BOAT RACE ビッグレース現場レポート

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びわこマスターズTOPICS 初日

THE MISSION①期末勝負駆けを狙え!

 

 毎年毎年書いていることだが、人間、1年も経つと記憶がやや曖昧になるもの。今年も力強くここに書き記しておこう。それは……

『A1&A2の勝負駆けレーサーを狙え!!』

 

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 これぞマスターズならではの裏戦術。今月末の決算日まで、ボーダー前後の選手は目の色を変えて戦い続ける。「A1→A2、A2→B1降格」は、おそらくリーマンでいうなら「部長→課長、課長→係長に降級」くらいの哀しさ&屈辱なのでは? そんな憂き目は、誰だって見たくはないもの。さらにプレミアムGIのマスターズは1点増しの特典もあるので、「今節でケリを付けたい!!」という思いもひとしお強いはずなのだ。

 で、今節の勝負駆け選手は誰かというと、いるわいるわいるわ。昨日までの勝率と、今日の成績を列挙しておこう。

 

★A2勝負駆け(現状ボーダー5.40)

 

柳田英明…5.22 4着

竹上真司…5.27 3着

瀬尾達也…5.46 5着

 

★A1勝負駆け(現状ボーダー6.20)

 

亀本勇樹…6.06 4着

長岡茂一…6.19 1着

作野 恒…6.20 2着

山室展弘…6.20 1・4着

北川幸典…6.20 1着

谷川里江…6.23 6・4着

鈴木幸夫…6.23 5着

吉田隆義…6.27 2着

藤丸光一…6.32 2・2着

 

 

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 この前後のレーサーにも昇降の可能性があるが、とりあえずこの12人のレーサーを「メイチ勝負駆け」に指名しておきたい。4、5年前の名人戦では「A2勝負駆け6人、A1勝負駆けも6人」みたいな感じだった。それから年を追うごとに選手のレベルがアップし、今節はA1勝負駆け選手が主流になっている。

 

 

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 で、初日の成績を見れば、その奮闘ぶりは明らかだろう。とりわけA1ボーダーの真上に乗っかっている長岡、北川は気迫のまくり一撃を決め、同じくボーダーど真ん中の山室先生も6号艇から前付け&4コース差し抜けで324倍の大穴を演出している。

 長岡がまくった8Rに至っては、道中で長岡-作野-山室という「ボーダーど真ん中トリオ」が上位を独占。最終的に山室が4着に落ちたものの、「勝負駆けレーサー、侮るべからず」の教訓を改めて肝に銘じさせてもらった(3連単200倍)。

 この12人の勝負駆けは明日以降も続く、というか、締日が近づくに連れてさらに白熱してゆく。特に、5、6日目に敗者戦に回ったレーサーは絶好の狙い目になるので、それまでにパワー面での強弱をはっきりと掌握しておきたい。選手によってアタマ狙いやヒモ狙い、さまざまな狙い方ができるのだから。

 

THE MISSION②常に人気の盲点を探せ!

 

 これまた毎年のように書いている気がするが、改めて記しておこう。通常のGIやSGと違って、プレミアムGIは選手の格&人気の較差が激しい。今節で言うならミスター今村豊がいて、菊池峰晴がいて、みたいな(峰晴さん、すいません!!)。

 

 

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 で、いわゆる「格下」のレーサーが大駆けすると、それだけでとんでもない配当になることがままある。今日の10Rの渡邊伸太郎がまさにその立役者だろう。追い風を利して2コースから差し抜けてみたらば、551倍のウルトラ万太郎! もちろん2着の大場敏、3着の小畑実成もややヒモ穴ではあったが、2号艇の伸太郎をミスターや西島に置き換えてみてもらいたい。551倍どころか、万シューにも届かなかったかもしれない。

 先にも書いた8Rの作野にしても、人気の盲点のひとりだったと思う。かく言う私も「いくらA1勝負駆けでも、6号艇で2着は厳しいだろうな」と作野をやや軽視し、3着付けで買っていた。格下という先入観があったればこそ、200倍の大魚を逃したのである。

 

 

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 峰晴や伸太郎や作野を馬鹿にしているように聞こえるかもしれないが、そうではなく「スケベな穴党は、随所に人気の盲点レーサーを舟券に絡めるべし」と声を大にして言いたいのだ。かつてミスターを取材したとき、この神様のようなレーサーがしみじみこう言った。

「あのね、競艇っていうのは、前にいる選手を捕まえるのが難しい競技なんですよ。勝率3点くらいの選手でも、いざ先頭に立ったら僕でも捕まえきれないことが多い。どんな選手でも絶対に馬鹿になんかできないし、前にいたら簡単に抜けないくらいのテクニックを持った選手しかいない。常々、そう思ってます」

 

 

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 今節の主役であるミスターの言葉は、そのまま穴党の教訓になるはずだ。人気の盲点、侮るなかれ。それは単に知名度の高低だけでなく「パワー劣勢で這い続けている選手」とか「F2持ちの選手」などなど、さまざまな盲点が生じることも肝に銘じておきたい。現時点でいうなら、瀬尾達也がその最たる選手かもしれないな。F2持ちだけど、メイチのA2勝負駆け。期末で無理をしたくない立場だし地元オーシャンカップの夢もほぼ潰えたけれど、降りたくても降りられない境遇にいるのだ。おそらく、瀬尾は節間のどこかで持ち前のスタート力を生かしてドカーーンの大駆けをやらかす、やってくれるだろう。そう勝手に信じて買い続けたりすることが、このマスターズの大きな醍醐味だとも思う。(photos/シギー中尾、text/畠山)