BOAT RACE ビッグレース現場レポート

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節イチの猛暑!の3日目前半のピットから

 いや~、今日は暑い! 間違いなく節イチ。いや、今年に入ってピット取材は9節目、年イチです! まあ、7月に入ったのだからそりゃそうかというお話ですが。
 村松栄太が「暑くないですか?」と問いかけてきた。そりゃあ、暑い。村松曰く「広島はこんなに暑くないですよ!」。広島だって暑いは暑いだろうが、東京はそれに加えて湿度が高いからなあ。そんな高温高湿度のなか、選手たちはボートに乗る際は長袖必須、カポックも着て、さらにはヘルメット。「もう、サウナに入ってるみたいっす!」。その暑さに耐えて4Rでは今節初勝利。熱中症に気を付けて、ますます奮闘を!

 ハッキリ言って、50代半ばのオッサンは動きが鈍くなります。ピット内を移動するにも、歩くスピードが落ちているのを自覚するほど。しかし若者はすごいね。みなキビキビと動いているし、装着場を駆け足で移動していたりする。江戸川の係留所は、装着場からだと堤防を越えていかなければ辿り着けない。係留所→装着場ももちろん同様。ようするに備え付けられた階段を上り、そして下りるわけである。坂本雄紀なんて、駆け上がり、駆け下りてるのだから唸ってしまいますね。それだけ、少しでもペラ調整に時間を費やしたいということで、それはもちろんそうなんだろうけど、僕が選手だったらそれでもノタノタと動いてしまいそうである。

 では、僕より年上の田村美和はどうかというと、さすがに駆け足で堤防の上り下りはしていないけど、足取り確かに動いているのだから尊敬してしまいます。この暑さがこたえていないわけがないと思うのだが、そして暑そうに汗をぬぐったりもしているのだが、この歩様の力強さがベテランになっても戦い続けられる原動力だと思ったりして。うむ、俺も暑いの何だのと言っていられないな、と身が引き締まる。

 この猛暑の中でも涼やかな表情を見せるのはもちろん、勝利を掴んだ選手である。6Rは富樫麗加が逃げ切り勝利。2~4着にルーキーズが食い込んだので団体ポイントは獲得できなかったけれども、やはり勝てば爽快な笑顔となるのである。団体ポイントにしても、1号艇だった富樫にできるのは何としても逃げ切ることのみ。見事な勝利と言うしかないだろう。

 一方で、5R2着の清水沙樹は悔しそうな表情。5コースから力強く伸びていき、内を締めにかかったのだが、まくり差しにチェンジしている間に高山弘斗の逃げを許してしまった。2コースの高井雄基にブロックされたような展開でもあったな。勝利が見えていただけに、2着は決して歓迎すべき結果ではない。かえって悔しさがつのるだろう。こうなると、汗だくのレース後がさらに悲壮感漂わせるものになるのですね。顔は赤く染まり上気していて、それが悔しさを増幅させて見せる、というか。こんな猛暑の中で、徹底的に厚着して全力で戦う。だからなんとかみんなに好結果を出していただきたい!……といっても、勝者は1人というのが勝負の世界のシビアさではあるが。(PHOTO/池上一摩 TEXT/黒須田)