BOAT RACE ビッグレース現場レポート

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鳴門レディースオールスターTOPICS 4日目

THE勝負駆け①予選トップ争い
恐るべき“猛追”

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 昨日までの上位ランキングは
①小野生奈…8・80
②岩崎芳美…8・00
③西橋奈未…8・00
④大山千広…7・60
 1位の小野は12R1号艇で仁王立ち。この大本命をやや離れた位置から追う3人は、7Rの2~4号艇で激突した。結果は3コースの大山が「なんぢゃこりぁ!!」みたいな一撃まくりで圧勝。言葉は悪いが、えげつないほど凄まじい旋回だった。①實森美祐と②西橋の雁首を並べ、まとめて一刀で斬り捨てるようなWツケマイ、みたいな。

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 勝ちタイムの1分46秒4も、初日ドリームで自らが作った節間トップ(1分46秒8)を軽々と凌ぐ猛ラップ。鬼神の如き強さに、もはや呆れるしかないな。この直接対決の2着は西橋、3着も岩崎と上位ランカーが独占。予選順位は大山と岩崎が入れ替わり、同時に大山の準優1号艇が確定した。やはり来たか。

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 もちろん、このレースがどんな決着であっても12R①小野の絶対的優位は変わらない。唯一、自力で下剋上を起こせる可能性があるのは12R⑤西橋で、「西橋1着&小野4着以下」という条件を満たせば大逆転トップ。去年のGPトライアル第3戦で、石野貴之が5カドから暫定トップの毒島誠を攻め潰したアレですな。そんな大それた下剋上を、23歳の女子レーサーがやらかしてしまうのか!?(↓つづく)

THE勝負駆け②準優ボーダー争い
死のグループ」からの生還

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 一方、準優入り=予選18位を巡る勝負駆けは、後半戦からボーダー勝率がグングン上がる大激戦に。昨日まで5・60だった得点率は、まず8Rの②喜多須杏奈が1着(6・17)、③鎌倉涼が2着(6・00)に入ったことによって5・80まで上昇。さらに10Rで①平高奈菜が逃げきり(6・17)、ついに準優ボーダーは6・00に到達した。
 この数字の急騰によって、12Rの勝負駆けも予想よりかなりシビアなものになった。予選トップ争いとともに条件を記しておこう。

12R
①小野生奈…3着以内でトップ当選
②中谷朋子…1着で6・00
③高田ひかる…2着で6・00
④大瀧明日香…3着で6・17
⑤西橋奈未…1着&小野4着以下で逆転トップ
⑥寺田千恵…5着で6・00

 枠番と照らし合わせると、ボーダー勝負駆けの4人にとってまさに「死のグループ」と呼ぶべきか。前半2Rの2着で「文句なしの当確か」と思われた寺田(12R直前で8位!)までが、大敗なら脱落という危機に直面したのである。

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 いざレース本番、ヒリヒリとした4人の中でもっとも鮮やかに勝負駆けを決めたのは、2着条件の高田ひかるだった。3コースからコンマ02まで踏み込み、大本命の小野を一撃で粉砕する絞めまくり! 前半4Rの2コース差しも含めた連勝で6・33まで引き上げ、昨日の29位(4・50)から20人ゴボー抜きで9位に躍進した。初日の6・6着からの巻き返し、その成績どおりの悲惨な足色からの底上げ、1号艇以外での連勝、それらをひっくるめればミラクルと呼ぶべき9位入線だった。もちろん、勝負駆けのMVPとして異論を挟む余地はないだろう。

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 高田が抜け出しても、準優ボーダー争いは終わらない。うまく高田に連動できずにバック4番手だった大瀧は、1周2マークの最内を冷静に差して必要不可欠な3番手に進出。さらに後方では寺田が中谷、西橋と熾烈な4着争いを繰り広げ、5着=6・00という微妙な数字でゴールインした。テラッチの予選トータル着順123345は、12Rまで暫定18位だった鎌倉涼とまったく同じ。ならばレースタイムの速い方が優先されるのだが、わずかコンマ2秒差で寺田が辛勝。鎌倉が高田と入れ替わって圏外へと押し出された。

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 さてさて、一方の予選トップ争いは、高田のまくりを喰らいながらも2着に入った小野に決定。レース展開としては大敗(5着以下なら大山がトップ)もありえるイン戦だったが、まくられてから小さく差して3番手あたりに粘り込み、そこから外に持ち出して2マークは一片の迷いもない全速ぶん回しターンで、あっという間に予選トップの安全圏に突入した。本人は悔しいだろうが、トップ争奪戦としては100点満点の立ち回りだったと思う。もちろん、明日も同時刻の1号艇で今日の悔しさを水面にしっかり反映させることだろう。

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 生奈とは裏腹に、西橋は下剋上のトップどころか6着大敗で準優1号艇(3着以内)も逃してしまった。これまた本人はさぞや悔しいだろうが、23歳という若さ×準優1号艇のプレッシャーを天秤にかければ、これはこれで良い方向に向かう可能性もあるはずだ。今日の結果をポジティヴに捉え、2号艇から元気溌剌なスピードターンを繰り出してもらいたい。
 今日の勝負駆けをざっくりまとめておこう。昨日の18位圏内から落選した選手は、日高逸子、守屋美穂、鎌倉涼、土屋実沙希の4人。逆に19位以下から勝負駆けを成功させたのは、先にも少し触れた平高奈菜、喜多須杏奈、高田ひかると清水沙樹。平高と喜多須は7点の減点を克服し、高田は6・6着から這い上がった。でもって今日の清水沙樹は逃げきりの1着のみだが、6秒66という強烈な展示タイムを叩き出している。この4人は成績なりのパワー上昇も含めて、明日の準優でも軽視禁物と肝に銘じておきたい。(photos/チャーリー池上、text/畠山)