ドリーム戦士の苦闘
前検、初日ともに安定板が付くほどの荒れ水面から一転、2日目の若松水面は無風~1mの絶好のコンディション。いよいよ板が外れて各モーターの素性をチェックできたわけだが、ちょいと重要なあることに気づいた。
昨日のドリーム戦のメンバー、そんなに出てないぞ!
そう、今日はドリーム6戦士が各レースに散りばめられて人気を背負ったが、悪戦苦闘の光景が目立ったのだ。たとえば毒島誠。前半2Rは6号艇から定番のピット離れで5コース奪取。スリットから全速握りマイの連続で3着をGETした。こう書くと「6枠3着なら上々じゃん」と思われるだろうが、どうにも道中の足色が怪しくて仕方がない。引き波に乗るとつるつる滑る感じだし、ストレートの伸び比べでもソコソコ劣勢に見えた。おそらく毒島自身も、引き波でのロスを警戒して握りマイを連発したのではなかろうか。
で、後半8Rの毒島も3コースからほとんどすべてのターンマークで引き波をモロに受けない握りマイに終始。隊列が縦長になって3番手が確定してからはじめて差しハンドルを入れてみたが、私の目にはやっぱりつるつるりんに滑って見えた。逆に言うと、こんなヤバそうな気配で333着で凌いでいるあたりが強者の証なのだが、明日以降もブス君の実力を過信しすぎるのは危険、とお伝えしておきたい。もちろん、一夜で機力一変もありえる男だと認識しつつ、現時点の独断評価は【出C・直C+】と辛い。
たとえば6Rの桐生順平。ドリーム戦を新ペラで2着にまとめただけに、今日はさらなる上積みが期待されたが4カドからさっぱり伸びず、正攻法の二番差しにも迫力がなく、ついには入海馨、新田雄史とのドベ争いでも競り負けて6着に屈した。どこをどう切り取っても、褒めるべき部分が見当たらない足色。後半11Rの順平はイン戦で1着だっが、「5コース井上忠政の絞めまくりを峰が無理くり止めなかったら、順平はどーなってた??」ってな薄氷の「恵まれ」勝ちに思えたのだがどうか。私の評価は6R時点で付けた【出C・直B】のまま変わっていない。
たとえば茅原悠紀。ドリーム戦は猛烈な3コースツケマイで圧勝を収めたが、今日の7Rは塩田北斗、関浩哉との熾烈な2着争いで一度は2番手を取りきりながら4着に敗れた。逆転負けの敗因をひとつ挙げるなら、2周バック~2マークでの北斗12号機との明らかなパワー差。12号機は『若松四天王』の主力だからして仕方がないという見方もできるのだが、だとしても24号機が「優勝するに盤石のパートナー」とはとてもじゃないが言いきれないだろう。最終レースの5着大敗も込み込みで、私の評価は【出B・直B】まで。
たとえば前田将太。ドリーム戦の将太は、泣きまくっていた前検よりかなりパワーアップした見え方で6号艇で4着GET。今日の3Rはどこまで上昇したか私なりにガン見したつもりだが、4号艇で2着という好成績とは裏腹にちょいちょい頼りない印象を受けた。後半12Rもイン戦で取りこぼしており、もちろん前検よりはるかに良化したと認めつつ、私の評価は【出B・直B+】あたりに止めている。
そんな中、41歳の誕生日にピンピン連勝を果たしたのが馬場貴也。このめでたい日にドリーム6着の借金を返済しきったし、5R後のインタビューでも「板が取れた今日のほうが良かった!」とご満悦。元より若松のヌシ記者がA評価を授けた46号機でもあり、そのポテンシャルをフル稼働すれば「6着発進からのてっぺん制覇までありえるだろう。私の独断評価は上がりタイムとかちょいと気になる点もあるので、今のところは【出A・直B+】まで。
最後に残したのがドリーム2号艇で5着に敗れた河合佑樹なのだが、今日の2個レースを観ていていちばん迫力&安定感のある足色だった。前半4Rは4カド佐藤隆太郎の絞めまくりに連動しての2着。後半9Rはインからキッチリ押しきっての初勝利。コンマ01のドッキリとはご愛敬として、フライングまくりの奈須啓太を完全ブロック~出口で奈須らを一気に突き放した押し足に見蕩れたのは私だけではないだろう。相棒の10号機は地元記者が【A+↓】と気配落ちを指摘する銘柄機なのだが、今日の足なら何の不安もなさそうだ。私もドリーム組のトップ評価【出A・直A】の上位ランクを授けたい。
さてさて、珍しくドリーム戦士たちにスポットライトを当てたが、昨日今日で実戦足に「??」を感じた実力レーサーは数多い。たとえば峰竜太。前半4Rは2コースからボコボコに競り負け6着~後半11Rは伸びーる忠政に舳先ひとつで抵抗して玉突き衝突(内の2艇が転覆)で恵まれっぽい2着。こと足色だけに限れば、まったく冴えない2個レースだった。私の独断評価は【出C・直C】。
たとえば7Rのイン戦で片橋幸貴の水神まくりを喰らった関浩哉【出C+・直B】、たとえば道中での追い上げがさっぱり利かない仲谷颯仁【出C+・直C】、たとえば伸びはソコソコ来たけど出足がとんでもなくポンコツな菅章哉【出E・直A】などなど、有力なV候補たちが劣勢パワーに苦しむシリーズと言いきっていいだろう。
より詳しい実戦のパワー評価は明日に回すとして、こんなカオス過ぎるシリーズで現状もっとも有利な選手は誰か。昨日もあれこれ書いたけど、私の直感としては6・3・5号艇という険しい枠番を3・1・3着でまとめたあの男ではないか、と勝手に思い込んでいる。
※最後に、パワー上位と見積もっている人機を列挙しておきまーす。詳しくは明日あたりに!
★佐藤隆太郎30号機=【出A・直S】
★西山貴浩34号機=【出A+・直A+】
★塩田北斗12号機=【出S・直A】
★吉田裕平6号機=【出S・直A】
★上野真之介28号機=【出A・直A】
★井上忠政25号機=【出B+・直A+】
★三浦永理33号機=【出A・直A】
★若林 将11号機=【出A・直A】
★島村隆幸14号機=【出B+・直A+】
★久田敏之1号機=【出A・直A】
★河合佑樹10号機=【出A・直A】
(photos/シギ―中尾、text/畠山)