BOAT RACE ビッグレース現場レポート

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THEピット――決勝戦に向けて着々と

 今日も早くからしっかりと準備を始めていた丸野一樹。僕と畠山が18時からライブ配信していたYouTube「展望BOATBoy」はJLCでも放映されていて、つまり宿舎で選手も見ることができるのだが、昨日の決勝戦展望で畠山は松井繁の機力を「出足A・直線S」と評価。それを見ていたらしい丸野は「松井さんが直線Sなら、僕は出足Sですねえ」とニヤリ。畠山の評価=出足Aに疑義を呈した!? ようするに、出足系の仕上がりにはかなり満足しているようなのである。ということはつまり、枠番は抽選の結果2号艇となってしまったが、まったく気落ちもしていないし、チャンス充分と意を強くしているということも言える。タイトル防衛に向けて、着々と調整を進める最終日となるだろう。

 一方、部品交換でやや上向いたとはいえ、まだ足に満足していない深谷知博は、早くから試運転を繰り返している。緑ランプ(試運転可能)がついている間は水面を駆け、赤ランプ(試運転中止。おおむね締切7分前くらいに点灯)がつくとペラを外して調整所へ。これを朝から繰り返しているのだ。5号艇と外枠が当たってしまい、しかも機力はやや劣勢だが、まったく諦めてなどいない。一日かけて、チャンピオンベルトを狙える足に持っていこうともがくのだろう。

 他の決勝組はといえば、3R終了後に動き始めた。1号艇の松井繁は2R発売中に軽く準備をして、3Rのエンジン吊りが終わると自艇のもとに向かってモーター回りの点検を始めている。プロペラは外れており、すぐにでもペラ調整を始められる格好。その合間には、石野貴之と菊地孝平のやり取りを笑顔で眺めるなど、リラックスしている様子も見て取れる。

 6号艇となってしまった池田浩二は、3Rのエンジン吊り後にプロペラ調整室に入った。ただし、プロペラは朝から外れていて、池田はペラ調整に手ぶらで入っていったので、すでにその前から調整を始めていた可能性はある(僕が目撃できなかっただけで)。昨日、天候に合わせ切れていないというコメントを残していた池田だけに、今日また変わった気候(雨があがって、気温が上がっている)になんとか合わせるべく調整を進めていくだろう。

 上條暢嵩はエンジン吊りで大活躍。2Rには近畿地区の選手が出走していなかったのだが、早々にリフト周辺にやって来て、やや手薄と見たのか、宮之原輝紀陣営に加わっている。3R後はもちろん石野貴之のエンジン吊り。大阪勢がそれぞれの行動に移るべくボートを離れても、カウルの水滴を拭くなどして先輩のボートをいたわっていた。その後、いよいよ調整開始。1号艇の大先輩に挑む準備を始めていた。

 桐生順平もやはりエンジン吊りで飛び回っていて、3Rでは関東勢が3人出走していたので、忙しそうに動いた。その後にやはり自艇に向かって準備開始。ここからは自分の作業にも忙しくなりそうだ。(PHOTO/中尾茂幸 池上一摩 TEXT/黒須田)