BOAT RACE ビッグレース現場レポート

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THEピット――整備に奮闘

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 整備室の本体整備テーブルに石野貴之。一瞬、目を疑った。石野は今日、連勝発進ではないか。内枠2走だったとはいえ、2Rは3コースからまくり切っている。6Rも、深川真二が外枠にいる1号艇で、イン死守から逃げ切り。本体を割る道理がないと思えたのだ。整備室の整備状況ボードにも、51号機の本体整備を告げるサインがあった。ただ、これはどうやら大きな部品を変えるような整備ではなかったようだ。勝って兜の緒を締めて、モーターをただ放っておきはしない。表情も実に軽やかで、途中に先輩たちのボートにアカクミ配りを挟んだりもしていた。いい雰囲気を醸し出しながら集中している様子で、明日からもさらに期待して良し、と見た。

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 整備室には石川真二の姿も。2Rは隣の艇を叩くくらいのピット離れはあったが、2コースを奪うまでには前付けが必要だった。福岡は対岸にピットがあり、2マークと小回り防止ブイ間をぐるりと1周して進入するため、そもそもコースを獲るのが難しい構造となっている。今日ほどのバナレではまだ足りないということだろう、整備に手をつけたというわけだ。バナレを飛ばすには、プロペラをバナレ仕様に叩く、というイメージがあるが、実際はモーターも非常に大事だとか。そのあたりは熟知している石川だけに、初日から納得のいく仕上がりを求めて動いたのである。

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 本体整備は、ドリーム組の毒島誠も行なっている。前半ピットで毒島が整備室にボートを運び込む様子をお伝えしたが、なんと、10R発売中にもまだ整備室内にボートがあった。この間ピットに張り付き通しというわけではなかったので、途中水面に出た瞬間があったかもしれないが(確認できず)、いずれにしてもギリギリまでボートが整備室内という状況はやはり驚きではある。毒島といえば、常にギリギリまでペラを叩いてレースに臨む一人だが、今日はそれに整備も加えられていた(ペラを叩く姿も目撃している)。ドリームを見る限り、その成果が出たかどうかは微妙なところだが、この姿勢で毒島は今節も全力投球し続けることだろう。

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 そうそう、今日のドリーム組はいずれもプロペラ調整をけっこうギリギリまでやめなかった。3カ所あるプロペラ調整所のひとつ、装着場の隅にある“屋外”調整所で、たまたま峰竜太、大山千広、小野生奈が並んで叩いており、少し離れたところに毒島がいた。桐生順平は整備室奥にある調整室の出入り口付近で叩いていて、井口佳典はペラを手に整備室に入っていって、出入り口脇の調整所に陣取った。これが10R発走直前のこと。今日一日、調整に費やしてなお、可能な限り煮詰めていたのだ。ドリームを走って、さらに課題や調整の方向性もつかめたはず。明日も当然、懸命に作業をする姿を見られるだろう。

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 その頃、水面を走っていたのは松本晶恵と関浩哉の群馬コンビ。松本は毒島にアドバイスを受けながらペラを叩いている姿があり、大きい着を並べてしまった初日の巻き返しをはからんと懸命だ。関は4R6号艇6コースで2着。クラシックでも6号艇6コースで2着だったから、SGでの緑カポック2連対率100%だ(笑)。それはともかく、その1走しか連対できずに消化不良で終わってしまったクラシックの借りを返すため、関も懸命だ。今節は最低でも水神祭! その気合で作業の手を緩めずに戦う。

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 最後に気になる背中シリーズ。ヒダカスーパードライ! ダハハハ、日高逸子、お酒好きですからねー。ファンの方が作ってくれたのでしょうか。でも日高さん、その背中見たらビール飲みたくなっちゃうじゃないっすかー! というか、日高さんもビールが恋しくならないのだろうか。選手宿舎は禁酒なので、僕だったら酒呑みてー!とか叫んじゃいそうだが。日高さん、今節はバリバリ活躍して、最終日に美味しいビールを呑んでくださいね!(PHOTO/中尾茂幸 黒須田 TEXT/黒須田)