平高の言葉にうなずいたり、平高が現行エンジンのレコードタイムを出したと聞いて拍手したり。すっかりギャラリーとなっていたのでした(笑)。気分は良さそうだぞ。(PHOTO/中尾茂幸 池上一摩 TEXT/黒須田)