節イチは誰だ?
シリーズの折り返し、私なりのパワー鑑定を記しておこう。まずは、脚質別のトップ5から。
★ストレート足(伸び)
①清水沙樹
②田口節子
③高田ひかる
④勝浦真帆
⑤孫崎百世
とにかく抜群の展示タイムを弾き出しているのが清水沙樹。本人も初日から「伸びを付けたい」と伸び寄りの調整を続けており、その点は成功していると見ていい。やや後伸びでターンマークに近づいてから加速している感もあるのだが、常にスリット一撃のまくりは警戒しておきたい(今日の4Rは3コースからスリットで覗きながら、なぜか2番差し。選手のリズムは一息か)。
日々パワーアップしているのが田口節子だ。前節の守田俊介(優勝)もスリット付近からの伸びが珍しくゴキゲンだった53号機。今節になってさらにスピードに箔が付いた気がしてならない。
そしてそして、いつでもどこでも伸びーーーる仕様に仕上げ、「女子選手の中でもっとも展示時計を出す快速娘」として知られる高田ひかる。今節も例に漏れず初日から素晴らしい時計を弾き出し、さらに全部の足に磨きをかけて5611着と成績も急上昇。三松直美の帰郷(家事都合)で予選6走になり、明日は外枠2回の勝負駆け。自慢の伸び足を活かしきれば大穴連発~準優チケットGETにつながるだろう。さらに若手、勝浦・孫崎の伸び~るB1コンビも軽視は禁物だ。
★出足・回り足
①細川裕子
②香川素子
③田口節子
④土屋実沙希
⑤日高逸子
今節の細川裕子は「2マークの魔術師」だ。昨日の4Rはバック3、4番手から全速モンキー一発で軽々と2番手に浮上、ターン出口で後続を5艇身ほども千切り捨てていた。今日の6Rはバック5番手からターンマークごとにジリジリ追い上げ、気づけば日高逸子とガチンコの3着争いに。一時は日高の巧妙なターンで後手を踏んだが、最終ターンマークで凄まじくサイドの掛かった鋭角差しで逆転の3着をもぎ取った。元より女子屈指のターン巧者、機力との兼ね合いが難しい選手なのだが、ことサイドの掛かりに関しては節イチ級だと考えている。
エース香川素子42号機は安定感のある出足、回り足を随所に披露。初日の4着は2マークに判断ミスがあったもので、楽々2着を取りきる足色ではあった。今日の12Rの5コースまくり差しも、ターン出口からの加速感が超ゴキゲン。展開の利×エース機の底力で鮮やかに突き抜けた。
田口はストレート足に加えてこちらも上位。昨日の8Rの前付け2コース~スタート凹み~一撃の差し抜けに出足系統の強さを感じた。
土屋実沙希は今日の調整がバッチリ当たったのだろう。3Rは5コースから内隣・海野ゆかりを叩いてシャープなまくり差し一撃。後半9Rもスリットほぼ同体の2コースからイン廣中智紗衣をズッポリと差し抜いてしまった。ターンの出口から押して行く足も素晴らしく、今日だけの鑑定ならトップのレース足か。明日以降もキープできればV戦線の台風の目になり得るパワーだ。
日高逸子のレース足もかなり力強い。6R、細川との3着争いで途中まで競り勝ったターン足は実に軽快だった。後半10Rは4カドからコンマ09の一撃まくり! まあ、この勝利はパワー云々とは無縁のスタート勝ち(カド受け3コースがコンマ26)ではあった。それにしても、強い追い風をモノともせずにカドから豪快にまくりきる57歳って……何度も何度も何度も書いたが逸子ママ、あんたはマジでグレートすぎる!
最後にセカンド部分の足も少々。
★スリット付近の行き足
①寺田千恵
②田口節子
③土屋千明
④香川素子
⑤新田有理
1~3位は甲乙つけ難いのだが、昨日までのテラッチの行き足(特にスロー起こし)が抜群に見えたのでトップ指名。田口、土屋千明も出足~スリットまでの加速感が素晴らしく、同体からでも主導権を得られる行き足だ。香川、新田有理も一気に突き抜けるほどの迫力はないが、スリットから1/3くらい覗く感じではある。もちろん、伸び強烈な清水、高田らも全速スタートなら、このトップ5にヒケを取らないほど出て行くだろう。
★結論=トータルパワー
3日目を終えての節イチパワーは、バレバレだが田口節子53号機! 昨日からの仕上がりは出足~行き足~伸び~ターン回りとも抜群で、非の打ちどころのないバランス型だ。明日の3、4号艇をクリアして予選トップを維持すれば、節子の「本気モード復活V」の可能性はかなり高いとお伝えしておこう。
節ニ候補はエース機の香川素子で、これも理想的な好バランス。ランキングには入らなかったが、中谷朋子、遠藤エミも出足系統を中心に総合的には上位レベルと見ていい。塩崎桐加は機力よりも気力と充実度でポイントを稼ぎまくっている印象がある。実質的には中堅上位レベルか。
また、大山千広、小野生奈はスピードとテクで着をまとめており、中堅あるかなしかの劣勢パワー。守屋美穂、松本晶恵、長嶋万記はさらに厳しそうな足色で、中の下あたりか。ただ、これらの面々は4日目あたりから軒並みパワーアップさせる可能性を秘めており、特訓やスタート展示の気配に目を光らせておきたい。(photos/チャーリー池上、text/畠山)