BOAT RACE ビッグレース現場レポート

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徳山ヤンダビTOPICS 4日目後半

THE勝負駆け【8R~】

【8R】ひかる崖っぷち

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 V戦線を引っ掻き回す「台風の目」として期待していた高田ひかるが、2コースからスタート後手を踏んで5着大敗。スタート展示からスリット足は半端なく、あとコンマ05ほど踏み込んでいたらイン竹田和哉を呑み込んでいただろう。裏を返せば、コンマ01のタッチSで迎撃した竹田を絶賛すべきですかな。この5着で準優圏外にこぼれ落ちたひかるは、12R6号艇で2着=6・00の勝負駆けに挑む立場となった。

【10R】羽野キュン首位通過、西橋まさかの……

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 昨日まで暫定7位、今日は2走6点(4・5着)で6・00という緩い勝負駆けだった西橋奈未が、1号艇でよもやの予選落ちを喫した。前半2Rはスロー4コースから展開がなく5着。ここで決めきれなかったのが焦りを生んだか。4着6・00という条件下のインコースでやや後手を踏み、そこから伸び返したものの2コース松井洪弥のジカまくりを浴びてズルリ準優圏外へと滑り落ちた。激痛の5・5着=5・67フィニッシュ……昨日のTOPICSで「今節の攻撃的なレースっぷりは完璧」と絶賛したものだが、昨日までのキレ味を微塵も感じさせない2走になってしまった。男女混合プレミアムGIの洗礼を浴びた、ということなのか。本人の悔しさがどれほどか、ちょっと想像できない。

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 一方、そんな内水域の混戦を横目に、4カドから例によって慌てず騒がず3着を獲りきったのが羽野直也。もちろん【3着以内で予選トップ確定】という条件を頭に叩き込んでいたはずで、その必要十分条件を過不足なく拾い上げるあたりは小憎らしいほどの強さと言うべきか。ただ、道中では3着安全圏と見えた位置から中村晃朋にジリジリと詰め寄られており、パワー的にはいささか不安な一面も感じさせた。

【11R】関が準優1号艇返り咲き

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 予選トップ争いに関しては消化試合でも、「①関浩哉か⑤大山千広、勝ったほうが準優1号艇確定」という裏勝負駆けが隠された一戦。ここまでスタートで煮え切らなかった関が、インからバチコーンのコンマ08を決め、1マークは影をも踏ませぬ快速インモンキーで準優の白カポックをゲットした。予選2位確定まみならず、明日のリハーサルという意味でも貴重なコンマ08逃げと言えるだろう。

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 白カポック争奪戦には敗れたものの、5コースから全速でえぐり込むような割り差しで悠々2着を獲りきった千広も天晴れの一語。昨日まで同じ得点だった西橋と極端すぎる明暗を分けたのは、やはり鉄火場を潜り抜けた経験値の差だったか。

【12R】ミラクルひかるの断末魔

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 やってしまった。8Rの5着で断崖絶壁に立たされた高田ひかるがチルト0・5に跳ね、6秒72という凄まじい展示タイムを叩き出してのメイチ勝負駆け。そのパンチ力を100%生かすべく、継続手としてスタートもぶち込んだのだが……ぶち込み過ぎた。6コースから軽々と内5艇を叩き潰した直後にフライングの判定が。悲惨な形でV戦線から消えたのみならず、当面の目標にしていた暮れのクイーンズクライマックスTOP12入りにも暗雲が立ち込める勇み足となった。
 なお、1号艇の上條暢嵩は「1着=準優1号艇」という勝負駆けだったのだが、ひかるの引き波をモロに浴び大差の最下位で予選フィニッシュ。羽野、関に続く第3の椅子は、すでに予選を終えて結果待ちだった妻鳥晋也に手渡された。(photos/シギー中尾、text/畠山)