三国のモーターは、4月が初下ろし。まだ3カ月ちょいしか経っていないせいか、選手たちに「アレが絶対に欲しい!」みたいなギラギラ感はまるで感じられない。ちょっとだけ垣間見られたのは、準エース級の44号機だった。まず、平高奈菜が「43」を引いて「あ、惜しい」とポツリ。
それから間もなくして平山智加が「45」を引いて、「あ、惜しいな」とポツリ。同支部の平平コンビは顔を見合わせ「どっちもひとつ違いだったねぇ~」みたいに、笑いながらちょっとだけ悔しがっていた。
で、そのカンチャン「44」をズッポり引き込んだのが、ちょうど平平コンビの真後ろに陣取っていた宇野弥生だ。周辺からちらほら「オッ」という声が漏れる中、席に戻った弥生が「え、いいのこれ?」。すると隣にいた岩崎芳美が「いいよ、いいよ、だって前のふたりが欲しがってたもん」とフォローし、にっこり微笑んた弥生だった。
2連率でこの44号機を上回るエース機、それが22号機だ。選手たちはまるで気にしていない様子だったが、記者連は「まだ出ない」「なかなか出ないな」とじっと耳を傾けている。私は私で、永井聖美が引けば、明日の選手紹介は「22号機を引いちゃいました、ニャンニャン」なんてことに?? などと妄想を膨らませていたのだが、その永井もスルー。
結局、残り5人になったところで垣内清美がエース機を引き当てた。ただ、やっぱり選手たちは無関心で、記者の間で「おっ」「出た」などの声がちらほら聞こえた程度。モーター抽選的には拍子抜けするくらい淡白なムードではあったが、垣内+エース機という組み合わせはちょっぴりドラマチックではある。垣内は予備3位という絶望的なポジションから、短期間に次から次へとリタイアする選手が続出して三国のチケットを手にした。かなりミラクルな繰り上がり出場なのだ。そんなラッキーな選手が、エース機までゲットしてしまった。最終日最終レースまでこの流れが続くようなら、完璧な水上のシンデレラストーリーが生まれることになる。(photos/シギー中尾、text/畠山)
三国特注モーター
★★22号機(53%、常にトップ級の評価)…垣内清美
★★44号機(51%、匠戦で西山昇一がV)…宇野弥生
★★35号機(46%、今井美亜が地元で初V)…三浦永理
三国注目モーター
★68号機(48%、急上昇中、唯一の2V機)…渡辺千草
★64号機(46%、前回・服部剛が優出4着)…喜井つかさ
大穴モーター
★54号機(34%、前回・鎌ギーが完全V!)…松本晶恵