BOAT RACE ビッグレース現場レポート

BOAT RACE ビッグレースの現場から、精鋭ライター達が最新のレポートをお届けします。

THEピット――若者たち

 

 

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 松田大志郎の背番号は5。5!? なんで? 5号艇に自信をもっているとか? 5コースからもガンガンまくる? SGを最低でも5冠は獲ろうという決意のあらわれか!? まあ、単純に好きな数字ということもありえる。松田の背中を見ながら、あれこれ想像していたのであります。

 福岡の方はすでに気づいてる? そうですね。福岡ソフトバンクホークスの背番号5といえば「松田」選手じゃないですか。同じ福岡の、同じ苗字の大志郎が、ホークスグッズと思われる松田宣浩選手のTシャツを着ているというわけでありました。本日の4カドまくりは、松田選手のホームランの如く豪快な一撃だった。ホークスが優勝を決めて、大志郎がヤングダービーを優勝したりすれば、福岡の人たちにとっては最高の秋、ですね。

 

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ちなみに佐藤翼のTシャツはライオンズ。翼と大志郎の対戦は、ソフトバンクvs西武の代理戦争!?

 

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 終盤のピットで、不思議な組み合わせを見た。輪の中心には鎌倉涼。取り囲んでいるのは同期の和田兼輔。さらに黒井達矢と中田竜太の埼玉コンビ。男3人が涼ちゃんにニコニコニヤニヤと話しかけ、涼ちゃんはケタケタと笑っている。なんだなんだ。おもに話をしているのは黒井のようで、中田は静かに笑い、和田は悪戯っぽく笑っている、という感じ。おいおい、我らがアイドル涼ちゃんに、何を話してるんだよ~。

 

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 その数分後、3人組は今度は平高奈菜をつかまえた。和田とはやっぱり同期。どうも、和田が同期の女の子を捕まえて、黒井らに何かを話させている様子だった。輪の中心で、ケタケタと笑う奈菜ちゃん。おいおいおい。オジサンも仲間に入れてくれ~。

 その後、ピンで涼ちゃんに黒井が話しかけると、鎌倉は「もっとキモい話しってるよ~」と笑った。キモい話!? 戸田の宿舎に何か出るのかな?

 ともあれ、それぞれが自分の作業を終えたあとの、オッサン出入り禁止のヤングトーク。青春ドラマのワンシーンみたいで、素敵でしたよ。まさしくヤングダービーらしい光景でありました。

 

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 1R後には山口達也&守屋美穂のツーショットを見かけたが、午後には篠崎元志&篠崎仁志のツーショットを目撃した。まあ、実はこちらは今節も何度か見かけている。係留所で試運転を待つ間に兄弟並んで話し込む様子とか。並んでペラ叩きに励んだりもしていた。大レースで二人が初めて揃い踏みしたのは11年新鋭王座。それからはSGでも山ほど見かけているし、実際のところ、それほど珍しい光景ではない。兄はいつも弟を気にし、弟は兄の背中を見てたくましくなっていく。理想のレーサー兄弟である。

 

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 で、朝の若夫婦コンビと同様、こちらも表情は真剣だ。二人が冗談を飛ばして笑い合っているようなところはむしろ見たことがなく、ほとんどが仕事の話を真摯にしているところばかりである。兄からのアドバイスもあろう。弟が相談を持ちかけることもあろう。試運転などでの情報交換もあるに違いない。友人、仲間とはちょっと違った関係だからこそ、お互いがお互いを高め合うという意識もやはり強いのか。あるいは人前で仲良さそうにするのは照れ臭い? ともあれ、別に意識しなくても、特別な関係性というのは伝わってくるわけである。

 

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 そう考えると、同期生の絡みというのは、ずっと笑顔が多い気がしますね。楽しそうに笑い合ったりじゃれ合ったりしているのは、同期とか同県とか、そういうつながりの人たち。仲間と家族では、やはり接する心持が変わってくるものだろう。

 今日見かけた同期生コンビは西村拓也&平山智加。以前にもどこかで見たことがあるような気がするが、実はSGで98期生が複数参戦という機会はなかなか少ないから、新鮮な組み合わせではある。どちらかというと平山がアドバイスを乞うていた雰囲気で、気安い男子選手がそこにいることは、パワーにはなるだろう。平山もずいぶんリラックスして話をしているように見えたし、西村はなんとも頼もしく映ったのであった。

 

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 同期といえば、先ほど登場してもらった和田&鎌倉&平高の100期は層が厚いっすね。今節は7名が参戦、102期と並んで最多タイである。新鋭チャンプの松尾昂明に記念すべき100期やまとチャンプの青木玄太、浪速の韋駄天・秦英悟に、今節の大主役・桐生順平、である。豪華ラインナップだ。

 で、キモ話の流れから、話し込んでいたのが鎌倉と黒井。そこに秦がやってきて、同県同期である鎌倉に問いかけた。「明日、何号艇?」。秦が艇旗艇番の準備を鎌倉の分もしようとしていたわけだ。「明日? 4!」。明るく叫ぶ鎌倉に、秦は「了解!」。すると、黒井が乗っかって叫んだ。「僕、5!」。こらこら。あなたは同県でもないし、しかも後輩でしょうが。無視する秦に、黒井はさらに「5! 5ですよ!」。そしたら秦、一喝。「うるせっ!」。ダハハハハ! 同期はやっぱり仲がいいし、そうでなくとも若手はみんな心安い間柄、ということであろう。若いっていいですね。(PHOTO/中尾茂幸 池上一摩 黒須田 TEXT/黒須田)