1R展示が始まる前から遠藤エミが試運転。初戦の1マーク、手前で艇がやや跳ねる症状が出た。当然、まずはその部分を修正する必要があるわけだ。展示が始めると、プロペラ調整へ。展示が終了すると同時に遠藤はペラ室を出て、試運転へと出ていった。そして、その発売中には試運転を切り上げてボートを陸に上げている。ひとまず、気になる部分は解消されたか。もちろんその後もペラ室に向かい、調整はレースギリギリまで続くことになるだろう。
トライアル組の早い着水はあと平山智加。1R発売中に入念な装着作業を行なっていて、2R発売中には水面に出ていった。昨日も平山は真っ先に着水しており、水面に出るタイミングは12人のなかでは早いほうとなっている。今のところ大きな作業の必要がないということか。挨拶を交わす際にも非常に柔らかい笑顔で、前検時に感じたピリピリ感はまったくといっていいほど伝わってこなかった。
平山は三島敬一郎がS評価を打った29号機を手にしており、初戦は4着とはいえ、足色は良さそうであった。初戦で目立ったのはほかに田口節子で、戦った相手たちのなかにも「田口が良かった」旨のコメントを残した選手たちがいた。その田口はなんと本体整備。レース後の会見では手応えの良さを語っていただけに、おそらくは点検程度とは思われるが、昨日の気配からは予想できなかった動きではある。
整備組はほかに渡邉優美、寺田千恵。渡邉は多摩川のマスコットキャラ「静波まつり」のパーカーを着用しており、また昨日のレース時にはカポックの下にまつりちゃんTシャツを着用。まるで地元選手のようですね。お気に入りなんだろうか。
2R発売中には、川野芽唯がボートを整備室前に移動。本体整備に着手と思われる。初戦では平山との接戦で劣勢と見えており、パワーアップが急務となりそう。本体整備に取り掛かるのもなるほどと思わされる。今日は1号艇を手にしているだけに、確勝を期すためにも機力的な憂いなく12Rを迎えたい。
そのほかの選手たちはプロペラ調整。もちろん、試運転の手応えによって本体整備へと移行する可能性はあるが、早くも“予選中盤”だけに、ペラを煮詰めていくのにもスピードが求められる。というわけで、ゆったりと過ごしているトライアル組は皆無で、とにかく動き出しが早いという印象だ。
シリーズは予選最終日。こちらは大きな作業をしている選手はおらず、試運転とペラ調整に励んでいる。18位タイでボーダー上にいる落合直子は、とても静かな雰囲気なのだが、懸命に調整と試運転を繰り返す。昨年は地元開催で、シリーズ優勝戦では6号艇から前付けを見せておおいに盛り上げた。今年はさらに上の結果を残すべく、まずは入念な調整で準優勝負駆けに臨む。
1R、6着1着6着1着と来ていた池田浩美が2コースまくり快勝。これで準優は安全圏となった。レース後は池田自身よりも周囲の笑顔が目立った。そこにはもちろん、トライアル組の長嶋万記と三浦永理も含まれる。3本の1着は1~3コースのスロー水域でのものだけに、後半8Rではさらにポイントを積んで、準優内枠を狙いたい。(PHOTO/中尾茂幸 黒須田 TEXT/黒須田)