6Rは、藤崎小百合、山下友貴、落合直子と、
水神祭のかかった選手の半分がそろったレース。
初出場の山下と落合も勝ちたいでしょうが、
1号艇の藤崎は過去2回の女子王座決定戦に出場しながら、
いまだに1着なし。勝ちたいという思いは
他の2人よりも強かったはず。
レースは1マークでいったん渡辺千草に交わされたものの、
藤崎がバックで食らいついて抜きで1着。
3年越しの初勝利をあげました。
ピットに戻ってきた藤崎はさすがに嬉しそう。
勝負事は負けが続くと「一生勝てないんじゃないか」と
思うことがありますが、不安を吹き飛ばす勝利になったでしょう。
藤崎も嬉しそうでしたが、それ以上に喜んでいたのが
福岡支部の大先輩・日高逸子。
九州地区は選手数のわりに、
あまり女子選手が育ってこない印象がある地域。
かわいい後輩の勝利が、自分のこと以上に嬉しかったのでしょう。
藤崎の水神祭を仕切ったのも日高でした。
藤崎が勝利者インタビューから戻ってくる前から、
水神祭会場(?)でひとり待っています。
そこに藤崎が帰ってきて、
徐々に武藤綾子、池田紫乃、大山博子と駆けつける。
九州支部の4人が藤崎をうつ伏せで抱え上げ、水神祭!
藤崎はアタマから水面に突っ込みました。
私はあまりピットに入らないので、
そう多くの水神祭を見てはいないのですが、
4人での水神祭というのは、
かなり参加数が少ない方だったと思います。
いわば、この人数の少なさが、
九州支部の女子選手の手薄さを示しているようにも感じます。
藤崎には九州女子を盛り上げる存在となり、
これからはもっと活躍してもらいたい。
ピットにいると不思議と目につく選手というのがいます。
今節の場合は海野ゆかり。
まぁ、綺麗な顔立ちで、女子の中では高い身長なので、
目立つ、印象に残るというのがあるのでしょうが、
それにしてもよく顔を見かける。
で、これまた無根拠な話ですが、
よく目につく選手が不思議と活躍する。
世の霊能者には、こんな「なぜか目につく」人を
オーラが出ているというのかもしれません。
海野は11Rを4コースから豪快にまくって1着。
勝利者選手インタビューで「エンジンもいい」と語ったいたので、
自信を持っていたことが目を引き付けていたのかもしれません。
15時を過ぎると、ピットは閑散としてきます。
この後にレースのある艇を除いた大半のボートが、
すでに陸に上がりエンジンを取り外されています。
そんな中、この後にレースを控えている艇以外で、
係留ピットにボートが残っていたのは、
平田さやか、守屋美穂あたり。
初日に目が出ずの若手が最後まで頑張るのはよくある話だが、
初日ピンピン発進の池田明美も係留ピットに艇をつなぎ、
調整をしていました。さらなる上積みを狙ってきているようで、
今シリーズの主役になるかもしれません。
11R発売中でも、守屋、平田は水面を走っていました。
そこにエンジン上部をハズして整備していた山下友貴が加わり、
さらに樋口由加里も入り、まだ水神祭を行なっていない組が
最後まで調整。初日はいい結果を残せませんでしたが、
明日はいい目が出るよう期待したいところです。
2月末といえども日が落ちるのは早い。
1マーク付近がオレンジ色に染まり出すと、12Rの発走が近づきます。舟券の発売締め切りあたりから、ゾロゾロと選手が表に出てくる。
レース観戦&艇の引き上げのためです。
片岡恵里や中国の若手の多くはリフトの左端付近にいました。
平山智加ら四国の選手はリフトの右端あたりにいます。
池田姉妹や長嶋万記や谷川里江は
係留ピット付近でレースを見ようとしています。
余談ですが、多摩川のピットにあるリフトは、
同時に3艇しか乗せることができません。
だいたい1着の選手が一番左、2着の選手が真ん中、
3着が右に入り、陸に上がります。4着以下の選手は
いったん係留ピットに入り、1~3着が引き上げられるのを待ちます。
ドリーム戦が終わり、一番左のブースには勝った田口が入り、
真ん中には2着の山川、右には3着の横西が入ります。
6着に負けた三浦は、まず係留ピットに艇をつけます。
なんと、レース前から選手がいた場所と、
ドリーム戦の結果がほぼ一致していたのです!
プロはプロのことがわかるといいますが、
おそらく各地区の選手たちは結果を予測し、
自らが引き上げる艇が入るブースのそばで
レースを観戦したのでしょう。……って、そんなわけないですな。
ただの偶然だと思います。偶然にしても、
あまりにも場所が一致しており驚いたので、
ついつい書いてしまいました。
レースを終えたドリーム組の面々はみなサバサバしており、
特にかわった点はなし。歴戦の兵なので、
ドリーム戦での一喜一憂はないもの。
彼女たちが心の底から喜ぶのは、
水面が夕陽で染まる日曜日のレースを勝ったときくらいなのでしょう。
(TEXT姫園 PHOTO中尾)