BOAT RACE ビッグレース現場レポート

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丸亀オーシャンTOPICS 初日

地味な戦国時代??

 

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 3カ月ぶりに勝ち星を挙げた平本真之などなど、イン=1号艇が9勝、うち1-2決着が6本。そんな初日の丸亀水面を見て、今シリーズの流れを私なりに推測しておこう。まず、大きなキーワードがひとつ。

★ダッシュから自力でインまで攻めきれる選手(パワー)がいない。

 今日の感想はコレに尽きるな。昨日から「パワー的に戦国時代」と予告していたが、想像以上の横並び状態。ダッシュ勢でスリットから突き抜けるようなパワーは皆無で、だからこそ内から順繰りの1-2が続発した。今日、インで勝った9選手たちも、いざ外枠(ダッシュ)に回れば自力では攻めきれないだろう。明日以降も「選手やパワー云々より、コース優位=12、13主体」の傾向は続くとお伝えしておく。私も含めてまくり好きの穴党にとっては酷な予測だが、それほどストレートで突出したパワーが見当たらなかった。

 当然、V戦線も混戦になると思う。「1号艇でしっかり10点を稼ぎ、他の枠番でどれだけポイントを伸ばせるか」という鍔迫り合い。つまり、ピンを並べずとも上位着順をしっかり拾い続ける選手が、有力なV候補へと成り上がる。そういう意味では、道中で追い上げが利くレース足(ターン回り~出口の足)が明暗を分けるシリーズとも言えるだろう。

 

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今日の段階では、ドリーム戦で2着の篠崎仁志にとことん食らいついた井口佳典(今日イチの激闘、名勝負だったなぁ)、バック中間で追いすがる原田幸哉を一気に突き放した平本、6コースから差し抜けて先頭に立った辻栄蔵、地味ながらターン回りでキラリ輝く足色を何度か見せた中野次郎、4コースから激差しを決めた山崎智也、2番手の山下和彦をターン一発で逆転した池田浩二などなど、彼らがそのレース足を生かしてポイントを積み重ねれば、そのまま準優~優出へとつながっていく気がしてならない。6号艇で10点をゲットした辻や点増しのあるドリーム勢に有利な流れでもあるな。

 

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 うーーん、なんだか初日から夢のない予測を羅列してしまったが、もちろん一撃必殺の大穴も何度かは出現するだろう。起こるとしたら、こんなケースか。

①スリット付近の破壊力がトップ級の岡村仁、松田大志郎のS一撃。これは常に警戒しておきたい。今日、ダッシュ勢でただひとり「インまで呑み込むかも??」と思わせたのが5Rの4カド岡村だった。実戦ではもうひと伸び足りず、内から伸び返した毒島誠にブロックされたが、スリット隊形次第&18号機の仕上がり次第では5・6コースからでも豪快なまくり一発がありえる。

 

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 極撰で期待した8Rの大志郎は、明らかにスタート負け。特訓でもスタート展示でもキワまで全速で突っ走る気合を見せたが、いざ本番でフライング持ちが響いたか。こちらも「いつでもどこでも伸びなり一撃まくりがある」と肝に銘じておきたい。スリットから“事件”を起こせるのは、やはりこのふたりだと思っている。

②田頭実、松井繁、服部幸男、今垣光太郎、前本泰和、菊地孝平(その他、勝負駆け選手など)が6号艇で動いたとき。枠なり3対3からダッシュで突き抜けるパワーがほぼいない以上、進入の乱れもつれに期待せざるを得ない。

③向かいでも追いでも5m以上の強風が吹き荒れ、スリット隊形がバラけやすくなったとき。まあ、この条件はどんなシリーズでも一緒なのだが。

 まくり好きの穴党は、1アタマの舟券をコツコツ拾いつつ、①~③の条件が来るのをじっと待つのが得策かも? できれば①~③がすべて揃うレースが出現してほしてのだが……。

 

“緑ヘル”軍団、大暴れ!

 

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 球界は今年も赤ヘル軍団の独壇場。そんな強い強い神パワーが、瀬戸内海を飛び越えて丸亀まで襲来した。まず、何といっても4Rの辻栄蔵だな。6コースから忍者のように人知れず最内を差し抜け、忍者のようにスルスルと先頭に迫り、2マークでは忍者のような小回りターンで先頭に立っていた。最近のSGでよくよく見かける栄蔵・忍者ターンの集大成とも言うべきか。もちろんパワーの裏付けも充分で、展示タイムもターン回りもキラリ光っていた。先にも書いたが、戦国シリーズになりそうなだけに、この6号艇での10点はメチャクチャでかいぞ。

 

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 広島のエースの大技が起爆剤となったか、続く6Rも6号艇で超人気薄の山下和彦がアウトから展開を突いて3着入線。3連単265倍の立役者となった。道中では2番手にも躍り出ており、そのまま2着だったら500倍近い配当だったはずだ。池田に技ありの逆転差しを食ったとはいえ、6号艇で3着なら上々のスタートと言えるだろう。

 さらにさらに7Rでも6号艇の市川哲也が実にしぶとい走りで3着をゲット。白井英治の猛追をギリギリ交わしきったレース足にも、唸らせるものがあった。赤ヘルならぬ“緑ヘル”軍団の快進撃は、まんま広島カープの強さを連想させた。

 

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 うん、今日の広島勢は6号艇以外でも強かった。2Rは5号艇の山口剛が安定した捌きで悠々の3着ゲット。展示タイムの6秒61は今日の一番時計だ。

 7Rでは前本泰和が王者・松井も哲人・服部も寄せつけない怒涛の逃げきり。勝ちタイムの1分49秒4は、これまた今日の一番時計でもある。うーーん、マジで神ってるかも??

 最後は辻が10Rで慌てず騒がずの3着ゲット。2Rのツヨポンから③①③③①③とすべて舟券に絡んだ(6号艇3人含む!)のだから素晴らしい。戦国ムードたっぷりの今節、広島勢がセ界だけでなくボート界まで牛耳るムードがぷんぷん漂う1日だった。勢い的にもパワー的にも、明日以降も軽視禁物とお伝えしておく。(TEXT/畠山、PHOTOS/シギー中尾)