BOAT RACE ビッグレース現場レポート

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THEピット@シリーズ――悔しさを抱えながら

 

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 今日からグランプリシリーズも新たな様相となる。言うまでもなく、グランプリ1stから5人が合流するからだ。この5人の心境は複雑だろう。黄金のヘルメットを争っていたはずが、まったく違うものを目指さなければならなくなったのだ。あれから一夜明けて、すんなりと悔しさが消え去っているとは思えない。

 平本真之と顔を合わせても、そんな話になっていく。ウェアがグランプリジャンパーではなく通常のSGジャンパーになっていて、そのあたりにも平本の心境はあらわれているように思えた。「(グランプリのほうは)一組しかないんで、後半でまた」ということだったが、それだけとは思えなかった。

「僕、ぜんぜんダメなように見えてました?」

 平本がそう尋ねてくる。昨日までの3日間、自分がどんな様子だったのか、気になったのだろう。テンパっていたと思う。でも、初出場で初戦1号艇なのだし、テンパって当たり前だ。それを平本が真正面から受け止めれば、次は違う戦いができるはず。この悔しさをしっかりと刻みながら、シリーズを戦い抜いてほしい。

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 岡崎恭裕も、顔を合わせてまず顔をしかめてみせた。何としても2ndには行きたいという言葉を戦前に聞いていただけに、その心中は察せられる。昨日の5コースは、狙って獲ったものだったそうだ。前に進むには1着しかない。そのための5コース選択だ。狙いすましたまくり差しを放ったが及ばず。しかし、攻めの5コースだった。

「リプレイで見たら、もう1つ、平本っちゃんのほうに寄せてなければダメでしたね」

 初動の位置が、艇1つ分、内だったのが失敗だった、という。岡崎にとってパーフェクトなまくり差しにはならなかったわけだ。それもまた、岡崎の悔しさをつのらせる。岡崎もその鬱憤をため込んで、最終日の11Rで晴らしてほしい。

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 様相が変わったと言えば、茅原悠紀がシリーズ復活戦の6号艇に繰り上がった。ドリーム特別戦に続いて、点増しのレースが回ってきたのだ。

「ほんと、こんなところでねえ。こんなことってあるんですねえ」

 茅原がおかしそうに笑う。何もなくとも、今日か明日に6号艇は回ってきた。それがいきなり点増しになったのだから、ラッキーと言うしかない。それは別としても、茅原の気分はかなり上々の様子で、このまま爆走モードに入る可能性が俄然高まってきたように思える。過去2年、シリーズの優勝はともに、グランプリ1st組以外から出ている。ここまで得点率3位につけているだけに、優勝にかなり近い位置にいると考えていいかも!?(PHOTO/中尾茂幸 TEXT/黒須田)