BOAT RACE ビッグレース現場レポート

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THEピット――若きセミファイナリスト

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 まず気になったのはやはり吉田裕平の様子だが、これがまた実にリラックスしており、野中一平や前田篤哉らと楽しそうに過ごしているのであった。GⅠ初出場で予選1位、しかも22歳だから準優の朝に緊張している、というのはたしかに単なる先入観、固定観念ではある。それでも、朝から今日という日を楽しんでいる、といった雰囲気なのは、やはり大物感を覚えずにはおれない。まあ、それが結果につながるというものもないわけだが、妙なプレッシャーに苛まれて失敗するというケースは考えにくいように思えた。

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 1号艇勢は全員がGⅠ優出経験なし、ではあるのだが、永井彪也も、吉田同様にGⅠ初出場の福田宗平も、平常心で今日の朝を迎えたように見えた。自分が同じような年齢のときだったらどうだろう、と想像すると、これはなかなか凄いことではあるまいか。あれは06年新鋭王座だったと記憶しているが、たしか吉永則雄が「準優がいちばん緊張する」と言っていた(たしか4号艇)。優勝戦はもはや一発勝負だが、準優はいわば運命を決する一戦。吉永の気持ち、わかるなあ、と思ったものだ。当時よりずっとインが強くなり(枠なりも増え)、1号艇で準優、しかもGⅠ初準優1号艇というのは痺れるものだと思えるのだが。とにかく、こうした大舞台のキャリアが浅い白カポック勢も、しっかりとレースに臨むことができそうだ。

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 最年少の宮之原輝紀も、昨日までと何も変わらない様子である。豪胆だな、と感心させられます。こちらの顔を見つけて、笑顔で頭を下げてくる姿も、大舞台の準優日の姿には見えない。まあ、宮之原はGⅠ初出場だった蒲郡周年でいきなり準優進出しているから(しかもとんでもない強豪ばかりの準優だった)、すでに経験済の舞台とも言える。していた作業はゲージ擦りで、それがまた余裕があるようにも見せていた。

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 一方、早くも試運転に励んでいたのは島村隆幸。こちらは気合のこもった表情で、作業をしている。まあ、根性据わったような雰囲気は普段からであって、島村もまたいつも通りといえばいつも通り。今日は3カドかなあ(2カドで優勝の経験あり)。

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 丸野一樹も同様に試運転をしており、同期の大上卓人と足合わせして、情報交換の会話を交わす場面があった。その輪に加わっていたのが竹田和哉で、こちらも準優組のなかでは動きが早い一人。あとは、山崎郡が早めに着水しており、粛々と動き出す準備をしていた。鋭い目つきでいたので、空気を乱さないように静かに見守っていたら、こちらを見つけて、ニッコリとおはようございます。心地いい気合が伝わってきた。(PHOTO/中尾茂幸 池上一摩 TEXT/黒須田)