丸亀の宿舎はピットから徒歩で通えるところにある。それでも、帰宿の1便が10R終了後に出発する。今日は16人が1便でピットを後にしていた。
●今村豊 1便でお帰り。後半の時間帯はゆっくりと過ごしていたようで、作業を終えるのも早かった。
●田頭実 8R2着。足も上向いたのか、レース後の表情は明るかった。1便でお帰り。
●今垣光太郎 6着大敗に、さすがに顔を歪めていた。今垣は、比較的悔しさを顔に出すタイプ。ここまで上々の成績だっただけに、痛い6着だったか。
●松井繁 6R1回乗りで、その後はペラ調整に励んでいる。1便でお帰り……なのだが、整列にやや遅れてあらわれたためか(右手を掲げて悠々と登場!)、管理の係の方に「松井選手は10R?」と尋ねられていた(どうやら10Rは2便に回るのが原則のようだ)。「違うで。俺、帰るで!」と高らかに宣言。整列している選手たちの空気が一気に和らぐのだった。お疲れ様でした!
●服部幸男 9R2着で、1便で帰ってもおかしくなかったが、居残ってプロペラ調整。
●市川哲也 10R4着。疲労の色がうかがえるレース後であった。市川も比較的内心が表に出やすいタイプだろうか。
●田中信一郎 10Rを逃げ切り1着。特に笑顔も見せず、粛々とエンジン吊りを終わらせて控室へ。公開勝利者インタビューに向かう際も、キリリと引き締まった表情のままだった。
●山下和彦 キビキビと働いている姿がとにかく印象的だ。10R市川のエンジン吊りにも真っ先に駆けつけて、ワイヤーを外すドライバーを誰よりも早く手にしていた。明るく楽しく元気よく、が決めゼリフの山下。真剣な表情も多く見かけるが、元気よく、だけは一貫して伝わってくるのである。
●前本泰和 長くプロペラ調整室にこもり、11R発売中にモーターを格納し始めたので、ここで一区切りだろうか。
●濱野谷憲吾 10R3着。ピットに戻ってヘルメットを脱ぐと、眉間にシワを寄せる顔色が見えた。しかし、中野次郎に話しかけられると、苦笑いがすーっと浮かんで愚痴らしき言葉をこぼし始めていた。敗れたときの濱野谷は、こうした苦笑いが多いと思う。というか、けっこう他の選手からイジられて、苦笑いが出る場面が多いんじゃないかな。よくイジっているのは大阪勢に池田浩二。
●山崎智也 1便で帰るのかと思いきや、居残った。けっこう珍しいと思う。10R出走の時も、素早く着替えと片づけを終えて、風のように去っていくこともよくあるのに。
●石渡鉄兵 1便でお帰り。もちろん、ひと通りの調整を今日のレース後もしている。
●辻栄蔵 11R出走だが、9R発売中にはペラ室に姿がなかった。ギリペラ辻がいない! いつもより早めに展示ピットにボートをつけたということだ。出てるんだろうなあ。
●徳増秀樹 1便でお帰り。整列中、他の選手と話し込む選手もいるわけだが、徳増は黙々としていた。
●原田幸哉 9Rは4コースで、3コースの松田大志郎が「幸哉さんより前だったから怖かった」とスタートについて原田に話していた。ふふふっと笑う原田。スタート力については、他の選手も認めるところなのだ。10Rのエンジン吊りでは、装着場の奥にいた遠藤エミに歩み寄って、なぜかペコペコとお辞儀。遠藤も負けじとお辞儀していて、ペコペコ合戦が繰り広げられていた。何だったんだ?
●白井英治 後半もボートを磨き上げる姿あり。前半が「相棒よ、今日もよろしく」なら、後半は「今日もありがとな」だろう。
●重成一人 大半の時間をプロペラ調整に費やしていたが、選手班長だから、ときどき装着場から競技棟に歩いていく姿も見かける。ご苦労様です!
●池田浩二 10R発売中に12Rのスタート練習が行なわれ、その後にペラ調整室に入っていった。最後のひと調整といったところか。
●寺田祥 調整なども懸命にしていたわけだが、印象に強く残ったのは、11R展示から戻ってきたときの表情。気合のギアが一気に上がったかのように、迫力のある目つきになっていたのだ。結果は残念だが、闘志をみなぎらせてレースに臨んでいたのは間違いない。
●赤岩善生 1便でお帰り。整列中に11Rの展示が終わっているのだが、戻ってきた茅原悠紀になぜかずっと手を振り続けていた。仲良かったですかね? 気づいた茅原も思わず笑い出して、「お疲れ様でした」と声をかけていたけど……。赤岩がこんなお茶目な姿を見せるとは……。ただし、表情はいつもの赤岩善生でした。それで手をブンブン振っているからなおさら……。
●坪井康晴 1便でお帰り。作業もわりと早めに一段落つけていたようだ。
●菊地孝平 1便でお帰り。松井の持っていたバッグが流行りのブランドものだったらしく、それを指摘。松井が「そうやで~」と大自慢していた。
●秋山直之 整備室で機歴簿をじっくりと見入っていた。11R出走までに整備は間に合いそうになかったが、その手応え次第で明日、整備を考えようということだったのだろうか。そんな秋山を整備士さんも優しいまなざしで見守っていた。
●中島孝平 1便でお帰り。それまではペラ調整室に姿あり。
●笠原亮 1便でお帰り。今日の5R、山崎智也のまくりマークで、絶好の展開になったのだが、前が詰まって敗れている。そのことをかなり悔しがっていた。今日は早く休んで、気持ちを切り替えて!
●井口佳典 1便でお帰り。9R発売中まで屋外調整所でペラ調整をしており、それを切り上げての帰宿だった。
●森高一真 必死の調整、試運転を経て、10Rに臨んだが大敗。ヘルメットを脱いだ瞬間、悪い顔……もとい、強烈に顔を歪めたコワモテがあらわれた。悔しすぎ!
●丸岡正典 1便でお帰り。ペラ室奥のほうでプロペラ調整。その後、10R発売中は大阪勢のボートにあかくみ(スポンジ)を配っていて、後輩の岡村仁がそれを見つけて恐縮していた。丸ちゃん、にゃははと微笑みを返していた。
●吉田俊彦 1便でお帰り。やはりペラ室奥のほうでのペラ調整。ここには山崎智也もやってくることが多く、智也とトシは非常に仲良しである。
●萩原秀人 1便でお帰り。装着場で汗をかきかき立っていたら、「暑いですよねえ。でも、陽が落ちると少し過ごしやすいですね。今日はそれほどジメジメもしてないですし」と声をかけてくれた。お気遣い、ごっつぁんです!
●中野次郎 粛々と調整作業。それでもわりとゆったりした感もあって、1便で帰るのかと思ったら、そうではなかった。
●石野貴之 9R、装着場のモニターで観戦。1マークを回ると、控室のほうに歩き出した。と思いきや、歩を止めて2マークもチェック。ふたたび控室へ……と思ったら、またまた歩を止めてモニターに見入った。結局、3周1マークまで見ておりました。
●久田敏之 とにかくTシャツが気になるのだ。前半は、ミッキーマウスのシルエットが入ってるTシャツで、後半はこれ。希望が奏でるエンジン音は、みんなを夢の世界に導いてくれる、ってことでいかがでしょう。
●山口剛 12Rに出走。レース前はそれほど大きな動きは見えなかった。
●毒島誠 1便でお帰り。9Rは逃げ切り1着だが、歓喜は特にあらわすことなく。むしろ、顔を歪めた瞬間もあった。足色に満足し切っていないのか。それとも暑さに顔をしかめたか。
●渡辺浩司 1便でお帰り。1便組では登番がもっとも若い選手だ。整列中は登番上位ワンツーの今村豊、田頭実とじゃれ合っていた。
●長田頼宗 12R出走まで、装着場で何度か姿を見ている。ペラ調整をしている時間もあったが、どちらかというと穏やかに時間を過ごしているという印象だった。静かに闘志を高める、という言葉が適切かと思う。
●岡崎恭裕 9R発売中の頃から、ゲージ擦りを始めている。
●岡村仁 8R1着後も、ペラ室にこもって調整を続けていた。その後、先輩たちの明日の艇旗艇番などの準備を始めようとしたら、丸岡がすでに始めていて恐縮、という流れ。その後は岡村が引き継いで、“支部新兵”の仕事をこなした。
●峰竜太 12Rのスタート練習後、篠崎仁志と係留所で談笑していた。いい雰囲気だ。
●平本真之 終盤の時間帯はとにかくペラ調整。
●新田雄史 やはりペラ調整に多くの時間を費やしていたが、岡崎がゲージ擦りを始めると、その隣に腰掛けて岡崎の作業に見入っている時間もあった。ちょっと一休み、といったところ?
●松本晶恵 最後まで懸命のペラ調整を続けた。かなり遅くまでペラ室にこもっていた一人だ。
●茅原悠紀 9R発売中までペラ調整。11R出走だから、できうる限り粘ったことになる。
●桐生順平 とにかく、モーターにエース機の面影が皆無。というより、もはやワースト級ではないかとすら思える。予選突破は絶望的で、エース機を引いた桐生がそんな追い込まれ方をするとは誰が想像しただろうか。10Rのエンジン吊り後、今村豊と話し込む場面があった。今村が桐生を心配してという部分もあるだろうが、二人の共通点は、相棒となったモーターが近況で新ペラに好感した歴があるということ。どうもそれがいまひとつという側面もあるようで、そのあたりについて語り合ったところもあったかも。
●篠崎仁志 10R発売中のスタート練習を終えると、いったんボートを陸に上げて、ボートリフトのそばでキャブレターの点検をしていた。時間を追うごとに雰囲気が変わっていっているように見えるのだけれど、気のせいだろうか。
●遠藤エミ 大きな作業をすることなく、目立ったのは他支部他地区であろうとも率先してエンジン吊りに加わっている姿だったりする。
●小野生奈 ここまで好ムードが続いているが、レース後に笑顔を炸裂させるようなことはほとんどない。むしろ淡々とした表情で作業に向かっており、まったく気を緩めるつもりはなさそうだ。明日は、SG2節連続予選突破に向けて重要な一日。出番は1R、1号艇だ! 勝って笑う小野を見たい!
●松田大志郎 9R3着後は、プロペラ調整室へ。また、ボートを磨く時間帯もあった。そして、「暑いなかでの取材、大変ですよね」なんて気遣う声をかけてくれたりした。いやいや、選手のほうが大変でしょう。でも、あざっす!
●中田竜太 ペラ室奥のほうでプロペラ調整。エンジン吊り以外ではほぼ姿が見られなかったから、ここにこもっていた時間が長かったということだ。
●竹井奈美 ペラ室でペラを叩いていると、8Rを終えた田頭がやってきて、少し話し込んでいた。竹井の師匠は桂林寛。その師匠は植木通彦で、つまりは若松ホームだ。若松の主といえば、田頭実。チーム若松、といったところでしょう。
●岩瀬裕亮 整備室で、やけに丁寧にモーターの防水カバーを拭いていた。キャブレターが濡れないようにかける黒いカバーですね。ここもモーターのパワーに関係あるのか? いずれにしても、相棒を丁寧に扱うことは悪いことではないはずだ。
明日は勝負駆け。勝負駆けらしい動き、というのが実際にあるかどうかは微妙なところだが、今日まで以上に緊張感あふれる一日にはなっていくだろう。(PHOTO/中尾茂幸 池上一摩 黒須田 TEXT/黒須田)