BOAT RACE ビッグレース現場レポート

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THEピット@シリーズ――余裕?

 

 

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 整備室を覗くと、吉川元浩がゲージ作りをしていた。えっ、いきなり!? 早い段階でゲージ擦りをしている選手はエンジン出ている、なぜならペラ調整や本体調整の必要がないから、というのが昨今のセオリーだが、ここまで早く取り掛かっているのはあまり見かけない。ここで作ったゲージをもとに調整を進めるということかもしれないが、それにしてもこの段階で取りかかるのだから至急の調整が必要だとは思えない。8R1回乗り、まずは気配を確認したい。

 

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 余裕に見えたのは、大峯豊だ。5Rに出番だというのに、実にゆったりと動いている。こちらも至急の調整を必要としていないのだろう。あるいは、それまでにしっかりと調整を済ませ、ある程度の手応えを得たか。2R発売中には、柔らかな笑顔で誰かと談笑している様子が。相手を確認したら、山口剛だった。思い出すのは08年新鋭王座。この二人が優出していたなあ。あれから約8年、SGのピットで揃い踏みを見られるとは感慨深い。優勝戦に揃ったとするなら、なお感慨深くなるだろう。

 

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 その山口剛とは、1Rを並んで観戦することになった。住之江のピットはど真ん中にモニターが設置してあり、おおむね報道陣がここで観戦しているものだが、山口はここにやって来たのだ。「おっ、5が行ってる」「あっ、3!」と、まるで僕らがそうしているように声をあげながら観戦していた。舟券を持ってない選手もそういうものなんですね。実際のところは、きっとわれわれとは目のつけどころも違うのだろうが、なかなか楽しい観戦をさせていただきました。ほかに、平高奈菜も2Rはここで見ていたぞ。

 

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 さて、その2Rで悔しい結果としてしまったのが川上剛だ。1マークを回って2番手で出てきたのに、湯川浩司、井口佳典の銀河系コンビと接戦になり、2周2マークでは井口と大競りになって5番手まで後退している。弟子の西山貴浩が「6番って誰ですか?」と聞きに来たほどで、井口とは共倒れになってしまった格好だ。

 井口のほうは苦笑いしきりのレース後だったが、川上は顔をしかめて悔しがっていた。寄り添う西山も神妙な表情で、師匠の胸の内を慮っている様子。好モーターで好発進かと思われただけに、痛恨の後退だっただろう。今日は2回乗り、すぐに挽回のチャンスはやってくる。燃えろ!(PHOTO/中尾茂幸 黒須田 TEXT/黒須田)

 

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※オープニングを制したのは下條雄太郎! 表情が力強いぞ。