BOAT RACE ビッグレース現場レポート

BOAT RACE ビッグレースの現場から、精鋭ライター達が最新のレポートをお届けします。

浜名湖クラシック 準優ダイジェスト

絶句のアジャスト

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10R
①岡崎恭裕(福岡) 12
②瓜生正義(福岡) 12
③田中信一郎(大阪)14
④萩原秀人(福井) 14
⑤新田雄史(三重) 15
⑥金田 諭(埼玉) 18

 うーーん、岡崎47号機がただただ強すぎて、ほとんど書くことがない。鉄板の1-2決着だし。大方の予想通りで、私の脳内レースともほぼ合致した。わずかに違ったのはスリット同体から2コース瓜生の方がやや強めに見えたことだが、それも岡崎の勝利者インタビューを聞いて納得。
「絶対に遅れられないと思ってたらかなりの早起こし、スリット前はずっとレバーを放していて瓜生さんに合わせました」

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 モミモミどころか、レバーを放りっぱなしだったようだ。で、スリットから握り直して伸び返し、1マークを先取り。わずかに差されそうな光景にも見えたが出口から47号機のツインターボが火を噴き、あっという間に突き放していた。イン戦の今日は手前側に寄せてもいたようで、明日はまたストレートを強化する可能性は高い。このスーパーエース機については何度も書いてきたし、もはや多くを語る必要もないだろう。

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 1着・岡崎47号、2着・瓜生。
 敗れはしたが、瓜生21号機も盤石の域。全部が強めのバランス型という印象で、欠点が見当たらない。ここ2年ほどのSGでの瓜生の仕上げは「伸びは付くけど、ターンでやや滑る」というケースが多かったのだが、今節は違う。しっかり水を噛んでおり、展開ひとつで突き抜けるだけの出足もある。ことパンチ力(行き足~伸び)に関しては、やはり47号機の足元にも及ばないと思う。となると、明日は同県の後輩のお尻をムチ打って……?(笑)

フランケンパワー

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11R 並び順
①井口佳典(三重)16
②寺田 祥(山口)20
③松井 繁(大阪)19
④片岡雅裕(香川)18
⑥前本泰和(広島)31
⑤羽野直也(福岡)21

 はい、これまた行った行ったの1-2決着。前本がいるので進入からもつれる可能性もあったのだが、片岡が徹底ブロックしての12346/5。前本が5コースで折り合ったため、スロー5艇は余力たっぷり110~130m起こし。こうなると、パワーも力量も上位の内3艇が圧倒的に有利だ。

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 井口が逃げて寺田が差して松井が握って、ターン出口は実に準優らしい1-23模様。その4艇身ほど後方から羽野が最内を疾駆して果敢な2番手先取りを見せたが、寺田も松井も何事もないかのようにスパッと捌ききった。2着・寺田と3着・松井を分けたのは、回り足がモノを言う展開になったからだと思う。
 1着・井口、2着・寺田。

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 井口34号機は、浜名湖入りしてもっとも驚かされたモーターだ。正直、まったくのノーマークだったのだが、前年度の超抜モーターの部品をごっそり移植して生まれ変わったらしい。浜名湖のフランケンシュタインと呼ばせてもらおう。今日の気配も文句なし。展示タイムは岡崎47号より速かったし(岡崎が手前に寄せた分の差か)、ターン出口で寺田をシュッと2艇身突き放したレース足も出色だ。2号艇の明日は「外の猛攻をブロックしながら内を攻める」という忙しいレースになりそうだが、スタートさえぶち込めばそんな捌きも可能な足だとお伝えしておこう。

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 寺田26号機は初日にA指名したのだが、「全部の足がちょっとちょっと強めのバランス型で、総じてAランクど真ん中」という印象は変わっていない。捌きタイプで2、3着向き、明日の優勝のためにはそれなりの展開の利が必要だろう。岡崎47号の攻めにどう連動するか、明日の寺ショーはそこに重きを置くかも?

肌寒い王手

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12R 並び順
①白井英治(山口)08
②菊地孝平(静岡)09
③峰 竜太(佐賀)13
④石野貴之(大阪)18
⑥湯川浩司(大阪)18
⑤今村 豊(山口)11

 準優の最後もガッチリのイン逃げ。トップスタートから菊地を壁にしてのインモンキーも完璧で、今日の白井の勝ちっぷりがいちばん安心して見ていられた。で、3連続の1-2決着かと思いきや、2コースの菊地が思わぬ苦杯を舐める。何がどうダメだったのか、普通に白井を行かせて差しに構えたのに、そのターンがほぼ真横にダダ流れた。元より今節の菊地35号機の出足系統は中堅~中の上と値踏みしていたのだが、それにしてもサイドの掛かりがまったくなかったなぁ。

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 代わりに3コースから元気よくぶん回した峰がバック出口で楽々と2番手をキープ。後続に3艇身以上の差をつけてしまっては、もはや地球を3周しても抜かれる男ではない(笑)。準優としての決着はバック中間でケリが付いたと言っていいだろう。
 1着・白井、2着・峰。

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 白井44号機は戦前からハイスペックなバランス型として高く評価していたし、まんま安定感抜群のパワーを保ってている。前検で「捌き巧者の乗り役にぴったり」と書いたが、その見立ても的中したと思う。スリットからじわり主導権を握り、自力か捌きかを瞬時に判断して自在に攻撃する白井との相性は抜群だ。ただ、行き足~伸びにかけてのパンチ力は一息なので、怖いのはセンターあたりからのS一撃のツケマイ攻撃だろう。

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そして、明日の優勝戦には、言うまでもなくソレが可能な超抜パワーが一基だけ存在する。私の舟券予想も、その“一騎打ち”に多くを費やすつもりだ。今のところ……心情的には(将棋の)白井師匠を応援しているのだが、どこか背中が薄ら寒いような不気味な予感ばかりが先走っている。うーーん。

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 峰57号機は一昨日のパワー評価で無難なB+を与えたが、正味の鑑定は難しい。専売特許の「峰ゲージ(10種類以上あるらしい)」で足色がちょいちょい変わるし、何よりもモンキーターンが独創的かつスピーディすぎて、旋回力と機力の分岐点がわかりにくいのだ。一連の展示タイムから判断してストレート足はB+(中の上)あたりでOKだろう。出足、回り足は……モーター素性的にやっぱりB+だし思うのだが、どうか。まあ、この男の場合はパワー云々を超えたアレがあるので、たとえ6コースでも絶対に軽視禁物ではあるな。アレって何?と聞かれると巧く答えられないのだが。単なるターンスピードとかだけじゃないんだよなぁ。(text/畠山、photos/シギー中尾)