BOAT RACE ビッグレース現場レポート

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THEピット@シリーズ――混戦勝負駆け

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 昨日の勝負駆け情報ではボーダーを6・33と想定したが、終わってみればなんと5・67。6・00くらいにまとまる可能性はあるかもと考えていたが、ここまで下がるとは思わなかった。それでも、10R前までは湯川浩司の6・17だったのだ。ボーダーに影響を与えたのは、10R4着で6・17の赤岩善生の6着大敗、さらに3着で6・17の岡崎恭裕の5着。その時点で18位圏内にいた二人が一気に着を落としたことで、6・00で終えていた久田敏之が浮上し、赤岩がギリギリ18位に残った。岡崎は道中4番手を走り、これをキープしていれば5・87で残れただけに、痛かった。レース後の二人は、得点率を大幅に下げてしまったことで予選落ちを覚悟したか、堅い表情。赤岩は自分が残ったことをおそらく把握していなかったと思う。岡崎もその時点では4着を守っていれば、という思いはなかったはずだ。

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 勝負駆けを成功させた、と言えるのは、田村隆信だ。4カドまくり一撃! 田村らしい攻撃だった! 4着の久田敏之と「スタート早いだろうとは思っていた」と話し合っており、まさに気合と覚悟のカドまくりだ。久田との会話は控室前まで続き、田村の表情はとにかく柔らかかった。

 モーター格納後に田村と顔を合わせたので、見事な勝利を祝福。そしたら田村、「明日は気をつけます」と笑った。スタートタイミングはコンマ05。そこまで際どくはないけれども……あ、そうか。もし明日勇み足をしてしまえば、向こう4SGに出られなくなる。クラシック、オールスター、グラチャン……鳴門グラチャン! もちろんシリーズの優勝も狙ってはいるが、しかし鳴門グラチャンを棒に振るわけにはいかないのだ。明日は優出と地元SGを両にらみしつつ(優出すればグラチャン優先出場!)、田村はしたたかに勝負する。

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 あ、あと同じレースで3着なら自力突破だったものの、4着で相手待ちとなった久田も、準優進出はめでたかった。今節も着々と調整を続け、奮闘した。相手待ちといったって、6・00は通常の目標数値。そこには達していたのだから、胸を張っていい。久田はこれがSG2節目、そしてともに予選突破。蓄えてきた力をしっかりと証明している。群馬のもう一人のSG常連となるべく、ここでおおいに名前を売ってほしい。

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 予選1位は今垣光太郎だ! パワー上位ならシリーズでは格が違うとばかりに、堂々のトップ当選。さすがである。この状況に対してか、あるいは足的に手応えがあるからなのか、気分はかなり良さそうな雰囲気である。

 新聞記者さんに呼び止められた光ちゃんが、「油断しないようにします」と少し冗談っぽく言っているのが聞こえてきた。まあ、光ちゃんの1号艇はいろいろある(笑)。スタート展示では白井英治にイン獲られてたし。記憶に新しいのはまさにちょうど1年前のシリーズ準優。西山貴浩にインを奪われ、逃げ切りを許したあのレースだ。当然、光ちゃんの記憶にもそれは鮮明だろうし、それを念頭に置いての「油断しない」発言であろう。まずは昨年の二の轍を踏まないよう、気を引き締めて準優に臨む。

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 さてさて、実はワタクシ、風邪っぴきである。不覚にも住之江入りの前日にやっちまった。かなり回復してきているが、今日、湯川浩司にそれを察知されてしまった。一瞬、僕から距離を置こうとする湯川。大丈夫です。今日は酒呑んでかーっと寝ちまいますから。「そうしたほうがええ。アルコール消毒や! 最低でも日本酒。アルコール度数15度以下はあかんで!」。あれは鳴門オーシャンだったか、湯川からは日本酒禁止令が出て(守ってませんが)、ウイスキーを呑めと説教された。しかし本日、お許しが出ました! しかも最低でも日本酒、ですから。選手代表にそう言われたら無視できない。今夜は呑みまーす。田村の一撃で儲けましたし。二日酔いにならない程度に呑んで、湯川の予選突破の祈念酒とさせていただきます!(PHOTO/中尾茂幸 池上一摩 TEXT/黒須田)