●11R

関浩哉が昨日の鬱憤を晴らした。逃げ切りで優出一番乗りだ! レース後はいつも通りというか、そこまで感情を爆発させることはなかったけれども、胸のうちには快哉が轟いていたに違いない。
「毒島さんがやったなと言ってくれましたけど、僕も毒島さん、やりましたね、と」
会見でそう言って笑った関。昨年は優勝戦で相まみえた毒島と関は、今年は別々の優勝戦を戦うことになる。昨年の優勝戦、先輩が優勝した背中を見ながら、関は悔しさを覚えていたという。先輩の悲願達成を祝福するより先に、自身の敗戦を、「もっとやれたんじゃないか」という後悔として捉えていたのである。童顔でありながら、なんという勝負師。ならば明日は、その借りを返す戦いとなるはずだ。群馬W優勝なるか、もちろん先に毒島が勝つことが条件だが、関はともに先輩と笑い合うべく、全力を尽くしてくる。

上條暢嵩は苦笑い! それはそうだろう。いったんは2番手が見えた。優出当確か!? 馬場貴也に捌かれて3番手を走った。それでも優出有力である。ところが最後の最後に茅原悠紀に並ばれ、写真判定の末に4着。それでも有力な立場だったが(実際、優出!)、12Rの結果を待たなければならなくなったのである。苦笑い、と書いたが、時に眉間にはしわが寄った。悔しいというか、自分に怒りも沸いたのではなかったか。この悔しさが、明日の活力に変換されることを祈りたい。
●12R

最初に言っておくと、優出ボーダーは19点となっている。峰竜太は西山貴浩と3番手接戦。最後は獲り切ったものの、3着で得点は19点となっていた。優出か!? いや、峰は19点のなかでは上位着順の差で最下位。8位で優出を逃すこととなったのである。
そうした細かい状況を把握していたかどうかはわからないが、レース後の峰は珍しいまでにひたすら顔をしかめていた。悔しくて泣くのは定番、悔しさを隠して明るく振る舞うのもよくあること。しかし今日はかなり露骨に痛々しい表情を見せていたのだ。いかにこのグランプリに懸けていたか、そしていかにこの敗退が悔しいものか、峰はあまり見せたことのないかたちで表現していた。

山口剛も19点だが、こちらは次点だ。山口もどこまで状況を把握していただろうか。表情は硬直し、まっすぐ前に向けていた視線が時に下を向いてしまう。結果的に4着で優出だっただけに、ただただ5着大敗が悔しかったということもあるのかもしれない。

19点で優出を決めたのは、茅原悠紀と馬場貴也だ。馬場はまったく想定していなかったらしく、報道陣に囲まれて少し戸惑う様子もあった。その後もあまり意気は上がっておらず、単純に優勝戦滑り込みを喜んでいた様子はない。優出は果たせたとはいえ、やはり納得のいかないトライアル3戦だったということだろう。いったんは落ちたと思ったのだから、もう明日は開き直って戦ってほしい。22年グランプリだって6号艇で2着。馬場ならその上だって狙えるだろう。

勝った桐生順平は、堂々の1位通過だ。レース後はもちろん明るい表情。グランプリ制覇に王手をかけたという実感はあったと思う。ウィナーインタビュー後にカメラマンにガッツポーズを要求されると「まだ早いな」とポツリ。と言いつつも、リクエストには応えてガッツポーズを見せたのだが、「これでは勝てない」とまたポツリ。サービス精神を発揮しつつも、優勝戦1号艇=優勝とは少しも思っていない、つまり油断はまったくしていない様子である。だとすると、もう死角が見当たらない気もするのだが、果たして。(PHOTO/中尾茂幸 池上一摩 TEXT/黒須田)