BOAT RACE ビッグレース現場レポート

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レディースvsルーキーズ、ピットから/初日

 史上初となる「男女団体戦」の初日が終了。別項のとおり、初日はレディース4ポイント、ルーキーズ4ポイントで、イーブンで初日を終えた。ピットの様子を一言でいえば、団体戦ムードはそれほど色濃くはない。まあ、初日だし、まだまだ趨勢は明らかになっていない。まずは穏やかに初日を終えた、という感じだろう。

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 それでも強いて言えば、レディースのほうが団体戦的なレース後の様子を見せてくれている、ということになるか。特に、レディースが1着だったレース。9Rを逃げ切った水口由紀がピットに戻ってくると、寺田千恵がガッツポーズを見せて祝福する。11Rで岩崎芳美が逃げ切ると、ピットでは橋谷田香織とレッツダンス! 勝利の舞だ。まあ、いずれも仲がいい選手同士なので、団体戦じゃなくても同じことをしたかもしれない。特に岩崎と橋谷田は(笑)。

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 11R、逃げたのは岩崎だが、村松修二が2番手を走り、野中一平が争う隊形。このままゴールし、吉川勇作が5着となれば、ポイントはルーキーズに入る。ところが、2周1マークで野中の艇の舳先が浮き上がり、大きくバランスを崩した。すわ、転覆か!? 野中はなんとかこらえて、失速したもののレースに復帰。もちろん6番手まで後退している。その時点で、ルーキーズがポイントを獲れる可能性はほぼ消えた。この様子をピットのモニターで見ていた何人かのルーキーは、「あぁ~、ポイントとられた~」とガッカリ……などしなかった。「おっ、よく耐えた!」と事故にならなかったことに安堵していたのだ。団体戦のポイントなどよりも、事故もなくケガもなく、のほうがやっぱり大事。まあ、最終日に1ポイントを争うような局面になれば、また別かもしれないけど。もっとも、もし転覆してケガなどするようなことになったら、ポイントうんぬんではなく、その選手の身を案じることだろう。

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 ただ、これはあくまでピットで見る雰囲気、であって、実際のところはやはり団体戦のゆくえも選手たちは気にしているはず。というか、関浩哉に聞いたら「けっこうみんな気になってますよ」とのこと。もとより負けず嫌いのカタマリのようなレーサーたちである。さらに一人あたり10万円のボーナスもつく(笑)。気にならないわけがないのであって、関も初日のイーブンという結果に、ちょっと悔しげな苦笑を浮かべていた。10R終わった時点では4対2とダブルスコアをつけていただけに、終盤に追いつかれたのはやはり不本意だろう。ましてやその終盤のひとつ=12Rドリーム戦には自分も走っていたのだから。そして、5着に敗れたのだから。
 今日のところは、手探りだった部分もあるだろう。また、団体戦がすべてではなく、個人優勝争いも同時に進行している。明日以降、団体戦ムードも高まるだろうし、たった6人しか進めない準優勝戦に向けて力も入るだろう。2日目はさらに戦いは過熱する、と思われる。

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 さてさて、ピットの風景をひとつ。5R6着後に本体整備に取り掛かっていた長田光子。整備を終えると、水面に出て試運転に励んだ。11R発売中まで続けただろうか。足合わせの相手はルーキーたちで、前出達吉との回数が多かった。試運転後、前出と話し込む光景はなかなか新鮮。また、エンジン吊りにもルーキーたちが数多く駆けつけており、さすがの貫録、といった感じだった。

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 その後、五反田忍と関野文も試運転を終え、エンジン吊りが始まっている。今節登番が最も上の長田もこれに参加! 関野のアカクミを洗濯機まで、当たり前のように持って行っている。ただ、関野は恐縮しちゃうよね(笑)。関野は慌てて長田を追いかけて、アカクミを取り返そうとしている。しかし長田は、いいのいいの、気にしない気にしない、と関野に次の作業を促していた。うーん、これも貫録! さすが歴戦の長田光子、その立ち居振る舞いには敬意しかございません!(PHOTO/池上一摩 黒須田 TEXT/黒須田)