井口、暴走モード突入！
１Ｒからイン５連敗という意外な展開になった下関水面だが、終わってみればイン６勝、２コース差し４本。強めのホーム追い風を生かして、１・２コースが順当な活躍を見せた。そんな中、唯一のまくりを決めたのが４Ｒの井口佳典だ。しかも、アウト６コースからの一撃まくり。今日の追い風では、ありえないような大技だ。もちろん、「伸びは常にトップ級」と謳われる55号機があればこそだが、スリットから自力で攻めたがる井口との相性は抜群と言えるだろう。
後半の10Ｒでも、井口55号機は５コースから伸びなりにまくりに打って出た。惜しくもインの毒島誠には届かなかったが、あの伸び足はヤバい。今日の風が向かい風だったら、あるいは毒島のスタートがコンマ04という突出したものでなければ、簡単にまくりきっていたはずだ。伸び足だけでいうなら、太田和美のエース64号機を軽く凌いでいるとお伝えしておく。
現在の井口の賞金ランクは、嬉しさも中くらい？の７位。このチャレカで賞金をガッポリ上積みして、文句なしの６位以内で暮れの平和島に向かいたいところ。それを考えれば、今日の６・５号艇での２着１着は半端なくデカイ。この勢いで優勝まで突っ走れば、おそらく賞金ランク３位まで浮上するだろう。ちなみに、1000万円近い大差で６位に立ち塞がるのは、太田和美だ。64号機VS55号機の節イチ決定戦という趣も含めて、６位ボーダーを巡る両雄のガチンコ直接対決が今から楽しみでならない。
師弟の災難
さてさて、初日から気になって仕方がない地元の三羽烏なのだが、パワー的には盤石にはほど遠いようだ。寺田祥が中堅上位くらいで、今村豊＆白井英治の師弟コンビは中堅ど真ん中と見た。
今日のミスターは展開的にも厳しかったな。３Ｒは３コースから得意の全速まくりに出たところ、２コースの森高一真も同時に握った。ぴったり息が合ってしまい、横に弾かれて４着止まり。ならばと７Ｒは２コースから穏やかな差しを選択したが、ハンドルを入れた瞬間に３コース石野貴之の強烈な握りマイを喰らった。モロに引き波を浴びて、バック４番手。桐生順平との接戦を制して３着を獲りきったのは流石の一語だが、足的には威張れるレベルではなかった。まあ、「いつの間にか中堅から上位級へ」というのがミスターのスタイルでもあり、明日かあさってあたりにはしっかり上昇していることだろう。現在の賞金ランクは、前出・井口のすぐ下の８位。ポジション的にもパワー的にも苦しい立場だが、常にオッサンファンをあっと驚かせてくれるのがミスターなのである。
一方、弟子の白井英治は……ドリーム戦での鍔迫り合いからしっかりガッチリ抜け出して２着を確定させた。と思いきや、３周１マークでまさかの振り込みをやらかし３着後退＆不良航法で７点の減点を喰らってしまった。途中まで10ポイントだったのが、一瞬にして９－７＝２点のみ。らしいと言えばらしいアクシデントではあったが、パワー的にもまだまだしっくり来ていないのだろう。明日からの機力と得点の挽回に期待するとしよう。
丸ちゃんが怖い！
女子同様、男子のほうも機力診断をしておきたい。昨日は太田を節イチに指名したが、先に書いたようにスリットからの破壊力は井口が上だ。太田もドリーム戦で非凡な回り足を披露した。伸びでは井口、ターン回りは太田、か。今日のところは突き抜けるパワーを優先し、井口を節イチと評価したい。
井口には及ばないが、やはりスリットからグイグイ伸びる選手が他に３人ほどいる。丸岡正典、茅原悠紀、赤岩善生。この３人は枠番に関わらず常に警戒しておきたい。特に、まくり屋の丸ちゃんはここ数カ月でさらに獰猛になっている印象があり、外の選手が突っ込んで穴になりやすい。「迷ったら丸岡の外」と肝に銘じておこう。
独断パワー番付
SS級…井口佳典（出足Ａ、伸びSS）
Ｓ級…太田和美（出足Ｓ、伸びＳ）、丸岡正典（出足Ｂ、伸びSS）、赤岩善生（出足Ｓ、伸びＳ）
Ａ級…茅原悠紀（出足Ｂ、伸びＳ）、田村隆信（出足Ａ、伸びＡ）、毒島誠（出足Ｓ、伸びＢ）
とりあえず、この７選手をピックアップしておこう。（photos/シギー中尾、text/畠山）
