BOAT RACE ビッグレース現場レポート

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児島クラシックTOPICS 3日目

 

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 進入動けば、レースも動く。やはりコース争いはボートレースの醍醐味のひとつだ。コースの奪い合いが生じることで、レースのコクは確実に増す。今日はそんなシーンがいくつかあった。

 まずは3R。茅原悠紀がピット離れで1号艇の海野ゆかりを出し抜いてインを奪った。スタート展示から雰囲気はあったが、本番では背水の陣の気合が伝わるイン獲り。2日目の減点で早くも勝負駆けを強いられた茅原の、地元SGへの思いがビンビンに感じられた瞬間だった。

 茅原はインから先マイで逃げ切り勝ち。これに岡崎恭裕、松井繁が続いて、SG覇者ボックスで3連単5430円である。進入争いは、枠なり全盛の現代においては高配当ももたらしてくれる。

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 4Rでは江口晃生が6号艇から回り込んで2コースを奪った。江口ももはや崖っぷちで、ここは己のスタイルを貫いたかたち。90起こし上等の気迫を見せつけた。スタート展示から江口が動いたため、1号艇・安田政彦は案外と人気にならず、しかし深い起こしも問題なく逃げ切って、3連単6540円。安田のこの逃げ切りは価値が高いし、しかも配当もインが逃げて井口佳典が2着でこれは美味しすぎる。江口もきっちりとスタートを決めており、結果は出なかったが、その闘志には痺れさせられる。

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 5Rは新田雄史が動いた。スタート展示では枠を主張していた2号艇の松村敏は、ターンマークから少し入った起こしの3コース。ここは松村のその選択が奏功して、持ち味の一撃まくりが炸裂。長嶋万記が6コースから2着に食い込んだことで、3連単15780円のマンシュウ決着となっている。これもまた、前付けがもたらすダイナミズム。インが逃げ切るにせよ、まくりが爆発するにせよ、そこにはスペクタクルが巻き起こるのである。

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 それにしても、安田政彦が逃げてのマンシュウは美味しすぎるだろう。僕は3着ヌケでこれを獲り逃してしまって悶絶。しかし、安田が深い起こしを克服し、さらに井口が続いた瞬間、畠山が言うところの脳汁があふれ出たものだ。周回を重ねるうちに一気に乾いちゃったけど。

 今日の好配当はこのパターンが多い。いや、今節の、と言うべきだろうか。つまり、クラシックらしい「一般戦組」の選手が人気の盲点になり、しかし上位に絡んで配当を押し上げてくれている、ということだ。安田の4Rにしても、前付けがあった分、山崎智也や井口佳典に人気が分散した。8Rは峰竜太が逃げ切ったのに、江夏満、渡辺浩司と続いて

連単6700円だ。これは渡辺がフライング後ということもあって、さらに配当が跳ね上がったのだろう。12Rは石野貴之が逃げての①-②決着なのに、3連単は3140円(3着は辻栄蔵)。これは3号艇の桐生順平にも人気が集まり、2号艇の安田政彦がまたしても人気の盲点になった結果だろう。

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 SG常連や記念覇者組は、ネームバリューもあって、どうしても人気を集める。しかし、一般戦で優勝を重ねて出場してきた選手が、技量で大きく劣っているということはまったくない。しかも、足色が好気配であれば、人気がよそに分散する分、美味しいのだ。一般戦組では、その安田、松村、江夏、向所浩二、柳沢一が足色良好。オッズ次第では積極的に舟券に絡めたいところだ。本来は長嶋万記もここに入るところだが、今日は5Rの2番手争いで石野貴之を捌いたことで10Rでは早くも人気サイドになっていた。気配は絶好(節イチかも!?)、もちろん明日も狙い目にはなるだろうが、人気の盲点にはもうならないかもしれない(それは松村敏もそうか)。

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 銘柄組で確実に上位なのは、やっぱり瓜生正義、桐生順平。今日はともに2コース差しで勝っているが、逃げ粘るインをバックで一気に捕まえる足はかなり目立っていた。得点状況からしても、ウリュウキリュウが優勝争いをさらにリードしていく可能性は高い。(PHOTO/中尾茂幸 池上一摩 黒須田 TEXT/黒須田)