BOAT RACE ビッグレース現場レポート

BOAT RACE ビッグレースの現場から、精鋭ライター達が最新のレポートをお届けします。

宮島グラチャンTOPICS 2日目

まくり乱舞の謎!?

f:id:boatrace-g-report:20200624180626j:plain

 この2日間のレースを振り返ると、【まくり&まくり選手のマーク差し(抜き含む)】といういささか派手な決着が濫発している。列挙しておこう。
初日
★3R…④羽野直也が4カド絞めまくり、アウトの⑥中野次郎が連動2着。3連単34780円。
★4R…⑤徳増秀樹が前付けの3コースまくり、4コースの②井口佳典が連動2着。3連単18240円
★10R…⑥峰竜太の前付け4コースまくりに5コースの④萩原秀人が鮮やかなマーク差し1着。3連単54150円。
★11R…③徳増が3コースまくり連勝、④白井英治~⑤西村拓也が連動して2・3着。3連単3790円。
2日目
★1R…③篠崎仁志が3コースまくり、連動して差した④稲田浩二が3着。3連単11010円。
★2R…⑥湯川浩司の前付け3コースまくりに4コース③福来剛&5コース④瓜生正義が見事に連動して湯川を捕え1、2着。3連単7070円。
★5R…③長田頼宗の3コースまくりに④桐生順平がキッチリ連動して激辛のマーク差し1着(抜き)、アウトから⑥西山貴浩もしぶとく2着に入線。3連単43160円。
★7R…②田村隆信が2コースから伸びなりジカまくり、連動した3コース③坂口周&4コース④魚谷智之が混戦を捌いて2・3着。3連単5900円。
★9R…⑥上野真之介72号機がアウト6コースから怒涛の大まくりで圧勝。3連単20110円。

f:id:boatrace-g-report:20200624180706j:plain

 全24レース中9レースが「まくり」関連での1着! 一方、純粋な「差し」決着は初日8R②松井繁の2コース差しと今日の8R②瓜生の2コース差し、この2勝のみ。スタートが揃いやすいSGでこれだけ「まくり」が乱れ飛ぶのは、かなりレアなケースと言っていいだろう。

f:id:boatrace-g-report:20200624180742j:plain

 今日のトピックとして一例だけフューチャーするなら、5Rの長田まくりか。今日の長田頼宗は35歳のパッピーバースデーにして?回目の結婚記念日という二重にめでたいアニバーサリーだった。もちろん、それを自覚し「自分と嫁さんに1着をプレゼント♪」と意気込んだであろう長田は、3コースからただひとりコンマゼロ台まで踏み込んだ。でもって内の2艇はコンマ20台だったから、舳先を左に傾けるだけでオートメーションまくり炸裂。W記念日に花を添える圧勝劇と思ったものだが、その外隣に“鬼”が潜んでいた。

f:id:boatrace-g-report:20200624180812j:plain

 4コースの桐生順平。
 長田まくりにキッチリ連動した桐生は、例によって早くて速いモンキー差しで長田に肉薄。舳先をわずか30cmほど捩じ込んでバックの直線勝負に突入した。両者の行き足はほぼ互角。抜けそうで抜けず、貫きそうで貫かず、微妙な鍔迫り合いは2マークまで続き、力任せに握った長田が真横にぶん流れて両者の体は入れ替わった。
 ちなみに、私の隣で観戦していた黒須田は、本紙予想通り③長田-④桐生の舟券をそれなりに厚く張っていた。あのバック直線で桐生の30cmの舳先がこそげ落ちれば、長田のみならず黒須田までも幸せになれるはずだった(ちなみに③-④-⑥は約200倍)。あの雌雄を決するバック直線での悲痛な叫び声は、今も私の鼓膜に残っている。
「頼む、空気を読んでくれ、ジュンペーーーッッッッ!!!!」
 うむ、今日は見事な連勝で予選トップに立った順平には申し訳ないが、前半1着に限ってはいろんな意味で「鬼畜の所業」と呼ばせていただこう(笑)。

f:id:boatrace-g-report:20200624180842j:plain

 さて本題。まくり乱舞の2日間は単なる偶然ではない、と私は思っている。その要因を羅列すると、こんな感じだろうか。
①気温の上昇で回転が上がりにくく、助走距離の短いイン選手のスタートが届きにくい。
②基本的にホーム向かい風が多く、ダッシュ勢が伸びやすい。
③吉川昭男、深川真二、前本泰和などなど前付けに動きやすい選手がそれなりに豊富。
④今節はいつものSGよりストレート足の強弱がやたらと激しい。
 これらのファクターが微妙に絡み合って「まくり」を量産していると思うのだが、特に注目したいのは④の直線パワーだ。これも2タイプがあって、A・ハナからスリット足が強烈な超抜モーターが複数存在する、B・伸び型に調整してスリットの破壊力がアップした選手が複数存在する、という感じか。この要素は最終日までさほど変わらないと思うので、明日以降もA・Bの枠番やコース次第で随所にまくり関連の決着が生まれると予測している。もうすでにバレバレの選手&モーターも多いが、要注意の人機を「まくり危険度」とともにピックアップしておこう。

f:id:boatrace-g-report:20200624180918j:plain

★★★★★徳増秀樹45号機=もはや書く必要もないが、A・B両方の要素を兼ね備えたもっとも危険なマッチングだ。
★★★★上野真之介72号機=これも今日の6コースまくりで超バレバレに。元よりモーター2連率で全国区に指名手配されていた(笑)。
★★★★峰竜太50号機=今日は5コースから捌いて2着という優等生だったが、センター筋から覗けば狂暴なまくり屋に変身するだけの行き足を誇る。
★★★★菊地孝平51号機=どうにも展開がハマらないがスリット足は不気味の一語。特にダッシュ戦では破壊力が倍増するはず。

f:id:boatrace-g-report:20200624181011j:plain

★★★松井繁42号機=基本姿勢は「スタート我慢」もSGの頂点が狙えるシリーズはその封印を解き放つ。暫定5位→明日は6号艇の一発となれば、際まで踏み込む可能性大?
★★★田村隆信47号機=悲願の地元SGオーシャンカップへスタートは慎重になりやすそうだが、いつにない強烈な伸び足は常に警戒すべし。
★★★今垣光太郎37号機=徐々に大好物の伸び型へとスライドし、そろそろ質の良いスタートからドカーンの爆発がありそう。できれば3・4カドが理想なのだが……。
★★★湯川浩司24号機=今日の前半はなかなかのスリット足でまくり敢行(3着)。後半は案外も、いきなり伸びに特化する可能性あり。直線足が展示タイムにはっきり表れるタイプでもある。
★★坪井康晴31号機=例によって危険な直線足に仕上げきったBタイプ。ガムシャラに攻めるタイプではないが、これだけ伸びれば常にS一撃がありえる。
★★桑原 悠53号機=スリット足さえ来れば有無を言わさず絞めまくる獰猛なBタイプ。今節は伸びずに苦しんでいるが、今日の10Rでは微かながら伸びの兆しを感じた。そろそろ注意!
★★岡崎恭裕17号機=スリットで暴れるタイプではないが、今節の伸び足はかなり魅力的。6コースでも覗けば自力で攻めそうなムードが漂う。
★長田頼宗62号機=今日はスタート攻勢だったが、前検あたりからスリット足は軽快な部類。今日のリベンジまくりをちょこっと警戒しておきたい。

f:id:boatrace-g-report:20200624181037j:plain

 書いてみたらば昨日のパワー番付と丸被りみたいになってしまった(苦笑)。冒頭のまくり決着リストでわかる通り、SGでは1号艇が2、3着に飛ぶだけでも法外な配当になりやすい。今節は穴党のファンのみならず、「まくりの危険度がやたらと高いシリーズ」と肝に銘じておいた方がいいと思うのだが、どうか(←例によって、こういうコトを書くと翌日はイン10勝以上&まくりゼロなんてことになるんだよなぁw)。
(photos/黒須田、text/畠山)