（抽選前のつぶやき）
福岡のモーターは、去年の７月上旬から10カ月以上も稼働している。豊富なデータ、サンプルの中で、地元の森大輔記者とＢＢ誌の一般戦ウォッチャー三島敬一郎が揃ってトップ評価を与えたのは……69号機！ このエースモーターを誰が引くか、が今日の最大のハイライトになりそうだ。
私のイチ推しは、宮島マスターズと同じゴルゴ13号機。ＢＢ誌のミッションで今節も13号機を全レース買い続けることになるのだが、果たして誰が引き当ててくれるか。ちなみにこのモーターの評価は、「森記者＝Ｂランク、三島＝△」とちょっぴり辛めだが、大活躍してくれると信じるしかないな。
福岡の注目モーター
★★★69号機（47%、森Ｓ／三島◎）
★★52号機（48%、森Ａ／三島△）
★★21号機（37%、森Ｃ↑、三島◎）
★17号機（37%、森Ａ、三島△）
★48号機（32%、森Ｂ↑、三島○）
☆13号機（44%、森Ｂ、三島△）
（いざ抽選会場へ！）
令和最初のＳＧ、だからと言って抽選会場のムードが一変するわけもなし。ファン投票で選ばれた艇界の人気者たちは思い思いに資料を見つめたり談笑を交わしたり、リラックスした面持ちでそれぞれの席に座っている。で、そんな中からチラホラ「69」という数字も私の耳に届いたりする。
ガラポン抽選が始まる寸前、地元の記者さんがこんなことを教えてくれた。
「前節のＧＷ開催だけで言うなら、デバッチ（出畑孝典）の69よりも関裕也の46と山一鉄也の29の方が圧倒的に出てましたよ。数字と人気を考えたら、コッチを狙った方が面白いでしょ」
なるほど、最近のモーターはペラ交換などで激変することが多く、重視したいのは直近の気配だ。29と46か……思った瞬間、ガラポンの数字を読むスタッフが「29」を告げた。引き当てたのは、大山千広。初ＳＧ参戦でいきなりドリーム戦士の大役を任された天才少女が、とりあえず第一関門をクリアしたと言うべきか。スリットから攻めまくった山一29号機は、軽量の千広に最適なパートナーになりえるだろう。
「あらら、出ちゃったか」
笑顔の千広を見つめていた私の耳元で、こう囁いたのは白井英治（将棋の）師匠だ。その１分ほど前に「29と46が直近の狙い目」という会話を隣で聞いていた師匠は、「どうせ俺がエース機なんか引けるわけないんだから、そういう穴モーターが狙い目なんだよなぁ。それだったら引けるかも、引きたいなあ」などと真顔でつぶやいていたのだ。
「まだ46がありますよ～」
ガラポン機に向かう白井師匠の背中に話しかけたが、その願いは届かず12号機。
「どう？どう？ 12号機ってどうよ？」
「大丈夫、40％超えててＢランク、十分に戦えます」
「そっか、Ｂか、よっしゃ」
瞬時に気持ちを入れ替えたホワイトシャークだった。
「21って、どげな感じっスか？」
続いて話しかけてきたのは、21号機を引いた西山貴浩だ。12の次は21。私の手元にある閻魔帳を覗きに来たわけだが、36％の数字を見て「うーーん」と渋い表情に。が、ＢＢスタッフ三島のモーター鑑定メモ「◎21号機＝横澤剛治の大整備で抜群の出足・回り足に進化」を見せると、キラリ目が輝いた。
「出足と回り足、か……よっしゃ」
独り言のようにつぶやいたニッシーニャは、思い出したようにこう続けた。
「ところで、69って出たんすか？」
「いや、まだ出てないはずで……」
答えた瞬間、スタッフの１オクターブ高い声が会場内に響き渡った。
「ろくじゅうきゅうっ!!!!」
それを合図にフラッシュの嵐嵐嵐。被写体となっているのは……地元の羽野直也！ いささか戸惑ったように周囲をくるくる見回してから、ほんのちょっぴり微笑みを浮かべたあたり、いかにも羽野きゅんらしいリアクションではあったな。で、自席に戻ってからは、誰とも会話を交わすこともなく、何事もなかったかのようにぼんやり前方を見つめるのみ。うん、やっぱこの若者は超のつく大物なのだ、きっと。
ちなみに、私の節間の舟券パートナーとなる13号機を引き当てたのは、山崎智也！ 最近、どんどんまくりが増えている感のある智也だけに、外選手との連動で随所に好配当を提供してくれるはず。相棒に不足なし、とお伝えしておこう。(photos/シギー中尾、text/畠山)
福岡の注目モーターと乗り手
★★★69号機＝羽野直也
★★52号機＝茅原悠紀
★★21号機＝西山貴浩
★17号機＝田中信一郎
★48号機＝守屋美穂
☆☆☆29号機＝大山千広
☆☆☆46号機＝関 浩哉
☆13号機＝山崎智也
