BOAT RACE ビッグレース現場レポート

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鳴門グラチャン『前検を斬る!!』

 鳴門グラチャンの前検が終わりました。まず、私が戦前から「直線ツートップ」と断定してきた37号機&59号機の気配をお伝えします。今日の段階では、いささか明暗が分かれたように見えたのですが……。バカに良く見えたのは、コチラっす!

 

★★★新田雄史=59号機

 

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足合わせでは、ちょっと不思議なことが。後半の試運転(6~9班)で早々に水面に降りた新田は、外の長田頼宗と合わせてこれを圧倒。ターンの出口で2艇身ほど抜けたため、減速して相手待ち。普通、こういう場合は相手の加速が上回るのですが、新田は並走になってからも揉み揉みしながら長田を煽っていた。この時点で、私は「S以上」の評価を下しました。

 が、それで試運転は終わりかと思いきや、10分ほどして再び新田が現れた。で、下條雄太郎と合わせてみたら、ターン回りも直線も少しモッサリして見えたのです。調整面で、何か試してみたのかもしれません。

 さてさて、スタート特訓ではどうなることかと注目していると、不安を一蹴するほどのゴキゲンな気配。1本目の4コースはスリット手前で上体を上げ、明らかに揉み揉みアジャストしながら、それでもスリットからギュンと伸びて行きました。3本目も3コースからスリット手前で揉み揉みしながらグイグイ。スタートに照準を合わせた特訓ではありましたが、「起こしから全速で行ったら、どんだけ伸びたのか??」と思わせる迫力でしたね。前検では文句なしのSSに指名します!

 

★篠崎仁志=37号機

 

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 別に悪かったわけではなく「良さげなのは間違いないけど、どれだけ強力か掴みきれなかった」という感じ。まず、足合わせでは最終盤、ラストから4番目に水面に登場し、のんびり1周の単走試運転。さらに大トリで現れた兄の元志と、最後の最後、満を持しての足合わせ。これが恐ろしく息の合った並走だったのですが、「回り足はほぼ一緒で、直線はほんのちょっぴり仁志37号が上」という感じ。兄をぶっ千切る光景も見られるか、と思っただけにいささか肩透かしでした。

 続くスタート練習でも、1本目は起こし遅れで凹んでみたり、2本目は早起こしでハミ出してみたり……スリット後の足は強めに見えましたが、ちょいとチグハグで見立ての難しい練習ではありました。まあ、先の福岡オールスターの石野28号機も前検では掴みきれず、それでもしっかり優勝したわけで、いざ実戦では素晴らしい足を披露するとは思うのですが……。今日のところはAランクまで。

 流れ的に、この選手もピックアップしておきましょう。

 

★石野貴之=28号機!!

 

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 BB誌の7月号で3番手(▲)に抜擢した“鉄人28号”ですが、直線のパワーは福岡28号よりかなり下と思っておりました。その推測どおり、今日は足合わせでもスタート練習でも、行き足~伸びは一息。福岡とはまったく別物の28号と思っていいと思います。ただ、コチラの28号は1マークで後手を踏んで4・5番手に甘んじても、そこからグイグイ追い上げが利くレース足が持ち味。前検作業では分かりにくい足なので、明日の実戦で見ることができるはずです。期待も込みでAランク。

 ではでは、他で目についたパワーを列挙しておきます。

 

★★池田浩二=13号機

 

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 最近のSGでは珍しく?池田の気配が抜群に見えました。おおっと唸らせたのは、スタート練習の1本目。インからやや起こし遅れ、普通はドカンと凹んでもおかしくないところからグイグイ伸び返してスリットはピッタリのコンマ10あたり。さらにスリットからも軽快に伸びていき、握り込み~行き足までの強さを感じました。続く2本目は一転して6コースからコンマ07全速という感じでキュイーーンな伸び足。5月に後藤翔之が節イチ級のパワーで優勝したまんまの13号機の勢いでしたよ。ここ数年、低調パワーをテクでカバーし、誤魔化し誤魔化し優出まで持ち込んできた池田。今節は強い強いコージが見られそうなオーラがプンプン漂っておりました。

 

★丸岡正典=27号機

 

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 これまた久しぶりに爆発の予感!? スタート練習の1本目、4カドからやや早起こしながら丸ちゃんらしい豪快な伸びを披露しました。最近のSGではこの伸びが付かずに苦労してわけで、今節は大いに楽しみです。明日はオープニングレースの4号艇。内が同期で仲良しの森高だけに、スリット一撃の絞めまくりで攻めつぶすかも?(笑。ちなみに5号艇が仁志37号機であります)

 

★松井 繁=18号機

 

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 伸びは中堅に毛が生えた程度ですが、握り込み~スリットまでの出足・行き足が強烈に見えました。同じく、ターンの出口からの加速もいい感じ。つまりは出足系統が仕上がっていて、臨戦態勢が整っていると思います。松井は単純な伸び足より、この部分の足が強いほうが活躍するタイプ。明日のドリームは前付けからスタートを決めて、舟券にしっかり絡んできそうな気もしますね。それが可能なパワーだとお伝えしておきます。

 

☆谷村一哉=17号機

 

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 ここまで銘柄級のレーサーが並んだので、穴っぽい選手をひとり。今日の17号機は足合わせでもスタート練習でも突き抜けるほどの迫力はないものの、スリットから1/3艇身ほど覗く微妙な行き足と、しぶとく引き波を超える微妙なレース足を見せておりました。この粘りの足をしっかり活かしきれば、外コースからでもしぶとく舟券に絡んでも不思議じゃない。SGではちょいちょい大穴の立役者になる谷村だけに、人気薄の外枠でこっそり狙い打ってみたいと思います。

 以上、前検の見立てを番付にすると、こうなります。

 

SS級(節イチ候補)…新田雄史

S級(抜群候補)…池田浩二

A級(上位候補)…丸岡正典、松井繁、篠崎仁志、石野貴之

穴一発…谷村一哉

 

 他では湯川浩司、岡崎恭裕の伸び、坪井康晴、遠藤エミ、上平真二の行き足あたりが良さげに見えました。さてさて、前検タイムです。

 

前検時計TOP10

①原田幸哉 6.72

 丸岡正典

 湯川浩司

④岡崎恭裕 6.73

⑤太田和美 6.74

 中島孝平

⑦石渡鉄兵 6.75

 坪井康晴

 平本真之

 桐生順平

 

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 ふむふむ、丸ちゃん、湯川、岡崎あたりは見立て通りですか。いつも前検ではワースト級の時計が多い中島の5位はかなり不気味ではありますな。ちなみに篠崎仁志は6.79、石野貴之は6.77とまったく平凡なタイムでした。石野28号はともかく、展示時計キングと言うべきエース37号機のこのタイムは……かなーり心配です!

 

前検ワースト5

①新田雄史 6.90

②秋山直之 6.86

③山崎智也 6.85

 平田忠則

⑤寺田 祥 6.84

 松田祐季

 

 …………………………えーーっと、SS新田59号機が断トツのドベっすか。えぇえぇ、まったく気にしませんよっ!!!!! 新田の前検ワーストはもはや定番だし、この時計で少しでも人気を落とせばしめたもの。実戦ではとんでもない鬼足を見せてくれると信じます。明日の3R4号艇&9R6号艇に注目!!(TEXT/畠山、PHOTOS/黒須田)