準優組はそれぞれが仕上がり良好、というのはまあ大勢では間違っていないが、しかし今回で言うと白井英治は明らかにいまひとつの言うべきであろう。ここまで整備をしまくっているその痕跡は、明らかに機力に納得していない証し。それでよくぞ準優2号艇に乗ってるものだと感心するしかないわけだが、このままでは準優は心もとないと、必死の調整が続いている。昨日は6R1回乗りだったにもかかわらず11R終了後まで居残っていたし、今日も試運転とペラ調整が早くから続いている。表情も普段にもまして険しくなっており、やや追い詰められているようにも見えるほどだ。
一方、朝からペラ調整に没頭しているというのは、濱野谷憲吾も同じなのだ。もっともこの人はどんなときでもペラ室に根を生やしているのが通常であって、予選トップだからのんびりと過ごすということはありえない。4R発売中にはモーターにペラを装着しており、そろそろ着水する模様であった。
全体的には、準優組はそれほど早く動き出してはおらず、白井にしろ濱野谷にしろ、かなり早めに始動した部類に入る。ほかにはまず大上卓人。機力的にはやはり上位とは本人は思っていないようで、SG初優出に向けて懸命である。
準優に女子2人! ということで、守屋美穂と小野生奈も試運転とペラ調整を懸命に繰り返す。守屋はついにSGで初の予選突破を果たしたのだが、それで満足しているような気配は皆無と言える。小野はこれが5度目のSG準優で、いまだクリアできていない準優の壁をぶち壊すべく奮闘だ。まあその動き自体はいつも通りと言うべきものであって、ひとまず浮足立たずに過ごしているとは言えそうだ。
他の準優組のボートを確認すると、プロペラが着いたままの選手も少なからずいた。前田将太はその一人で、これは「エンジン出ている」の証拠と言っていい。たとえばこれまでのSG優出時なども、ペラを外さないまま時間が流れていくことが多々あって、コメントを確認すれば機力に満足するものが並んでいたものだ。何もしないのも整備のうち、とはよく耳にするが、前田はまさにそのタイプ。特に直線が良好と見えるので、4号艇での準優はなかなか怖い。
で、峰竜太は整備室から姿をあらわすのを見かけた。ペラは外れており、しかし滞在は整備室、となれば、ゲージを擦っていたかと推測される(立ち入れる場所からは確認できませんでしたが)。ということは、やはり機力は仕上がったと見るべきだろう。
そして、馬場貴也はいつもの場所(屋外調整所)でペラ調整。今節、そこでペラを叩いている姿を最も多く確認したのが、馬場と遠藤エミの滋賀コンビですな。あと守屋美穂と。今日の11Rの1号艇・馬場、2号艇・峰は、18年当地チャレンジカップ優勝戦の再現で、馬場のSG初制覇の一戦だった。今回も馬場が逃げるのか、それとも峰が差すのか!?(PHOTO/中尾茂幸 池上一摩 TEXT/黒須田)