BOAT RACE ビッグレース現場レポート

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THEピット――気合の調整

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 予選4日連続、1R1号艇レディースが勝利! 番組さんのはからいというか、オープニングの白カポックを務めてきた女子選手が、見事に4人とも1着を獲った。長嶋万記が「女子が全部獲った!」と嬉しそうに微笑む。第66回ダービーは、女子が華やかに一日の幕を開けた一節だった、と言ってもいいだろう。
 今日の主役は遠藤エミ。曲者が大外枠にいて、起こしが深くなったインコース。それでもしっかり逃げた! ピットに戻った遠藤はすぐにニッコリ! おそらく女子選手の間では“1R1号艇”の話が出ていたはずで、その重圧をはねのけての逃げ切りは、心を軽くするものだっただろう。馬場貴也も嬉しそうに笑っていたぞ。もう一人の女子、小野生奈は5R1号艇なので、明日からの1R1号艇はどうなるかわからない。あと、小野も1Rではないけど、なんとか続きたいところですね!

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 6号艇の山口達也が前付けに出ながら回り直し、抵抗が振り切られて旨味のないセンタースローになりそうだった前本泰和がさらに回り直し、という最近では珍しいシーンもあった進入争い。前本はまさかの6コースで、それでも道中逆転で3着に入った。レース後の前本は苦笑いだ。6コースになってしまったこともそうだろうし、それでいて道中追い上げが利いたこともそうだろうし、苦笑いが浮かんで当然というようなレースだった。前本は静かに淡々と、というイメージなのだが、さすがに笑みが浮かんだレース後。これはなかなか貴重なシーンではある。

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 同じ広島勢の市川哲也は2R1号艇で逃げ切り。石渡鉄兵のまくり差しを振り切って、大敗の連鎖を断ち切ってみせた。山口剛に笑顔で出迎えられると、一瞬だけ目を細めてみせたが、その後は時に顔を歪めながら首をひねったり。まだ納得のいかない部分があるのだろう。今日はこの1走のみだが、さらに調整作業を続けることになりそうだ。残念ながら準優進出は厳しい状況だが、戦いが終わったわけではないのだ。

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 さてさて、予選最終日の勝負駆け。1着勝負の中澤和志が朝から本体整備に励んでいた。その勝負は1号艇での出走。これをなんとしてもモノにせんと、気合の整備と言えるだろう。

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 3着勝負となる菊地孝平も本体整備。6号艇で、どんな戦略を頭に思い描いているだろうか。前付けに出ようが6コース勝負だろうが、パワーアップが必要なことに変わりはない。1R発売中に整備を終えたあとは、試運転に出る準備を始めている。

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 勝って1点足らずの相手待ち(ボーダーが下がるのを待つ)の瓜生正義も、諦めることなく懸命なペラ調整、試運転。状況に関係なく全力を尽くすあたりが、トップ中のトップたるゆえんだろう。

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 そして、地元ダービーで予選落ちは許されない茅原悠紀も懸命の調整! 気合のこもった表情で、ペラと向き合い、試運転を繰り返している。まずは5Rに登場。渾身の走りに期待しよう。(PHOTO/池上一摩 黒須田 TEXT/黒須田)