1Rを逃げて2着の寺田千恵が、隣の2コースだった神里琴音と顔を合わせた2Rの直前。神里の肩を抱き寄せて、人差し指でほっぺをすりすり。「もぉ~、私より伸びてると思ってぇ~」。たしかに直線足は神里のほうが良さそうだった。それをからかったというか何というか(笑)。テラッチとしては、勝負駆け成功の2着ではあったが、準優に向けてそのあたりの足が欲しいところだろうからなあ(というわけで、試運転の準備もしていました)。
で、神里はといえば、大先輩のテラッチにイジられて、とっても嬉しそうにニコニコ。寺田が女子初のSG優出を果たしたのは神里がまだ生まれる前のこと。神里にとってはまさにリビングレジェンドだ。そんな寺田先輩と大舞台で絡めるのは心躍ることに違いない。ピットでじゃれ合ってただけかもしれないが、こうしたことも19歳の神里には大きな経験になっていくものだろう。
というわけで、勝負駆け。その1Rは香川素子が5コースから1着。3日目終了時点で18位のボーダー上にいた香川としては、地元ビッグでの予選突破に向けて実に大きな勝利となった。もっとも、これで当確というわけではないので、香川としても気を緩めてはいられない。後半は12R、時間はたっぷりあるものの、次への準備を始める香川なのであった。予選突破だけでなく、好枠での準優進出を目指したいところ。
2Rで5コースから2着は平山智加。後半12Rは1号艇なので、外枠からの上位着はやっぱり大きい。上位陣の成績次第では準優1枠も狙える位置につけただけに、気合の入る後半戦となろう。
その平山が顔を曇らせたのは、同支部である西村美智子の3Rの大敗。6号艇とはいえ6着は手痛いところで、その時点では19位以下に陥落している。後半11Rを残しており、2号艇で登場だけに勝負駆けの期待大だが、レース後は平山も西村も難しい顔で言葉を交わしているのだった。今節は香川支部からは2人だけの参戦。ともに準優へ、という思いが強いのだろう。
その3Rは上田紗奈の逃げ切り。これで得点率は6.20までアップして、その時点では18位に滑り込んでいる。この後の戦況次第ではあるが、準優行きの可能性を残す逃げ切りだったわけだ。それにしても、出てますね、ほんとに。スリットから1マークまでに外を突き放すような隊形になっていたのだから、今日は昨日よりぐっと冷え込んでいるのだが、天候に左右されないパワーである。ピットに戻ったときには表情を変えていなかった上田だが、気分が悪かろうはずがなく、他の選手に声をかけられるたびに爽快な笑顔を見せていた。なんとか18位以内に残れるといいですね!
ところで、2Rを逃げ切った西岡育未は、これがGⅡ初勝利! 3年連続で通算5回目の出場にして、ついに! 19年児島、20年鳴門はともに序盤に途中帰郷の憂き目にもあっており、なかなか苦労の多かったレディースオールスター。この初勝利はまさに一歩一歩積み上げたものが実を結んだものということになる。おめでとう! 妹の成美はもちろん、岩崎芳美らもめちゃくちゃ喜んでいたぞ。予選突破は厳しい状況ではあるが、今日は喜びに浸りましょう。で、水神祭はやらない見込みだとか。まあ、今日は寒いからなあ……。(PHOTO/池上一摩 TEXT/黒須田)