BOAT RACE ビッグレース現場レポート

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THEピット――優しい勝負師

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 笑い声が響いた。白井英治だ。装着場で作業をしながら、ボートが隣に置かれていた瓜生正義と話し込んでいる。どうやら会話の中身はボート以外のことらしく、二人とも笑みを浮かべながら、時に白井がハハハハッと笑っているのだ。そのときの瓜生の顔は柔らかく相好が崩れる。実は、この瓜生&白井という組み合わせは、ピットでは時折見かけるもので、珍しくはない。

 

 

 

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 その後、瓜生のもとには池田浩二が歩み寄っていた。ツートップのツーショット! やはり話す内容はボート以外のことなのか、二人の顔は柔らかい。この組み合わせも珍しくないんですよね。むしろ、よく見かけると言ってもいいかもしれない。

 瓜生の周りには、九州地区の後輩がよく集まっている。岡崎恭裕や篠崎元志、峰竜太らが常に瓜生を取り巻いているという印象すらある。そして、九州以外の選手も、瓜生のもとにこうしてよく集まる。瓜生を中心に人の輪がしょっちゅうできているのだ。人望ってやつでしょうね。それでいてあれだけ強いのだから、この男、本当に完璧である。

 

 

 

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 係留所では、齊藤仁と中島孝平が談笑していた。仁ちゃんはボートに乗り込んで作業中。そこに陸から中島が声をかけた(あるいはその逆)という雰囲気である。ともに賞金王ジャンパーを着用。仁ちゃんは初めてSGのピットでそれを着ているわけだが(昨年賞金王でももちろん着てましたが)、似合ってますよ!

 思えば、齊藤仁の隣に東京支部以外の選手がいる場面もよく見かける。森高一真とのツーショットなんて、本来はめちゃくちゃ不思議なコンビですよね。支部も期も違うし、ルックスは違いすぎるんだから。中島孝平も同様。意外なほどバラエティに富んだ顔ぶれが、中島と親しそうに話していたりする。今日はたまたま、その二人の組み合わせになっていたというわけだ。

 

 

 

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 そうそう、岡村仁って、めっちゃ好青年です。昨年のチャレンジカップでSG初参戦だったわけだが、その後シリーズ、今節と、顔を合わせると毎度、ニッコリと微笑んで、元気に挨拶をしてくれる。今日の1Rで1着を獲った岡村は、レース後は公開勝利者インタビューに向かったわけだが、ピット内の喫煙所がその裏手のほうにあって、岡村がファンに声を届けている間にワタクシは一服。すると、インタビューを終えた岡村があらわれて、こちらを見つけるや、「お疲れ様です!」。すみませーん、休憩しちゃってましたー、となんだかそんな気分になって、居住まいを正したワタクシでありました。

 ビリリと厳しい勝負師も素敵だが、優しい勝負師たちもカッコいいっすね!

 

 

 

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 で、今節は鎌田義がまったくもって一味違うのである。その顔つきは、ハッキリ言って、怖いほどだ。今日は1号艇が回ってきており、それもあるのだろう、特に表情の鋭さは強烈だった。すれ違いざまに挨拶を交わすときも、眉間にしわが寄ったまま。目力にはとてつもなく圧力があった。もともと、レース前にはストイックなカマギーだが、今節はそれがさらに先鋭化している。この一戦に懸ける思いの大きさがうかがえよう。普段はもちろん、陽気で愉快で気遣いもすごいカマギーだが、こんな鎌田義も実にカッコいいわけである。(PHOTO/池上一摩=岡村 黒須田 TEXT/黒須田)