阿吽のワンツー決着
11Rルーキーズ 並び順
①砂長知輝(埼玉・125期)21
②井本昌也(山口・120期)16
③三村岳人(岡山・125期)14
⑤中野仁照(愛知・128期)11
④廣瀬篤哉(滋賀・120期)12
⑥中 亮太(福岡・122期)12
「125期の下克上男」と呼ぶべき砂長がインから堂々押しきった。スリットではかなり凹んでいたため、見た目には冷や冷やの逃げきりではあったが。
スタート直前に不気味なオーラを放ったのは、前半7Rで激痛のFに散った仁照!! まずはピット離れで凹んだ廣瀬を絞め倒して4カド奪取。さらに、今節平均コンマ10の勢いそのまま、コンマ11のトップタイミングで飛び出した。なんちゅう恐れ知らずの128期、21歳。このユニークな名前(勝手な相性は「ジンテル君」)とともに、しかと脳みその襞に刻み込んでおくとしよう。
ただ、気合パンパンのジンテル君のスタート攻勢は、カド受け三村先輩によって遮られた。内で2コース井本がまくるか差すか、わずかに逡巡している間に、三村が迷いのない握りマイで井本を引き波にハメる。さらにその間にも、スリットで凹んだ砂長がしっかり伸び返して1マークを先取りする。もちろん偶然の産物だろうが、握って逃げて、125期の阿吽の呼吸が井本先輩の攻撃リズムを狂わせたようにも見えた。
バックは1-3の同期隊形が固まり、このレースの肝である3番手はゴチャゴチャの横一線。誰が三枚目のファイナル切符を握るか、と見ていたらば、内外に挟まれた井本がバランスを崩してあえなく横転。勝負どころの2マーク、格上の中が全速マイで後続を突き放しでファイナル入りを決定づけた。得点的に、明日も6号艇は間違いなさそうだが……。
早々に事故艇が発生したため、レースは2周ホームで決着した。パワー比較もできにくいレースだったが、人機ともに紅組に対抗できたであろう井本19号機の失墜は、白組にとってやや痛手となるかも。スリット後の隊形が恵まれすぎて、逆に攻守の判断が遅れてしまった井本クンには、あえての「喝!」を贈りたい。
定位置へのテレポート
12Rレディース
①中田夕貴(埼玉) 23
②鎌倉 涼(大阪) 19
③高田ひかる(三重)19
④魚谷香織(福岡) 14
⑤川野芽唯(福岡) 19
⑥西橋奈未(福井) 15
2コースから外をブロックした鎌倉が、俊敏な差しハンドルで明日の1号艇を手繰り寄せた。さすがのドリーム1号艇!
例によって高田が3カドに構えたが、スリットから出し抜く勢いはまったくなし。前半4Rのインコース仕様⇒ダッシュ仕様への切り替えにてこずったか、後半から急に強くなったホーム追い風でアジャストを強いられたか……スリット同体からむしろ軽快に出て行ったのは、2コース鎌倉の方だった。
怖い怖い超特急ひかるさえ受け止めれば、あとは後顧の憂いなく内の艇を攻めるのみ。スリットでやや凹んだ中田が早めにターンマークに寄ってまくりを警戒したところ、狙いすましたスピード差しで並ぶ間もなく交わし去っていた。この切れ味、SGレベル。
3着条件の準優だけに、中田としては「差されても、まくられたくない!」という意識の強い1マークの早仕掛けだったか。あるいは、昨日の鎌倉が2コースジカまくりで高田に襲い掛かった残像が、ハンドルとレバーを強めたか。どちらにしても、レディースはV候補の筆頭が収まるべき椅子に収まった、という見方もできるだろう。その椅子とは、もちろん「ファイナル1号艇」だ。
バック中間で独走態勢を築いた鎌倉に対し、重要な2・3着争いは例によって混戦模様。まずは2マークをぶん回した中田がギリギリ抜け出して2着GET。3着は2マークで中田に追随した高田かと思いきや、最内をくるり小回りした西橋がくノ一のようにそろり抜け出し、最後のファイナル切符を鷲掴みにした。この1周2マークだけでなく、2周1マークの狭い所を全速握りマイ、などなど好腕がきられ光る3着でもあった。もちろん、5号艇の明日もわずかな隙を見逃さずに艇団を切り裂いてくるだろう。いくら警戒しても警戒しきれないダークホースとお伝えしておこう。
かくして、明日のファイナル6PITのメンバーが確定した。
12R優勝戦
①鎌倉 涼(大阪)
②砂長知輝(埼玉)
③中田夕貴(埼玉)
④三村岳人(岡山)
⑤西橋奈未(福井)
⑥中 亮太(福岡)
断然有利な1号艇はじめ、奇数艇は大方の予想どおり?レディースが独占。この好枠を生かしてレディースが12ポイントを獲得すれば、5日目までの白組の貯金10ポイントを一気にまくりきる計算だ。白組としては、11Rまでに13ポイント以上の大差をつけて「団体戦を制覇して優勝戦へ」という展開に持ち込みたいところ。紅組はもちろん、一介のファンとしても最後の最後までもつれる展開になって欲しいのだが……(笑) 今日の団体戦についても少しだけ触れておこう。
MVPは才一郎!
1R~8Rで行われた団体戦は【白紅白紅白白紅白】で、またまた白組ルーキーズが5-3で制圧。MVPをひとり挙げるなら、4R4号艇の原田才一郎っきゃありませんね。今日も今日とて4カドから内のレディース3艇を一撃まくり! まくり差しで勝てそうな1マーク、敵の大将①渡邉優美まで強引に叩き潰しに行った航跡は、まさに団体戦のウイニングロード。自身はズボズボに差されて3着に敗れつつ【⑥⑤④の白組上位独占】を演出した才一郎には、かの吉川貴仁に次ぐ『ミスター紅白戦2号』の称号を授けたい。(photos/チャーリー池上、text/畠山)
★5日間の団体戦ポイント
紅組15-25白組