BOAT RACE ビッグレース現場レポート

BOAT RACE ビッグレースの現場から、精鋭ライター達が最新のレポートをお届けします。

波乱含みの後半ピット

f:id:boatrace-g-report:20210225173058j:plain

 9Rで長嶋万記が転覆。後続の浜田亜理沙が乗り上げてエンストとなり、大きな事故となってしまった(長嶋は妨害失格)。長嶋はこれで途中帰郷となっており、何よりもまず一刻も早い快癒を願いたい。

f:id:boatrace-g-report:20210225173303j:plain

 長嶋もそうだが、後半は銘柄級に痛い敗戦が続いた。その9Rでは大山千広が4着。完走した選手のなかではシンガリである。前半5Rは落水で、予選突破がかなり厳しくなってしまっている。明日勝って、ボーダーが下がるのを待つしかないのだが……。レース後はもちろん、その後も大山の表情に冴えはなく、やや気落ちが感じられた。

f:id:boatrace-g-report:20210225173345j:plain

 8Rでは山川美由紀が手痛い6着。まだボーダー近辺に踏みとどまってはいるが、明日は逆転の勝負駆けを強いられることとなった。終盤の時間帯も調整作業に励んでおり、もちろん闘志は萎えていない。予選最終走も気合の入ったところを見せてくれるはずだ。

f:id:boatrace-g-report:20210225173417j:plain

 10Rでは、ここまで快走を見せていた小野生奈がまさかの6着に敗れた。小野としてはただただ悔しい敗戦で、かなり険しい表情のレース直後であった。もっとも、その後は切り替えたのか、後輩たちと笑顔を交わす場面も。まだ1号艇を残しており、明日は再浮上を期す1日となる。

f:id:boatrace-g-report:20210225173529j:plain

 11Rでは平高奈菜が1号艇で2着。ピットに戻り、ヘルメットを脱いだ平高の表情からは、憤りしか感じられないのであった。やはり必勝を期す艇番である1号艇での敗戦はこたえるということだ。自身はコンマ11と悪くないスタートながらまくりを決められたことへの不可解な思いもあっただろうか。その不機嫌にも見える雰囲気が、この敗戦の重大さを物語っていた。

f:id:boatrace-g-report:20210225173759j:plain

 一方で、伏兵が躍動した後半戦でもあった。9Rはオール6着だった上田紗奈が殊勲のまくり差し一撃。事故レースということもあって、ただただ笑顔ではいられないところだが、強豪相手に白星をあげられた歓喜と安堵はあるはずだ。

f:id:boatrace-g-report:20210225173829j:plain

 10Rでは来田衣織がまくりで1着。元気娘が、水面でも元気いっぱいに握って大穴を叩き出した。こちらはもう、ニッコニコのレース後だ。さまざまな選手に声をかけられては、笑顔を振りまいて頭を下げる。ハツラツとした様子が実に微笑ましい。着替えを終えて、モーター格納に向かう際にはスキップにも見えるほど足取りは軽快で、弾むような時間はけっこう長く続いていたのだった。

f:id:boatrace-g-report:20210225173853j:plain

 11Rで平高をまくりで沈めたのは島田なぎさ。コンマ05からのカドまくり一撃だった。島田ももちろん笑顔で帰ってきたのだが、来田とは対照的に落ち着いた雰囲気も感じられた。それでも、小野生奈や同期の土屋実沙希に祝福されると嬌声をあげてもいて、気分の高揚はおおいに伝わってきたのだった。

f:id:boatrace-g-report:20210225173932j:plain

 そんな波乱含みの後半を締めたのは、平山智加だ。12R1号艇で、遠藤エミらの追撃を受けたものの、逃げ切り1着。前半7Rで6着に大敗するなど、不完全燃焼のレースが続いており、その間の時間帯などには深刻な表情を見せてもいたのだが、この勝利で流れが変わったかも。3日目終了時点では19位。明日は気迫こもる一日!(PHOTO/池上一摩 黒須田 TEXT/黒須田)