BOAT RACE ビッグレース現場レポート

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THEピット――新人王!

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 昨年の最優秀新人選手に選ばれた前田篤哉が、やや冴えない表情。初日ゴンロク発進で、憂いが見えないほうがおかしいとも言える。今日は朝から整備に勤しんだようで、10R1回乗りに向けて、整備後は試運転に向かっている。昨年のびわこヤングダービーの最終日、彼とは「来年の徳山では、新人王となって再会しよう」と約束していた。それを見事に果たして乗り込んできた3度目のヤングダービーだが、まずは立て直しが必須だろう。去年も一昨年も結果を出せなかっただけに、ここからの逆襲に期待したい。

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 一昨年の最優秀新人、宮之原輝紀はさらに微妙な雰囲気と見える。元整備士だったお父さんには当時から今に至るまでもろもろお世話になっており、その縁もあって輝紀も気軽に声をかけてくれる。実は、5月の宮島レディースvsルーキーズでは1着選手に贈られたヤクルトタフマンなどをわざわざワタシにくれたりしていたのでした(笑)。御馳走様。そんな宮之原が、すれ違いざまに頭を下げながら、ふっと目を逸らしたりする。初日4着6着と一息の成績では、さすがに話もしづらいか。3Rも6着に敗れてしまったわけだが、直前の桐生周年で優出してきた男なのだ。らしい戦いをなんとか見せてもらいたい。

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 そうそう、このヤングダービーには、出場資格のある新人王受賞者が全員、参戦しているのだ。3年前は大山千広。朝からかなり精力的に動いており、ペラ調整と試運転に駆け回っている。今日は12R1回乗り。オール女子戦の1号艇だ。落とせない一戦に、早くから調整の力もこもる。

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 4年前の新人王は羽野直也。ドリーム戦は2着で、2Rは6号艇で3着。もちろん満足できる成績ではないにせよ、及第点の予選序盤とは言える。ここでは格上ということもあり、レース後にしても落ち着いたもので、後半8Rも自然体で臨むことだろう。

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 そして6年前の新人王が村上遼だ。初戦転覆でビハインドを背負った出発だったが、昨日後半は3着。そして2Rは4カドからまくって、先頭に立つまではいかなかったものの2着。巻き返し態勢には入ったと言える。レース後は、ひとまず明るめの表情を見せていて、悪くない感触を得たのではないかと見えた。今日はこの1回乗りなので、午後はじっくりと調整に臨むことだろう。
 というわけで、新人王5人衆はやや明暗分かれている現況ではある。今のところ、新人王がヤングダービーを優勝したケースは過去7回で一度もない。8回目にして誕生するのかにも注目したい。

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 村上のまくりを受け止めた松井洪弥。豊田健士郎が親指を立てて出迎え、同期の百武翔は「やったーっ!」とエンジン吊り後に派手に称えた。それを見ていた高田ひかるが何かに気づいた。「もしかして、GⅠ初1着?」。そうなんです、松井洪弥、水神祭! 「ぜんぜん気づかなかった」と高田。たしかに、とっくにやってるような気がしてました、僕も。松井は「なんか恥ずかしいから(水神祭)やめようかとも思ったんだけど」と苦笑い。いやいや、少しばかり時間がかかったとしても、GⅠ初勝利はめでたい! というわけで、水神祭の模様は別記事でお伝えします!(PHOTO/中尾茂幸 黒須田 TEXT/黒須田)