小雨模様となった開催3日目。終日ベタなぎで水面は穏やか。日本一狭い戸田水面だが、このコンディションならば選手たちは握って攻められる。迫力ある攻防を、日本一近くで見られる1マークは、我がホームプール戸田の大きな魅力なのである。
本日のインは5勝。スタートの揃う開催3日目にしては思いのほか苦戦したが、その大きな原因は前述したような好コンディション。とにかく外、特にカドの4コースが握って攻めてくるので、イン艇がスタートで後手を踏んでしまうと、抵抗すらできずに引き波にハマる。典型的だったのが12R。1号艇の瓜生正義は丸岡正典の攻勢を受け止めきれなかった。それでも2着に残したのは瓜生の技量があったからこそ。並の選手ならば完全に勝負圏外へと脱落したことだろう。スタート一撃には常に警戒したい。特に明日は準優への勝負駆けデー。気合いのスタート攻勢が決まれば、アウトセットの大万シューも飛び出す。穴党は積極的に狙ってみるといいだろう。
○本日のレース結果と反省点
本日もレース結果を踏まえて明日への取捨を見ていこう。まずは好気配選手たちの動向だ。
松井繁
吉田拡郎
丸岡正典
郷原章平
瓜生正義
川﨑智幸
この中では松井繁の連勝が光る。内枠を利した成績ではあるが、11R、攻めてきた横澤剛治を受け止め、バックでグイと前に出た足は本物。得点率ランキング6位となった松井に残されたのは、明日7Rの5号艇。前付けも考えられるメンバー構成なので、人気でもアタマ狙いを推奨したい。キッチリ勝ちきれば準優1号艇、そして、優勝戦1号艇のビクトリーロードが敷かれよう。
節イチ認定した吉田拡郎はインコースでまさかの敗退。昨日、伸びなりで1艇身以上差をつけた足が全く見られなかった。展示タイムは出ていることから足落ちとは考えづらい。スタート展示の時から昨日ほど目立った伸びがなかったことから考えてみても、「後伸び」タイプなのだろう。スリット近辺で揉んでしまうと、1マークまでの行き足は威力半減。逆に言えば、明日の11R6号艇は、アタマ鉄板と考えてもいい。今日負けたことで多少なりともオッズがつけば、これほど美味しい狙い目はない。
12Rを4カドから快勝した丸岡正典も堂々たる優勝候補。スタート練習、スタート展示、周回展示、そのすべてで好印象で、完全に仕上がったと思える。勝ちっぷりがよかったので人気をかぶってしまう可能性もあるが、明日の外枠2走はヒモはもちろんアタマまで買っておきたい。
郷原章平は2&3号艇を2着2本でクリア。得点率ランキングは25位まで上昇したが、まだまだ足色に成績が伴っていない。特にもったいなかったのが4R。インの山本浩次を覗いていたが、一瞬迷ってから遅れ差し気味のハンドルとなってしまった。一気のジカマクリ、あるいは、開いての決め差しのどちらかを選んでいれば、アタマを狙えたレース。もっとも、回り足にはやや難があるようで、展示もあまり冴えない印象。その辺りが解消されないようだと、郷原の迷いは消えないはず。逆に言えば、明日の11R4号艇は周回展示に大注目!
12Rで丸岡の攻勢を浴びた瓜生正義は平凡な印象を抜け出せなかった。頻繁に足合わせを行なっていたが、中島孝平に半艇身差をつけられたり、馬袋義則や田口節子と五分の足色。もっとも彼らとて上位級なのだが、超抜クラスまでは届かない。人気先行となるレーサーだけに、明日の外枠2走は思い切って舟券から外す手もある。
川﨑智幸に関しても評価を下げざるを得ないだろう。2Rではインの守田俊介に対して半艇身しか覗けず、壁役止まり。また、8Rのイン戦では郷原の攻勢を張って大敗してしまった。着争いを追い上げた足は良かったが、超抜クラスとまでは言えない。瓜生と同じく中の上ではなかろうか。
そのほかの狙い目選手も挙げておこう。西山貴浩は今日の1Rが圧巻。伸びなりでまくり切った足は本物。7Rでは中澤和志に先攻されて4着に終わったが、引き続き狙ってみたい足色だ。
足合わせで福田雅一に1艇身差をつけた横澤剛治も完調モード。明日は6R4号艇の1回乗りで1号艇・太田和美に2号艇・濱野谷憲吾。人気が割れそうで横澤のアタマ狙いが推奨できる。
人気薄とはとても言えないのだが、池田浩二が最悪の状態からは脱出した。足合わせで湯川浩司に1艇身差をつけるようになっている。今節の成績が冴えないからといって今後は軽視禁物だ。戸田名物の道中逆転劇は彼のようなテクニシャンが演出する。
さてさて、戸田ホームの俺としちゃ、気力充実・中澤和志は無条件で応援中! とはいえ、人気もろかぶりになってきているので、舟券は絞って買いたい。明日は12R4号艇。予選得点率トップを懸けた1戦となる。中澤の快勝を祈りつつ、穴党の舟券としては、良化が目立つ2号艇・中島孝平と6号艇・田口節子を絡めて狙ってみてはどうか。(PHOTO/中尾茂幸 TEXT/担当G)