BOAT RACE ビッグレース現場レポート

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いよいよ最終決戦だ!の最終日前半ピットから

 さあ、団体戦最終日。両チーム接戦でこの日を迎えた。まずは本日一発目の5R。小坂風太が逃げ切って、梶山涼斗が差して追走。塩崎桐加が2番手争いで粘って、この態勢ならばルーキーズにポイントが入る。まずは順当な結果か、と思われた。

 すると、6号艇の柴田百恵がするすると2番手争いに参戦。2周2マークで梶山が捌いて2番手を確保したが、柴田は3番手に浮上している。それでも、このままならルーキーズのポイントゲットは変わらない。団体戦としては情勢に変化なし、だったのだが……。なんと、3周1マークで柴田が2番手逆転! これは鮮やかな逆転だ。まずは柴田に拍手! と、ここでピットには「やばい。危ない」という男声が聞こえてきた。そう、3番手に後退した梶山に、息を吹き返した塩崎が迫っていたのだ。もし塩崎が3番手逆転なら、このとき冨田祥が最後方を走っていたため、団体ポイントまで逆転されてしまう(1着、4着、6着で15点。2着、3着、5着で16点とこちらに軍配が上がる)。安泰かと思っていたルーキーズがにわかに崖っぷちに追い込まれたのだ。

 3周2マーク、塩崎がさらに迫る! 両者並走! 勝ったのはどっちだ……梶山! ルーキーズがぎりぎりしのぎ切った! いやはや、最終日一発目から何たる熱戦!
 ……ところが。少し時間が経って、ピットに「5R2号艇、梶山選手、競技本部へ」のアナウンスが。梶山が競技本部へ駆けこんだところで「梶山選手、待機行動違反」のアナウンスが続いた。嗚呼……。違反があれば、ポイントは即相手方へ。しのいだはずのルーキーズは、ポイントを失ってしまったわけである。これがこの大会のひとつの過酷さではあるのだが……。

 ピットアウトでは3号艇の冨田祥が後手を踏み、回り直すかたちで3コースを死守している。冨田はそのアナウンスを聞いて気に病んだのだろう、梶山に「すみませんでした」と謝った。自分がズッて、その影響が梶山に及んだのではないか、と考えたのか。だが梶山は、「ああ、ぜんぜん。あれは関係ないから」と冨田に気を遣っていた。梶山も冨田も、まあこんなこともあるさ! あとは仲間たちに託せ!

 優勝戦メンバーたちも、この5Rあたりから本格的に動き出している。1号艇の鎌倉涼も、6R発売中にはカポックを用意して試運転の準備を整えた。安河内健も、装着まわりの点検を始めて、いつでも水面に飛び出られるように態勢づくり。その頃、末永和也はすでに試運転中。末永は優出メンバーのなかではやや劣勢パワーに見えるだけに、早めの動き出しとなったか。

 中亮太はペラ室にこもっていたが、もしかしてピット離れ仕様にしてインを狙ったりして? 平川香織は特に大きな作業はしていなかったが、ピット内を動き回っていたのを目撃した。そして中村桃佳はややゆったりした動き出しの模様で、まさに中盤戦を終わったあたりでペラ室へと入っていくのを見かけた。落ち着き払った雰囲気が、かなり不気味に感じられるのだが……。(PHOTO/池上一摩 TEXT/黒須田)