朝の優勝戦出場選手公開インタビューから戻ってきてすぐに、篠崎仁志が着水の準備を始めた。これは早い。今日は晴れあがり、気温も上昇している。気候の違いによる足の変化を感じ取ろうというのか……。
桐生順平もこれに続いた。１Ｒ発売中には、仁志とともにボートリフトに艇を運んだのだ。さらに宮地元輝も続く。うわ、優勝戦メンバーの動き出しが早いぞ。
と思ったら、２Ｒ発売中に優勝戦組のスタート特訓が行なわれたのであった。インタビューがあるので、優勝戦組はいわゆる朝特訓に参加せず、２Ｒ発売中に設定されたという次第。ただし、参加したのはその３人だけで、他の３人は水面にも出ていっていない。ちなみに、宮地はスロー４コースあたりから１本、ダッシュ５コース１本だった。前付けもありか？
実はそのとき、松田大志郎のボートにはモーターが乗っていなかった。装着をする前だったのだ。ということは、ハナからこの特訓には参加するつもりがなかったわけだ。姿は整備室にあった。モーターを遠目にチェックして、本体とキャリアボデーの継ぎ目あたりをこすったりしている。異変があったというわけではなさそうで、装着前の慎重な点検というふうに見えた。表情は落ち着いており、エンジン吊りなどに出てきた際の様子はまったく変わっていない。実にマイペースに過ごしているように見えた。
マイペースなのは岡崎恭裕も同様。インタビューから戻って最初にピットに姿をあらわしたのは、実は岡崎。ただし、新品のプラグを操縦席に置きにきただけで、すぐに控室に戻っていった。それからはエンジン吊りでしか姿を見ていない。余裕と言っていいだろう。
丸野一樹は今日もニコニコだ。人懐こく話しかけてきて「僕、たぶん人生で撮られた写真の５倍くらい今節で撮られてますよ」だって。それがプレミアムＧⅠに出場するということです。ＳＧはもっと凄いよ、と振ると瞳がキラーン。近いうちにきっと体験できるだろう。大舞台での優勝戦を前に、その一員として過ごすことを新鮮に感じ、楽しんでいる様子。その初々しさを好もしいものと思う。
ところで、宮地元輝のＴシャツの胸にはでっかくトランプさんの写真が。「いやいや、支持とかそういうんじゃなくて、面白いＴシャツを探してたらこれがあったんですよ」とのこと。だったら今日はトランプらしく過激に走ろう！「はい、水面ではオラオラでいきますよ！」。オラオラ宮地に注目！（ＰＨＯＴＯ／中尾茂幸 池上一摩 ＴＥＸＴ／黒須田）
