BOAT RACE ビッグレース現場レポート

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THEピット――エールを!

 えっ、海野康志郎が53kg? 発表を見て驚いた。海野といえば、重量級の強豪の代表格である。一般戦では60kgというのも珍しいことではないし、初日の出走表には58kgとあった。今日の出走表も55kg。これは前日計量の数字で、つまり海野は昨日から2kg、前検日からは5kgも減量したことになる。そして、レースでは6号艇から気迫の前付け。展示では3コースまで入り、本番は2コースまで潜り込んだ。そして2着。オープニングセレモニーでは地元SGを西山貴浩に獲られたリベンジを果たすと宣言したが、あれはリップサービスでも何でもないということだ。その闘志に拍手だ!

 2Rは丸野一樹が差し切って快勝。公開ウィナーインタビューに向かう際に顔を合わせたら、力強く親指を立ててみせた。レース直後は汗だくで顔をしかめ、またインタビューへの道中もやっぱり暑そうに顔をしかめたりもした。今日は湿度も高く、アロハシャツでピットにいるだけで汗が滴るのだから、レースを走る選手は本当に大変!

 2着に敗れてしまった長田頼宗も、やっぱり汗だくのしかめっ面で、ただしこちらは1号艇を落としてしまった悔恨も含まれていただろう。とにかく、この猛暑のなかで戦う選手たちに熱い声援を! そしてファンの皆様も熱中症にはご注意を!

 声援といえば、1Rの展示前、試運転をしていた平本真之に「平本さーん、頑張ってー!」という声がスタンドから響いていた。レースではなく、試運転の最中に、である。これはけっこう珍しいことではなかろうか。いや、SGではスタンドに駆けつけるファンも増えているから、よくあることなんですかね。開催中はピットや記者席に閉じこもっているのでよくわかっていないのだが。ともかく、まだレースが始まる前から選手に声をかけるファンの熱さは素敵!
 で、この声は平本にもちゃんと届いていたのだ。「最後まで諦めないで頑張って、って書いてある横断幕を掲げてくれていて……」。そう、平本は昨日、痛恨のフライングを切ってしまった。やはり落胆は大きい。しかし、そんな平本を励まそうと、ファンの方は声援を送ったのだろう。平本はしみじみと「ほんと、ありがたいです……」と呟いた。きっとその声は平本のパワーになるだろうし、また意を新たにもしたはずだ。そうだ平本、今節もそうだし、また年末に向けて、まだまだ諦めずに頑張れ!

 ところで、菅章哉が面白いことを教えてくれた。昨日の後半で披露したチルト3度だが、ファン待望のまくり一撃はできなかった。もちろん今日も、あるいは今節かならず、一発決めたいと誓う菅。そこで言ったのである。「今くらいの風ならいいんですけどね」。今くらいというのは、ほぼ無風。発表によれば右横風1mだ。セオリーによれば、向かい風はまくり風。強く吹けば吹くほど、菅のようなまくり屋には絶好の状況なのだと思っていた。しかし菅によれば、向かい風が強いとかえって不利だというのだ。というのも、レバーを握り込むときに向かい風に押されて起こしが悪くなり、乗艇姿勢にも影響が出て、伸びが生かせないというのだ。「もしよかったら調べてみてください。強い向かい風の時の僕は成績が悪いと思います」。
 調べてみた。過去1年、向かい風1~3mのときの菅の勝率は8.12。A1級のなかでは実に4位の好成績だ。ところが、4~6mになると6.90にまで勝率が下がり、7m以上の強い向かい風では、サンプルは多くはないものの、なんと4.33! そうだったのか! もちろん、向かい風が強くても、菅はまくり一撃を決めてやろうとチルトを跳ねて気合をこめる。でも知ったからには今後の予想の参考にさせていただきます。皆様もぜひご参考に。(PHOTO/中尾茂幸 TEXT/黒須田)