BOAT RACE ビッグレース現場レポート

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荒れ水面で皆が健闘した3日目後半のピット

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 強い追い風でイン受難の一日。昨日までとは一転、3勝にとどまっている。そんな水面で勝浦真帆は逃げ切り! これは価値が高いし、明日につないだという意味でも大きな1勝となった。エース機の助けもあっただろうが、それだけでは片付けられない1着だぞ。ピットに戻っても淡々とした様子ではあったが、インが飛びまくった水面だからこそ、安堵の思いもあったはずだ。

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 同じ10Rで2着だった魚谷香織には、日高逸子が拍手を送っていた。やはりこの水面で、果敢な走りを見せて逆転2着。グレートマザーも思わず誉める戦いぶりだったということだ。その周辺では九州勢もニコニコ。レース後には3着だった鎌倉涼がニコニコと話しかけ、二人でリプレイを見ながら談笑していた。鎌倉からは「こんなに伸びてくるとは聞いてないよ~」との声も。

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 と言いつつ、その鎌倉のレース直後は、表情を硬くしていたのだった。カポック脱ぎ場へ向かうときにはうつむき加減で、3着という結果自体になのか、足的な部分になのか、不満げな表情を見せていたのである。このあたりの勝負師っぷりはさすが。3日目を終えて得点率18位とボーダー上にいるわけだが、明日は気合の勝負駆けを見せてくれるだろう。

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 11Rではヒヤリとするシーンがあった。3コース発進の渡邉優美が1マークでキャビったのだ。そのとき、4コースの樋口由加里の舳先は渡邉にいて、このままでは乗り上げてしまう! ピットでは悲鳴があがった。その瞬間、樋口は咄嗟にハンドルを右に切って、渡邉を避けた! ナイス事故回避! ピットの選手たちが口々に「上手!」と喝采。事故回避は、選手間でも称えられるものなのだ。樋口選手、素晴らしい!

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 このおかげで渡邉完走。ピットに戻った渡邉は、すぐに各選手のもとに走り(待機室の陰になっていて見えなかったが、おそらく真っ先に樋口のもとに向かったと思われる)、頭を下げている。ケガがなくて何よりです! 今日の水面で、スタート事故は出てしまったが、転覆や落水などの事故はなかった。選手の皆さん、ナイスファイト! そしてお疲れ様でした!

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 この11Rを勝ったのは長嶋万記だ。3日目にしてようやく1着。JLCやYouTubeをご覧の方は、勝利者インタビューでのモナリザを見たでしょう(笑)。これがやりたかったから1着をどうしても獲りたかった、なんて言ってたけど、それはさておいても落とせなかったイン戦。イン受難の流れだっただけに、気合も入ったことだろう。レース後の表情はさすがに快活であった。

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 そして12Rは今井美亜が5コースまくりで快勝! この水面であれができるのだから、驚異的。クイーンズクライマックスでもそうだったように、ここぞの場面でセンセーショナルなターンを見せるのが今井美亜だ。今日の今井は2Rの1号艇で2着に敗れたあと、必死に試運転とプロペラ調整を繰り返した。なかなか合わせることができずに今井らしいターンができなかったわけだが、その努力が実ったわけだ。これぞ今井美亜! これで勝負駆けも残ったわけで、明日は3号艇1回乗り。ふむふむ、ティアラを獲った枠番ですか。明日は何を見せてくれるのか、楽しみにしよう。(PHOTO/池上一摩 黒須田 TEXT/黒須田)