BOAT RACE ビッグレース現場レポート

BOAT RACE ビッグレースの現場から、精鋭ライター達が最新のレポートをお届けします。

THEピット――テンション上がる前検!

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 ボートレースクラシック(総理大臣杯)といえば、言うまでもなくその年最初のSG。これまでの印象では、「久しぶりのSG(賞金王以来3カ月ぶり)という高揚感からか、前検日はリラックスした雰囲気」だったのだが、今日は一味違っていたように思えた。理由は確然としないものの、「通称がついた」「賞金王出場が18名となった」など改革の年の一発目のSGというところに、外野としては意味を見出したくなるというものだ。もちろんこじつけではあるが、少なくとも賞金王の枠が広がったことはSGやGⅠに大きく影響してくるはずで、早くも年末を意識している選手がいたとしても不思議ではない。

 

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 我らがカマギーこと鎌田義も、かなりピリピリしている様子だった。昨年GⅠ初優勝を果たしたことで、鎌田はさらに上を目指す気になっている。そんななかで、地元SGを迎えた。気合が入らないほうがおかしい状況である。今朝のレース場入りの際、到着時にはいつもの笑顔でカマギーらしさを全開にしていたが、永島知洋氏のニコニコ@ボートレース部のコメントを出し終えると、顔つきがさっと変わった。明日の開会式ではまたカマギーらしさを見せてくれるだろうが、それ以外はもうカマギー封印だ。SG初優勝が出やすい……このレースのそんな特徴をふと思い出した次第である。

 

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 田中信一郎の表情にも力がこもっているように見えた。ピットでの田中は基本、迫力を感じさせるたたずまいであるが、前検日にはもっとリラックスしていたようなイメージがある。しかし、今日は僕が見かけた限りでは、穏やかな表情は表には出ていなかった。終始、鋭い表情で過ごしていたように見えたのだ。田中の最後のSG制覇は08年賞金王シリーズ戦。もう5年以上が経過した。その前は04年賞金王。約10年前だ。それら以来のSG制覇、おおいに可能性があると思った。少なくとも、ピットでの雰囲気は節イチ級と感じられた。

 

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 そのほかにも、地元で闘志燃える吉川元浩と吉田俊彦、迫力あるたたずまいが当たり前の松井繁や服部幸男、今年絶好調の毒島誠など、見ていて唸るような凛々しい表情を見せていた選手が、とにかく多かったように思う(毒島は去年よりもぐっとカッコよく見えたぞ)。もちろん、悪くないピットの雰囲気であり、これがSGの魅力であるとも思う。最高峰の戦いはヒリヒリするくらいでちょうどいい。それを前検から感じさせられた、2014年SG開幕戦。激しい戦いの連続を予感させられて、ちょっとテンションが上がりました、はい。

 

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 もちろん、柔らかな表情を見せてくれる選手も少なくはない。ドリーム戦1号艇の池田浩二も、スタート練習→タイム測定からピットに戻ってくると爽快な笑顔を爆発させていた。ドリーム戦共同会見でもゴキゲンだったな。「このあと休みが待っているんで、優勝して休みたいです」と言って、かーっと顔をほころばせたり。休みはもちろんF休みで、今節はF2で臨む。誰もがそのあたりを懸念しているはずだが、出走回数不足によるA1級陥落はなんとか免れられる見通しとなってきた。ということで、「早いスタートは行けないが、勝負できるところにはきている」。ドリーム戦はやっぱ、この人が主役でしょうね。

 

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 井口佳典、湯川浩司もいい笑顔だった。井口は前検を終えて田村隆信と話しながら、「ええ感じやで!」と力強い一言。自然と頬は緩むわけである。思えば、前回の尼崎SG覇者は、この人でしたね。2012年オーシャンカップ。実は隠れ連覇がかかっているわけである。ま、本人は意識していないだろうけど、好感触を得たようだから、話を振れば「尼崎SG連覇? ああ、狙いますよ!」といつもの強気コメントを聞かせてくれるだろう。

 

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 湯川は、モーターの気配が表情に比較的結びつくタイプ。というか、胸の内が顔に出るんでしょうね。エンジン出てる→気分良し→明るい表情。エンジン出てない→気分悪い→冴えない表情。あるいは、優勝戦1号艇でめっちゃ緊張→めっちゃカタい表情ってこともありましたね。その湯川が、実にいい表情なのだから、前検での手応えは上々と見た。明日の3R4号艇、狙ってみようかな~。

 

 原稿書いているうちにもテンションさらに上がってます! クラシック(総理杯)を、いや、今年のSGを、皆様おおいに楽しみまくりましょう!(PHOTO/中尾茂幸 黒須田=ピットの様子、池田TEXT/黒須田)