BOAT RACE ビッグレース現場レポート

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THEピット――12人&42人

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 けんごろうさまのリクエストにお応えしての佐々木裕美だが、今節はマスクしてることが多いんですよね。作業はペラが中心。今朝は熱心に試運転していました。田口節子と話し込んだりもしていましたよ。正直に言って、佐々木を見かけるのは圧倒的にエンジン吊り時が多い。ペラ室にこもっていることが多いからだ。エンジン吊り後に、片岡恵里らと話し込む姿はよく見かける。今日の1R後には、堀之内紀代子を取り囲む「岡山会議」に佐々木&片岡が加わったりしていた。……こんなところでOK?

 

 

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 今朝はとにかく風が強く、安定板が装着されるほどの荒れ水面。選手たちは乗りこなすのに苦労している。堀之内は1号艇ながら4着に敗れたが、こんな状況では1コースはアドバンテージとは言えないわけである。というわけで、岡山会議でも堀之内は苦笑を浮かべるしかないという感じであり、岡山&佐々木片岡も、アドバイスどうこうって感じじゃないでしょうな。

 

 

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 もちろん、そんななかでも選手たちは全力で調整に走る。係留所にはボートが鈴なりだし、展示が終われば強風を切り裂いて水面に飛び出す。10秒間メモを取り続けてみると、松本晶恵魚谷香織竹井奈美新田芳美栢場優子岸恵子五反田忍鎌倉涼大瀧明日香廣中智紗衣……と瞬く間にノートが選手名で埋まってしまうほどである。もちろんメモした選手以外だって、係留所とペラ室などを行き来しており、しっかりチェックしてみれば、ほとんど全員の名前がメモにしるされてしまうのではないだろうか。

 

 

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 田口節子も作業と試運転を熱心に行なっているが、その表情の柔らかさは実に印象的だ。節ちゃんといえばどうしても昨年の大村を思い出してしまうし、SGでも険しい表情を見せることが多々ある。それだけに、今の田口の穏やかな表情は実に魅力的だし、精神的な余裕を感じずにはいられないわけである。もちろん予選トップという好調ぶりもその要因ではあろう。

 

 

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 見ていると、田口を頼る選手も少なくないように思える。なにしろ実績はバツグン、実力も最上位クラスである。今朝でいえば、鎌倉涼がずいぶん長く田口と話し込んでいた。先ほどの選手メモのなかに鎌倉の名前が紛れ込んでいるのにお気づきかもしれないが、朝のスタート特訓後、決定戦組でただ一人、鎌倉は水面に残って試運転を続けていた。その合間に陸に上がり、田口と長い会話を始めたのである。どこからどう見ても、経験豊富な大先輩に教えを請う若手、という図だった。田口は穏やかな笑みを浮かべることもあるが、鎌倉は一貫して真剣な表情。本来なら最大の敵であるはずの存在が、どういうわけか自分とは別の舞台にいる。アドバイスを求めやすい状況ではあるはずだ。

 

 

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 こうした決定戦組とシリーズ組の会話シーンは、随所で見かける。今朝は、日高逸子、魚谷香織、小野生奈がペラ室の出入り口の脇に座り込んで話し込んでいる。手にはゲージがあるから、間違いなくペラ談義だ。それも、ズバリ日高が魚谷らにアドバイスを乞うている場面と見た。調整作業はすでに4日間にも及んでいるシリーズ組に、遅れて参戦の決定戦組が傾向などを教えてもらっている、というわけだ。相手が若き後輩であっても、素直に頭を下げるグレートマザー。なりふり構わず、でもあるし、またそれができる強さ、である。

 

 

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 決定戦組は、今日も大きな作業に取り組んでいる選手が目立つ。昨日に続いて本体整備をしていたのが守屋美穂。初戦6着ということは、実は今日、早くも勝負駆けである。ボーダー21点と想定すると、残り2戦で1着3着という成績が必要になる。明日につなげるためには、今日の2号艇は大事な大事な一戦なのだ。まったく同じ条件の高橋淳美も本体整備。もう後がないだけに、できる整備はすべてやって、の心境であろう。

 

 

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 海野ゆかりも本体整備に手をつけている。前検日にはゴキゲンだった海野だが、昨日はその感触が薄れていたようである。スリットから伸びたように見えたが、スロー勢が全速でなかった分だろう。それでいて攻め切れなかったのは、海野が覚えた違和感のせいなのかもしれない。というわけで、今日は作業内容を一転させての本体整備。エンジン吊りなどで出てくるときに見る表情は、やや厳しさを増していたように思えた。

 

 

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 ほかには、山川美由紀も整備室に姿があり、外回りの作業をしていた。寺田千恵はキャブレターの調整だろうか。2R発売中にキャブレターをモーターに装着している姿を見かけた。谷川里江は、2R発売中にペラを外して調整開始。ただ、わりとゆったりめの動き出しだったように思う。ゆったりめといえば、長嶋万記も。決定戦組が作業に忙しい2R発売中に、手を洗って控室に入っていく姿を見かけている。状態に不安なし、だろうか。

 

 

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 そして、平山智加と金田幸子の2連続1号艇コンビは、比較的マイペースで作業を進めているようだ。平山の表情が昨日よりずっとスッキリしたように見えるのだが、気のせいだろうか……?(PHOTO/中尾茂幸 池上一摩 TEXT/黒須田)