THE勝負駆け
今日は団体戦より個人・準優勝負駆けに重きを置いて振り返るとしよう。
★レディース
【予選トップ争い】
昨日から得点トップ6が7位以下を大差でぶっ千切るイビツな勝負駆け状況に。当ブログも含めて多くの媒体が準優ボーダーを【前日6位の7.40】に設定していたが、これって実質「昨日までの1位~6位は無事故完走で当確」なのですな。7位以下の選手が誰も7.40に到達できないから。
で、今日の1Rでは昨日まで全体トップの④鎌倉涼が②平山智加とのデッドヒートを制し、節間9.20までポイントアップ。さらに当面のライバル倉持莉々が3Rで2着に敗れたため、鎌倉の優位が拡大。8R2号艇の鎌倉が【4着以内なら9R以降を待つことなく男女通算のトップ=シリーズリーダー確定】という絶好の条件を入手した。
【準優ボーダー争い】
先に触れたとおり、昨日の段階で女子のトップ6が断然有利な立場だったが、3R⑤高田ひかるが4着に敗れて暫定6位=7.20まで下落。そんな流れで、俄然息を吹き返したのが暫定7位の平山智加だ。平山は10R1号艇を勝っても6.83にしかならないが、上位のライバルたちがこの数字を超えるには相応の着順が必要となる。列挙すると
9R⑤高田ひかる=3着
10R③中村桃佳=4着
12R②平高奈菜=3着
③平川香織=4着
つまり、平山にとっては力こぶの入る10R1号艇になったわけだ。
と、ここまで書いている間に9Rが終わったのだが、ちょっとした波乱が起きる。昨日までレディースの暫定2位だった高田ひかるが、前半4着に続いてここも展開に恵まれず5着大敗。まだ一縷の望みはあるものの、限りなく赤信号に近い黄信号が点ってしまった。GW開催で菊地孝平が四苦八苦した41号機をだましだまし使いこなしてきたが、ここ一番の勝負どころで底力の無さを露呈したか……。
そして、続く10Rはガチ勝負駆けの平山がインコースで仁王立ち。同県の勝負駆け・中村桃佳の握りマイを受け止め、早々に香川のワンツー態勢を築き上げた。今節は少しパワー劣勢に見えた平山だが、ここ一番の勝負強さは流石の一語だ。このレースの見出しとしては「平山&桃佳、ひかるを超えて準優確定!」。
平山が下克上を遂げた一方で、引きずり降ろされるのは【高田ひかるvs12R2号艇の平高奈菜】のニコイチに絞られた。平高が落ちる条件は【6着】のみだ。
そして……ひかるか奈菜か。最終12レースは5着条件の奈菜が今日も慌てず騒がず2着を獲りきり、節間262222で4位に食い込んだ。まだ長いF休みを残している身の上、辛抱を重ねて2着を連発する安定感、見事というしかない。
★ルーキーズ
【予選トップ争い】
前述、8Rでレディース鎌倉涼がシリーズリーダーに君臨したため、こちらは「男チームだけのトップ争い」を余儀なくされた。しかも、前半戦から白組の主力レーサーが負けるわ負けるわ。
2R②定松勇樹が3着~4R⑤末永和也が4着~6R④安河内健がまさかの6着……こうなると、こっちのトップ争いで断然有利になったのが本日1回走、しかも【11R1号艇】と絶好枠の中亮太だ。直前のトップ条件は【2着以内で確定、3着なら同率ながら着位数で石原翼が逆転トップ】だった。
白組の雌雄を決する11R、本番直前に風向きが真逆になるという波乱含みの水面環境だったが、大本命の①中がインからしっかりスタートを決めて逃走。レディースの鎌倉に続き、前日からのチームトップの座を守りきってルーキーズの頂点に立った。予選得点は8.33。シリーズ全体での2位も確定し、たとえば明日の準優で【11Rの中1着×12Rの鎌倉2着】だったりすると、中がファイナル1号艇をGETする権利を獲得したわけだ。自滅や取りこぼしが目立ったルーキーズの中で、これだけ安定した成績を残した中クンに特大の「天晴れ」を贈るとしよう。
【準優ボーダー争い】
レディースが「5人で4個の椅子取りゲーム」になったのに対し、ルーキー組はマバタキ厳禁の混戦状態に! 前半戦で銘柄レーサーがどんどん着を落とし、逆に1着を奪った谷口知優、田頭虎親といった伏兵がボーダーライン前後まで侵攻。
さらに、田頭は9Rもインからガッチリ押しきってあれよあれよの2連勝フィニッシュ! 得点率7.00で暫定5位の安河内健(6.50)を軽々と追い抜き、準優への当確ランプを点した。タイガーチャージ、恐るべし。
10Rが終わると混戦状態もすっかり落ち着き、上位ルーキーはこんな感じに。
1位 中 亮太 8.00 11R1号艇
2位 石原 翼 7.67 フィニッシュ
3位 末永和也 7.20 11R3号艇
4位 宮田龍馬 7.20 12R6号艇
5位 田頭虎親 7.00 フィニッシュ
6位 安河内健 6.50 フィニッシュ
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7位 谷口知優 6.20 11R2号艇
8位 定松勇樹 6.17 フィニッシュ
9位 荒巻凪沙 5.40 12R3号艇
8位の定松はまだチャンスがありそうだが、11R以降に出走する上位4人が完走さえすれば定松を上回ることが確定。むしろ、暫定9位の荒巻が12R1着なら微かな可能性が発生があり、こちらは10R時点で【末永・宮田・安河内・谷口・荒巻の5人で3個の椅子取りゲーム】となった。そして、3個の椅子を取りきったのは……時系列でお伝えしよう。
【11R】逃げて白組トップ確定の中クンに続き、天才・末永がガッチリと2着を確保して当確。逆に2着で当確だった台風の目・谷口クンは、その末永の引き波を浴びる形でボーダー近辺から引きずり降ろされた。残念だが、今節の果敢な全速アタックに惜しみない拍手を送るとしよう。
【12R】5着条件・宮田&結果待ち・安河内が生き残るのか、はたまた荒巻の大逆転があるのか……男女ともにわずかな紛れを残す最終レースは、どちらも安泰な結末に。5着条件の宮田が道中で平川を追い抜き3着確保。メイチ1着条件の荒巻は5着に敗れ、ミラクル下克上の夢は潰えた。
最後の最後に、今日の団体戦は紅白ともに相譲らず4勝4敗に。4日間トータルではこんな結果になっています!
紅組15-16白組
(photos/チャーリー池上、text/畠山)