BOAT RACE ビッグレース現場レポート

BOAT RACE ビッグレースの現場から、精鋭ライター達が最新のレポートをお届けします。

大村クイクラTOPICS 3日目

ストレート系vsターン系

 

11R

①遠藤エミ(滋賀) 12

②長嶋万記(静岡) 19

③松本晶恵(群馬) 18

④海野ゆかり(広島)19

⑤川野芽唯(福岡) 19

⑥樋口由加里(岡山)11

 

f:id:boatrace-g-report:20180117115757j:plain

 

 大本命の遠藤を、長嶋がギリギリまで追いつめた。スタートはイン遠藤が2コース長嶋を圧倒。1マークでは1艇身ほどの優位を保って得意の光速インモンキーを繰り出した。ここで一気に千切れるかと思いきや、2コースから差した長嶋の舳先が凄まじい勢いで遠藤に内に突き刺さった。展示タイムはワーストタイの長嶋だったが、自己評価通りの素晴らしい回り足だ。

 問題はその先。ターンの出口からもうひと伸びするストレート足があれば、そのまま舳先を貫いて2-1になっただろう。が、そこから出て行ったのは遠藤の方。じわりじわりとスピードを加速して、バック中間を過ぎたあたりで長嶋の舳先を振りほどいた。回り足は長嶋、ストレートは遠藤という構図がはっきり表れた、わかりやすいパワー勝負と言えるだろう。

 

f:id:boatrace-g-report:20180117115807j:plain

 

 3番手から追撃したのはエース68号機を駆る海野。スタート特訓の見立て通りスリット前後の行き足~伸びはトップ級で、直線ではしっかり長嶋に追いすがっていた。が、ターン回りごとに突き放される感じで、ここでも準エース長嶋21号機の回り足が光っていた。とりあえず大村ツートップは「直線の海野、ターンの長嶋」と覚えておきたい。

 

f:id:boatrace-g-report:20180117115818j:plain

 

 4着以降は……途中まで松本がしぶとく海野に食い下がっていたが、ラスト1周あたりで千切れたのはやはりパワーの底力の差か。それでも悲観する足色ではなく、内コースなら展開次第で勝ち負けできるレベルのパワーだと思う。そしてそして5着の樋口、6着の川野はともにセット交換などの大整備を行ったが、成績としては報われなかった。そこそこ食らい付いた樋口はまだしも、ターンごとにどんどんずり下がった川野は重症(ストレートは大丈夫、問題は出足と回り足だ)と言うしかない。それぞれ明日もまったく同じ外枠を引いてしまったふたり。今日の成績が成績だけに、舟券に絡むだけで配当が跳ね上がると思うのだが……。

 

ロケットモンキー

 

12R

①小野生奈(福岡) 03

②寺田千恵(岡山) 08

③細川裕子(愛知) 08

④山川美由紀(香川)05

⑤平高奈菜(香川) 11

⑥田口節子(岡山) 19

 

f:id:boatrace-g-report:20180117115831j:plain

 

 コンマ03! スタート展示ではコンマ18でもっとも遅かった生奈が、本番で気迫のロケットスタートを繰り出した。同じくゼロ台まで踏み込んだ2~4コースが1マークで追いすがったが、まったく届かない。こちらは危なげのないインモンキーで、早々に一人旅を決め込んだ。

 ただ、スタートの貯金を守りきってのイン楽勝だっただけに、正味のパワーは分かりにくいレースでもあった。直線の目安となる展示タイム6秒86はこのレースではトップタイだったが、11Rの海野の78、遠藤&松本の81、川野の84にも見劣っている。回り足~ターンの出口あたりは上々な気もしたが、ことストレートに関しては盤石とは言えないかも知れない。

 

f:id:boatrace-g-report:20180117115846j:plain

 

 2着の細川は、3コースからのらしい握りマイで2コース寺田を引き波にハメ、ターンの出口でガッチリ2番手を取りきった。が、これまた課題はストレート足だ。しかも、生奈より深刻。展示7秒00は12人の中で抜けてワーストだったし、2マークまでに山川や寺田との差がじわじわ縮まってもいた。今日はスピーディーなターンで先手を取れたが、混戦になったときに競り勝てるか、大いに疑問の残る2着ではあった。

 

f:id:boatrace-g-report:20180117115854j:plain

 

 3着には寺田が粘りきったが、細川の引き波で尻もちを付いたように減速したのが気になる。その後の追い上げを考えれば悪いとも言い切れず、現時点の私の見立ては「トライアル組での中堅ど真ん中」。それも全部の足が中堅でこれといった特長のない足色に見えたのだが、どうか。明日も同じ2号艇でどの部分の足をどう強化するか。このままでは苦戦も想定できるので、しっかりとパワー変化を見極めたい。

 4着の山川は寺田との競り合いで敗れたものの、こと出足~行き足のあたりは寺田より強かったと思う。スタート一撃と言うほどのパンチ力はないが、現状でも十分に戦える安定味を感じた。最後は平高との熾烈な香川競りに手を焼いている風でもあったが、ここでも「絶対に抜かれないだろうな」という足色だったと思う。ハナ差の4着ではあったけど……。

 6着の田口はやはりF2のハンデは大きく、スタートから見せ場もなく最後方を走り続けた。ゆえに足色は見立てようがなく、現時点では宿題にしておくべきだろう。スタート特訓の気配や展示(生奈と同タイム)を見る限り、ギリギリ戦える気もするのだが……明日も外枠で間違いなく人気の盲点になるので、少しでも買える材料を見出したらヒモ穴に加えるつもりではある。

 

f:id:boatrace-g-report:20180117115906j:plain

 

 さてさて、それにつけても生奈&エミの強運ぶりよ。ふたり揃ってまたまた1号艇を引き当ててしまうとは! 昨日、私は「4500番以降のW優勝があるかも?」と記したが、少なくともGIクイクラ組はその可能性が格段に高まったとお伝えしておこう。

 

シリーズ戦

明日以降の「女子・穴」に注目!

 

 はい、すいません、極撰予想での「昨日の揺り戻しで万舟3発」などという予言は、穴党のタワゴトにすぎませんでした><

 2Rから12Rまでインコースがあれよあれよの11連勝!!!!!!!!!!!(1Rも実質イン逃げみたいなレースだったが)……昨日に続いて「ここは大村」という現実を改めて痛感させられた。アウト筋はもちろん、センターからのまくりもまったく届かない。腕よりも機力よりもコースの有利さだけが際立った2日間だったなぁ。

 とは言えこれだけインが強いからこそ、ひとつ間違えば10万舟が飛び出すのも大村。3日間のレースを見て、そんな大穴を演出しそうなお宝パワーを記しておこう。

 

f:id:boatrace-g-report:20180117115917j:plain

 

★高田ひかる…今日はイン逃げだったが、やはり展示タイムも抜けているし(断トツの6秒75)スリットから1マークまでに1艇身突き放した行き足もゴキゲンだった。センター枠に入ったらスリット一撃、または外の選手のアタマ突き抜けを常に警戒してほしい。

 

f:id:boatrace-g-report:20180117115928j:plain

 

★小池礼乃…昨日は伸び一息に見えたが、今日はしっかり仕上がって上々のストレート足を披露した。F持ちがなんとも痛痒いものの、4カドあたりから全速スリット同体なら一気に突き抜けるだけの雰囲気はある。ヒモも含めて舟券に絡めていきたい。

 

f:id:boatrace-g-report:20180117115942j:plain

 

★藤原菜希…知る人ぞ知る東都のまくり姫。今日は4カドから攻めきれなかったが、いつでもどこでも迷わず握る性格で、2~6コースまで絶対に目が離せない選手だ。しかも、昨日よりも今日のほうがストレートが強めに見えたし、レース後の特訓ではさらに伸び足が強化されているように見えた。こりパワーを維持すれば、最終日までに一発はまくりを決めるとお伝えしておく。

 

f:id:boatrace-g-report:20180117115954j:plain

 

★金田幸子…もっとも不気味なのがこの人。昨日は劣勢パワーをスタートで補おうとして?Fに散ったが、なぜか今日の気配は一変、特にストレート足が上昇して外コースからでも十分に舟券に絡める足になっている。元より自力はV候補にも挙げられるレーサーだけに、2・3着はもちろんアタマ突き抜けの大万舟までありえるかも??

 他では追っかけ続けている武藤綾子74号機、生粋のまくり屋・五反田忍、谷川里江、松瀬弘美も要注意ですが、足的にはもうひと伸びだけ欲しい気がします。(text/畠山。photos/シギー中尾)