BOAT RACE ビッグレース現場レポート

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THEピット――準優組、始動!

 

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 準優の朝は賑やかだ。報道陣も増え、選手も一般戦組を中心に早くから始動している。今日は準優組が早くも調整や試運転に励んでいる姿もあった。1R発売中から坪井康晴が水面を走る。中盤から気配が上向いているように見える坪井だが、ぐっと冷えた今日の手応えを確認しているのか。試運転を切り上げて陸に上がった坪井は、いつものように穏やかな表情だった。

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 2R発売中には、白井英治もボートを下ろした。坪井と同様、12Rの出走。なかなかに早い動き出しだ。と思ったら、白井はほんの数周、試運転を走って、ボートをふたたび陸に上げている。今日の動きをチェックした、という程度か。

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 白井と同時に着水していたのが松井繁。ちょっと面白い光景だったのは、モーターを始動させず、パドルを漕いで試運転用の係留所に移動していたこと。リフトから10数mのところにある係留所に着けようとしていたので、モーターを動かすまでもないということなのか。松井のパドル航走なんてなかなか目にする機会はない。レアなシーンである。

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 陸の上に目を転じると、菊地孝平がポケットに手を突っ込んで、ゆったりと歩いていた。昨日は早くから集中モードだったが、今日はまだまだリラックスムード。大きな調整も始めていなかった。今日は雨予報になっていて、菊地が走る12R頃も同様だろう。もう少し湿度が上がってから調整を始める構えか。

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 装着場では今垣光太郎が、ルーティンとも言うべき、丁寧丁重な装着作業をしていた。レース前もレース後も、今垣はボートのそばにいる時間が長い。準備はとことん入念に行なう。レース後はボートをきれいに磨き上げる。そのスタイルは、僕がピットに入るようになって以来、まるで変わらないものだ(おそらくはその前から)。準優1号艇だが、表情や雰囲気はいつも通り。レースになれば闘志に火がつくのは必至だが、その何時間も前に心乱すような男ではない。

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 ペラ室のいちばん手前では、前本泰和がペラ調整をしていた。前本は決して目立つ動きを見せるほうではないが、調整はいつだって入念かつ着実だ。前本は現在賞金ランク16位で、初のグランプリ出場が視野に入っている。このダービーで結果を残せば、一気に確定まで持ち込むことだってありうる。しかし前本からは、それにこだわっている様子など伝わってこない。まずは目の前のレースに、と集中している様子なのだ。

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 ペラ室の奥のほうには、予選トップの久田敏之。一気に中心勢力となった久田は、朝からピットじゅうの注目を集めていたようだ。久田にとっては、初めて味わう雰囲気であろう。そういう先入観がこちらにあるということもあるが、エンジン吊りで装着場にあらわれたときの様子は、明らかに緊張気味に見えた。昨日までより表情がカタくなっているのは、確かだと思う。だが、初めてのSG予選トップ、逃げれば明日も1号艇、という状況なのだから、緊張して当然。だから、久田に異常事態とはまったく思わない。

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 もうひとりの1号艇、魚谷智之は、実に凛々しい表情なのであった。早くも気持ちが入っているのか、エンジン吊りなどでの動きもしゃきしゃきとしたものだった。その名前になぞらえていえば、実に活きがいい旬の魚、という感じ。準優でも思い切り跳ねることだろう。(PHOTO/中尾茂幸 池上一摩 TEXT/黒須田)

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昨日の4R。最初の記事に使った写真は2周2マーク。そしてこれが3周2マーク。あ、赤いカポックも! 正人さま、こういうことでした。