さあ、グランプリへの最終バトル! 勝負駆けの選手がひしめく芦屋チャレカは、今日のモーター抽選が大きな勝負どころ。なぜなら、上位の数機が破格のパワーを見せつけているからだ。とりわけ凄まじいのが45号機と49号機。それに、やや下降気味だが長きに渡ってエースに君臨し続けた11号機。この3機を引いたレーサーが、俄然有利な立場になると見ていた。で、いざ蓋を開けてみたら……。
「お、おおっ!!」
「うわっ、出た」
「あちゃーー」
今日の抽選会でいちばん多くの声が飛び交ったのが、山崎智也がガラポンを回した直後だった。エース45号機。選手たちの声は、歓声というより嘆声、溜息に近いものが多かったな。そりゃそうだ。智也はこのシリーズを待たずに、グランプリへのトップ当選を決めているのだ。ガチの勝負駆け選手からしたら「なんで智也なんだよ~~~!!」ってなもんだろう。で、引いた本人は前髪をさらりと掻き分け、顔色ひとつ変えずに休憩ルームへと向かった。うーーん、余裕。
準エース的な下馬評の49号機を引いたのは、ダービーキングの守田俊介。いやぁ、勢いってのは恐ろしい。あれほど抽選運の悪かった俊介(大レースでエース級のモーターを引いたのを、見た記憶がなかったぞ)が、一発SGを獲ったらこれである。あ、それともダービー賞金全額を被災地に寄付した俊介に、神様が「ほら、これでもうひとつ獲りなさい」とご褒美をくれたのかも? なんにしても、今節の俊介も要注意!
45号機も49号機もグランプリ当確組、しかも現状ベスト6組の手に渡った。勝負駆け的にはやや興味の薄い結果になったわけだが、元エースの11号機はメイチ勝負の深川真二がゲットした。温水パイプ装着でやや下降気味と見られる11号機だが、往年の光を取り戻せば逆転のグランプリ入りも十分にありえるぞ。
一方、残念なモーターを引いて苦笑する選手もいたな。たとえば、毒島誠。2連率39%は上々だが、『スポーツ報知』の
素性評価は哀しいばかりのCランク。
「えーーー、なんで『C』が入ってんのかなぁ……」
寂しそうにポツリ呟き、肩を落として席に座った。すると、その背後から川野芽唯がひとこと。
「『C』を引けたらいいなぁ」
そう、“余り物モーター”の女子組にはDランクも混じっているのです(笑)。それなりに抑揚のあった男子組に比べると、女子のガラポンはみんな淡々としていたなぁ。そりゃそうか。
芦屋の注目モーター
★★★45号機(53%)…山崎智也
★★★49号機(50%)…守田俊介
★★11号機(52%)……深川真二
★★53号機(50%)……茅原悠紀
★44号機(49%)……松井繁
★47号機(43%)……瓜生正義
(photos/シギー中尾、text/畠山)