初日から大荒れ!! 超500倍の配当やイン逃げ1本などに加え、
V候補の一角だった大瀧明日香、金田幸子のふたりがFに散った。
谷川里江と廣中知紗衣は選手責任の失格。
例年どおりともいえるのだが、
今年の女子王座は初日からサバイバル戦に突入した感がある。
イン逃げ1本のみ!
今日のイン成績
②⑥①⑤②①⑥④④③⑥②
1着率17% 2連率42% 3連率50%
やはり……ある程度の予想はしていたが、初日のインは弱かった。
もともとイン受難の多摩川水面、逃げよりまくりが際立つ女子戦、
スタートがバラけやすい初日。
この3つの要素が、如実に反映された。
そんな中、ただひとりイン逃げをキッチリ決めた池田明美
(6Rの①藤崎小百合は逆転勝ち)は、高く評価していいだろう。
ちなみに、明美は7Rも圧勝して唯一の連勝発進。
準エース44号機との相性もバッチリで、
このまま連勝街道を突っ走ってもおかしくないパワーだ。
もちろん、1、2号艇での連勝だけに、過信は禁物ではあるのだが。
多摩川にも“維新”の風!?
今日の勝利コース
⑤⑥①⑤②①②④②③④③
い、いきなりの長州アウト旋風だ!
まずは1R、5号艇5コースの向井美鈴が
4カド細川裕子の無理まくりに連動して
鮮やかなまくり差し一撃。
125倍の万太郎スタートを決めると、
続く2Rでは人気薄の佐々木裕美がアウトまくり差しで
2連単万太郎、3連単530倍のメガヒットだ。
少数精鋭で臨んだ山口支部が、いきなりの連勝発進。
もうひとりの山口支部レーサー片岡恵里は7Rで3着までだったが、
しっかり万太郎の片棒は担いでいる。
“維新”ブームに沸く巷間、
この女子王座も明治維新の主役だった“長州勢”が
大暴れするのだろうか。
さてさて、今日の勝利コースは見事なまでに散った。
2コースが3勝で、これが最多勝コース。
もしも2コースの代わりに6コースがひとつ勝っていれば、
1~6コースまで仲良く2勝という珍事になっていた。
極選7Rの細川裕子が勝っていれば……(涙)
弥生の息吹
今日の決まり手逃げ
① 差し② まくり⑤ まくり差し③ 抜き①
フライングか、まくり一撃か。
女子選手はこういうタイプが多いのだが、
宇野弥生の過激さは他の追随を許さない。
去年、あれだけFに苦しんだのに、
ここ半年の平均スタートタイミングはコンマ14。平気?
でコンマゼロ台まで踏み込む姿は、“男前”という言葉がしっくりくる。
今日も、やってくれた。
前半4Rは3着と煮え切れなかった弥生ちゃん、
4号艇の8Rで腹を決めた。
7Rまでひとりもゼロ台のなかった水面で、
一気に臨界点を超えるコンマ03全速S!
気配を察知したカド受けの定野久恵も09で応戦したが、
この勇猛なまくり屋の進軍を止めることはできない。
軽々と内3艇を呑み込んで、4-6-5のアウトセットを演出した。
フライングか、まくり一撃か。
先にこう書いたが、
実のところ「まくりがしたくてFを切る」という女子選手は少ない、と思う。スタート勘がないのに無理に攻めたり、
勝負駆けでアツくなりすぎて飛び越えたり、
そんな自爆Fで散るケースが多いと思うのだ。
宇野は違う。いつでも、自力で敵を攻め潰すために、
確信犯的にスタートを行く。
「行きました。入ってると思って」
レース後、当然のようにこう言い放った表情は、勝負師の貌だった。
清楚な美形に、般若の輪郭が重なって見えた。
美由紀姐さんも奏恵ちゃんも男勝りの勝負師だが、
スタート奮発&まくり一撃タイプという点では、
おそらく女子界随一。
全艇界でも、阿波勝哉に匹敵する勇者猛者だと私は思う。
如月から弥生へ。
明日は大雪の予報だが、予選~準優~優勝戦と、
確実に弥生の刻は近づいている。
独断の機力診断
昨日「節イチの伸び」と勝手に宣言した細川裕子は、
スリットからチョボチョボしか伸びなかった。
理由は、わからない。
私の見立てが間違っていたとは思いたくないのだが。
前半でさっぱり伸びずに4着に敗れた細川は、
後半にペラを替えてきた。この交換でやや伸びもアップしたが、
むしろ回り足など出足系が強くなったように見えた。
それで2着に食い込んだものの、
スリットから伸びなりにまくる「細川パターン」とは
掛け離れた足ではあったな。
とりあえず、節イチ伸び~~る評価は却下する。
明日の3号艇でどんなレースを魅せてくれるか。
スタート展示から注目したい。
で、気になるエース23号機は、やはり強力だった。
ドリーム1号艇の山川美由紀は、このエース機で2着。
池田明美のようにイン戦で勝つことができなかったが、
2コース岩崎芳美のツケマイを浴びては抵抗するしかない。
真横に流れ、バックでは2~5着のどれでもありそうな
ポジションだった。そこから日高逸子のチャージを交わし、
横西奏恵の猛追を振りきり、
危なげのない2着を取りきった足はウムムと唸らせるものがあった。
明日以降も、無闇やたらな喧嘩は売るべきではない、と素直に思う。
(Photos/中尾茂幸、text/H)