BOAT RACE ビッグレース現場レポート

BOAT RACE ビッグレースの現場から、精鋭ライター達が最新のレポートをお届けします。

THEピット@シリーズ――整備する者しない者

 

f:id:boatrace-g-report:20180117102750j:plain

 朝から守田俊介が本体整備。今節はクランクシャフト以外の部品をすべて交換しているが、いよいよそのシャフトも交換なのか!? 話を聞く時間がなかったので、直前情報をご確認いただきたいが、とにかく今節の守田は整備整備で苦心している。そもそも、守田はそれほど積極的に整備をするタイプではない。整備室で姿を見るのは珍しいと言っていい。それもそのはずで、今年のSGではオールスターでキャリアボデーとキャブレターを換えただけ。これも本体の部品を交換したものではない。予選突破は厳しいながらも、今日も整備室にこもる守田俊介。いいものを見た、という気がする。

f:id:boatrace-g-report:20180117102800j:plain

 対照的に、守田との絡みをよく見る萩原秀人はのんびりと過ごしている。初日に調整をしたあとはほぼ手つかずで過ごしているようで、今日も大きな作業をする様子はない。報道陣と長いこと雑談に興じるなど、余裕のたたずまいだ。もちろんモーターの感触がいいから、こうした時間を過ごすことができる。一見、守田は仕事してて萩原はしてないふうにも見えるかもしれないが、結果を出しているのは萩原で、このあたりが面白いところである。ここで「整備に懸命。頭が下がる」みたいなことを書くことも少なくないわけだが、それはモーターが出ていないからこそであって、結果が求められる勝負の世界では萩原の過ごし方のほうが好感触なのである。整備をしないのも整備、などと言ったりもするが、その意味で萩原もきっちり仕事をしているのである。

f:id:boatrace-g-report:20180117102825j:plain

f:id:boatrace-g-report:20180117102835j:plain

 あえて対照的なふたりを引っ張り出したわけだが、今日は勝負駆けでもあり、多くの選手がノルマをクリアするために、入念な調整を行なっている。3着勝負の田村隆信も粛々と調整。1号艇だからといって、気を緩めることなどありえない。表情も鋭かった。予選3位の新田雄史もペラ調整を進める。もちろん無事故完走で準優当確だが、手を緩めることはない。師匠の井口佳典がトライアル2ndを好発進しており、師弟W優勝は当然狙いたいところだ。

f:id:boatrace-g-report:20180117102846j:plain

 辻栄蔵は忙しかった。1Rを4号艇で2着となり、いったんは競技棟に姿を消したが、黄色のカポックを手にして即座にピットに登場。ボートをふたたび下ろして、調整に臨んでいた。辻の次のレースは5R。中3レースということもあって、休んでいるヒマはなかったのだ。ギリギリまで調整を粘る辻だから、1秒でも多く時間が欲しいところ。顔つきや動き自体は飄々としていたけれども、その中身は実に濃密だったのである。(PHOTO/中尾茂幸 池上一摩 黒須田 TEXT/黒須田)