BOAT RACE ビッグレース現場レポート

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様変わりした芦屋のピットから

 芦屋のピットは奥のほうに向かって鰻の寝床のよう細く長い、という形状だったのだが、その奥のほうが現在工事中。以前はボートリフトがおおよそ中間地点だったのだが、リフトの手前までが装着場のスペースとなった。前回訪れた一昨年のオーシャンカップ時には2棟のプレハブがあって、その手前には使用していないボートを置くスペースもあったのだが、これらがすべて撤去されて、形状としては正方形のような感じである。ようするに、芦屋ピットが様変わり! 今年は5月にオールスターが開催されるが、そのときにはまた新たなピットがお目見えすることになるのだろう。

 ちなみに、いちばん奥には整備室があったのだが、これが現在は競技棟の裏手に移動したらしく、エンジン吊りが終わると出走待機室や展示待機室の前を通って、モーターがそちらに運ばれていくという不思議な光景が生まれていた。なかなか新鮮でした。
 久しぶりに来た選手たちは、これまでとは勝手が違う芦屋ピットに戸惑うのでは、とも思われたわけだが、なにしろ忙しい前検日である。そんなことは言っていられないのである。みなシャキシャキとモーターを装着し、水面に下りて行ったり、ペラを叩きに向かったりと、まったく関係なく駆けまわっている。さすがです。

 全員が4000番台で、登番が最も上が古賀千晶という若いメンバー構成。5000番台も30人以上いるのだから、多くの選手がピット内を走っているという、そんなハツラツとした空気になるのも当然というもの。今日はとにかく早くルーキーたちの顔と名前を一致させようと頑張ったわけですが、動きは早いし、あとマスク着用ということもあって、なかなか芳しくはありませんでした。

 でも、この人はしっかり覚えましたよ。エース機を引いた浦野海! いや、昨年冬の尼崎大会にもいたので、お会いするのは2回目ですね。それでも正直、今日も最初は記憶はあやふやだったんだけど、多くの記者さんに言葉をかけられているのを見れば、当然覚えます。やはり記者さんたちも、好機ゲットということで浦野に注目したのだろう。これまでに優出1回の発展途上ヤングではあるが、このチャンスにぜひとも目立ってもらいたいものである。

 今節は女子もルーキー世代が多く、こちらもはじめましてが多いので、失礼ながら顔を見ても名前が出てこない選手が少なくない。これがまた、男子ルーキー以上にピットを駆け回っていて、これまたやっぱり覚えきれませんでした。登番が最も若いのは5250嶋田有里。130期生! 昨年5月にデビューして、まだ水神祭を果たしてないんですね。今節は三島好評価の15号機をゲット。これは初勝利のチャンスか!? ぜひとも全国に顔と名前を売る機会にしてもらいたいところ。

 有力どころでは、鎌倉涼が好機をゲットしている。今日の感触は悪くなかったようで、前検航走後はペラ室にこもってじっくりと調整。ドリーム戦は1号艇、好発進を決めるための準備をしっかりと進めているのだった。

 ルーキーのドリーム戦組では中亮太が懸命なプロペラ調整をしていたのが印象的。プロペラ調整所は、屋内の“ペラ小屋”と装着場手前の“屋外調整所”に分かれていて、中がいたのは屋外のほう。今日のピットは気温4℃ほどで、風も吹きこむからとにかく寒い! にもかかわらず、中は脇目もふらずにペラを叩いていたのだから、頭が下がった。ヤングダービーの水神祭ですっかりコメディレーサーとして有名になったが、レースに関してはまっすぐで熱いのだ。(PHOTO/池上一摩 TEXT/黒須田)